『五大力船』、ばか乃佃煮は乙な味だぜ

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最近「乙だね」という言語が聞かれなくなった。
このよき言葉が身近で使われなくて寂しい限りだ。
寂しいから、自分でせいぜい使うことにする。
その「乙だね」の最初が五大力船の、その名も「ばか乃佃煮」だ。

「ばか」とは何か、というとすし屋に行くと青柳なんて呼ばれる二枚貝である。
標準和名がバカガイなんだけど、この名は東京湾千葉内房あたりの言語だ。
「バカみたいにとれる」、「足を貝殻からぺろーんと出してバカな貝だ」なんてことからついた名だと言う。
だいたい内房の漁師はもっと縮めて「バカゲ」なんていう。
バカ、バカなんて言ってバカガイがかわいそうじゃないか?
と思われるかもしれないが、ここには一種愛情が込められている。

こいつを醤油で煮たものは、千葉県内房の伝統的な家庭料理で、今でも船橋湊などを歩いていると、バカを煮る匂いが漂ってくる。
同じく内房木更津を本拠地としている、五大力船が作ったものは、実は家庭で作るような、総菜的なものではない。
超がつくくらい粋な味わいだ。
洗練された味と言っても過言ではない。

「乙で粋な味」とはどんなものか、甘さのほどがいいということだ。
甘み控えめで醤油辛くて、バカガイの味が生きている。
これなら純米吟醸でも飲みながら、「ばか乃佃煮」を食いたくなろうというものだ。
ボクもバカ、バカと愛情を込めて呟きながら、これでコップ酒3杯目なのだ。

五大力船
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、バカガイへ
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コメント(1)

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このページは、管理人が2009年8月 7日 21:45に書いたブログ記事です。

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