スミヤキの汁で立ち直る

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八王子総合卸売センター『総市(仲卸)』にスミヤキ(クロシビカマス)が3本並んでいる。
すでに箱はない。
脇に200円の紙があって、
「おおおい、ミノルちゃん、3本で200円じゃないよな」
「はあーー? うるせい、仕事の邪魔するな」
不愉快そうに眉間にしわをよせて、
「買うんなら200円よこせ」
というので1本。

スミヤキの標準和名はクロシビカマス。
カマスとあるが、まったくカマスとは縁もゆかりもない。
昼間は深海にいて、夜になると浅い場所に浮き上がって獲物をとらえて食べる。
どう猛な肉食魚で、なぜか真っ黒で、どうにもうまそうな魚とは思えない。
これを好んで食べているのは、ボクが知っている範囲では相模湾周辺だけだ。

たぶん和歌山県串本産なのだろうけど、ミノルちゃん不機嫌につき確かめられなかった。
帰宅して、お昼ご飯の汁とする。
三枚に下ろして、身をかきとり、とんとんとたたく。
残った皮と骨、こぶでだしをとる。

スミヤキの汁はギラギラするほど脂が浮いている。
口に含んで旨みが濃厚で、ジワっとしみこんでくる。
ほどなのに後口がいい。
さっぱりしている。
心地よい味わいだけが下に残る。
残りご飯にかけたら、この所謂ねこまんまのうまいこと。

最近体調不全なので、なぜか汁が恋しい。
汁が身体を癒してくれている気がするのだけど、栄養学的、医学的にはどうなんだろう。
当然、汁に向いている魚とダメな魚があるが、スミヤキの場合、最上等の部類には入る。
カサゴやアンコウにはない味わいがある。
独特なのである。
低カロリー、滋味豊か。
スミヤキの汁はもっとも身体にしみ通る気がするのだけど、気のせいだろうか?

材料
だんご材料/スミヤキ1尾、山芋適宜、ショウガ絞り汁、酒・塩少々、万能ネギ
汁の材料/昆布、酒、水、塩。
作り方
1 スミヤキは三枚に下ろして身をかきだす。とんとんとたたいて、すり鉢にとり山芋、塩などを加えてする。臭みとりにショウガ、酒。これを団子状にしてゆでる。
2 スミヤキの皮、あら、昆布、水を鍋に張り、火をつけてゆっくり沸騰させる。わいたら火を止めて、漉す。
3 こした汁に酒塩で味つけ、だんごを加えて、芹をちらす。


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このページは、管理人が2010年6月 4日 07:45に書いたブログ記事です。

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