イサキを三枚に下ろして、皮を引く。
驚いたことに、イサキとは思えない、白い上身が突然のごとく目の前に現れた。
活け締めしたものなので、どこかしら透明感が感じられる、がそれ以上に白い。
見た目であっても白いイサキの刺身なんて、めったにあるものではない。
このイサキの産地は鳥取県境港『小林冷蔵』からだった。
ということは鳥取県であがったもの? ではないと思う。
何度も境港に足を運んでいると、なんとなくこの「境港産」の真の産地が見えてくる。
たぶん絶対ではないけど島根半島だろう。
地図を見るとすぐにわかってもらえることがあって、境港は文字で見るがごとく、鳥取県と島根県の国境にある。
数百メートルの狭い境水道を渡ると、そこは松江市、島根半島なのだ。
島根半島の東部の港にあがった魚はほとんどが境港に行くのだ。
しかも境港の市場自体、JF島根が半分以上を占めているのだから、「境港産=鳥取県産」ではないのだよ、と声を大にしていいたいところだ。
さて、島根半島でとれるイサキやマアジ、マダイは絶品である。
境水道から西にかけて大量のシラス(カタクチイワシの稚魚)が湧き、エサが豊富であるためだろう。
このあたりで揚がる魚の脂ののりはすごい。
島根半島ブランドを確率できたら、素晴らしいだろう。
よそ者がついつい、そんなことを考えずにはいられないほど見事な魚たちだ。
さて、食べてみなければはじまらない。
その一片をとり、醤油に浸すと、ぱーっと脂の玉が浮かんでくる。
明らかに醤油をはじいて、口に入れた刺身が甘いのだ。
脂からくるまったりした甘さだけど、ちゃんとイサキらしい微かな酸味を出している。
コイツは今年最高のイサキだ。
間違いなく、ここ数年でも最高のものだろう。
口の中で美味に暴れるイサキに、遠く島根半島を思い。
また行きたいものだ、なんて強く考えてしまうのだ。
市場に来ませんか? 市場には素晴らしい食材がある
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イサキへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/isaki/isaki.html
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http://www.zukan-bouz.com/index.html
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http://www.zukan-bouz.com/
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マス子さんはカラフトマスの子
こんにちはぼうずコンニャクさま
こちらのイサキはかなり旨そうですね。
八王子で購入されたのですか?
境港で水揚げされる魚介類が旨いのは
お隣の米子に在住経験の有る私も十分
に周知しております。
娘が生まれた思い出の地。離れて二年半
になりますが、娘を連れてまた訪れたい
と思う今日此の頃です。