早くも! 夏バテ気味なので「青柳おじや」

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毎日慌ただしく、そして追いつめられている感があって息苦しい。
では何に追いつめられているのか、ぜんぜんわからない。
正体不明の何か? 正体見極めたいが死ぬまでわからないのだろうな。
この何かのために、日々これ大変なのだ。

さて、本題に。
梅雨が明けて晴天が続くのを「梅雨明け十日」という。
日差しが強く、熱暑が続く。
梅雨明けが夏本番の始まりなら、すでに夏バテ気味とはおかしな話だが、現実問題我はバテバテなのだ。

朝ご飯がうまくない。
昼はついつい食べ過ぎるきらいであるが、それでも食後が重い。
夜は液体を主としてしまう。
なんとか朝だけは、さわやかに、しかも満足度の高い食事がしたい。
こんなことを思いながら冷凍庫を探る。
見つかったのがすし屋仕込みにした青柳(バカガイ)の舌きり。
青柳は江戸前寿司でも馴染みのもので、内湾に生息する二枚貝のこと。
江戸前ではむき身にしてすしネタにするのだが、これにはある程度の大きさが必要になる。
小さいものは単にむいて、足(普通身と思われている部分)だけを切り取ってしまう。
これが舌きりだ。
小さいのでかなり格安で、味は大小あまり関係がなく、小振りながらうまいのだ。
とっておいた鰹節だし、冷凍しておいた残りご飯、刻んだネギがある。
これは"おじや"を作るしかない。
ちなみに"おじや"とは雑炊(ぞうすい)の女房言葉(宮中なのでの)なのだが、なぜか関東では男女関係なく"おじや"という言葉を使う。
定義はご飯を汁で煮て味付けしたものである。

さて小鍋を用意してだしを張り、味つけして、ネギを刻みながら"おじや"を作る。
こんなことをしていたら、晩年の永井荷風が菜切り包丁で野菜を刻んでいる、有名な写真のことが思い浮かぶ。
我が娘が朝寝坊しているので、お父さんはこそこそ朝ご飯を作っているだけなのだが、いずれにしろしみじみうら寂しい光景であろうな。

"おじや"を作り、そこに青柳と刻みネギをのせて台所で食べる。
青柳は冷たーーくて、"おじや"と混ざって、その独特の貝の風味と渋みが浮き上がってくる。
そこに刻んだネギの微かな辛みと青い香り。
残りものでほんの5、6分で作ったものなのに、贅沢で豊かな気分にしてくれる。
ここにはうら悲しいとか、うら寂しいとかいったマイナスの心情は浮かんできませんな。
それに暑い日の朝だから暖かいものがいいのだな、なんていい年をしたお父さんはやっと気づいた、これも大収穫である。
子供に作るなら卵をわり入れてもいいだろう。
その方が栄養的には優れている。

材料
ご飯茶碗1杯、だし2カップ、みりん大さじ1、薄口醤油大さじ2分の1、塩適宜、青柳の舌きり適宜(多いほどいい)、青ネギ適宜
作り方
予め だしは、昆布は30分以上水につけておき、弱火でゆっくりわかし、沸騰直前に取り出す。鰹節を加えて、弱火にして2、3分煮る。火を止めて鰹節が沈んだら漉す。
予め 青柳の舌切りは水を張った鍋に入れて塩を大さじ2入れる。火にかけ、手でかき混ぜながら、手がつけていられないくらいに、熱くなったらザルに取り、冷水に落す。水分はよく拭き取っておく。ここまで仕込んだ物は冷凍して保存がきく。
1 一人用の小鍋に7分目までだしを張り、みりんを加え火をつける。絶対に沸騰させないように気をつける。ここに薄口醤油を加え、味見をして、塩で加減する。
2 冷凍ご飯は電子レンジで解凍、鍋に入れてほどよく火が通ったらガスをとめる。ここに適当に刻んだ青柳と青ネギをのせて出来上がり。


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このページは、管理人が2010年7月18日 07:09に書いたブログ記事です。

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