二週間に一ハモなのだ、その5

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ハモ料理の代表的なものが、「落とし」だ。
骨切りしたものを熱湯に「落とす」のでこの名がある。
「ちり」ともいう。
熱湯のなかで「ちり」と花びらのように開くためだ。
これは天然パーマの人の髪の毛を「ちりちり」なんていうのと同じ。

もっとも骨切りの腕前と、ハモ自体の良し悪しがわかるのがこの料理。
8月になると、途端にハモの脂が落ちてくる。
同時に値も下がるわけで、現在の市場流通のよさが、ここに垣間見える。

さて、「落とし」に添えるのは、梅肉酢。
すり鉢でねっとり滑らかに、すり、だしで適度に薄めたもの。
煮切りみりん、砂糖で甘みを加える。

夏の宵に鱧の「落とし」で冷や酒。
これは関東では魚好きの特権ではないだろうか?
料理屋さんで、しゃっちこばって箸を出すよりは、自分でハモを下ろし、骨切り、ちりちり花びらを咲かせて、キリリと冷えた純米吟醸などを一献。
よくよく考えてみると「落とし」というのは肴以外のなにものでもない。
酒なくして「落とし」はありまへん。

材料
骨切りしたハモ、梅肉、だし、煮切りみりん、砂糖
作り方
1 すり鉢で梅肉をすり、だしで緩めて、みりん、砂糖で甘みをつける。
2 骨切りしたハモは熱湯に落として、チリっと花を咲かせたら、氷水に取る。水分を出来る限り取る。

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このページは、管理人が2010年8月 6日 08:24に書いたブログ記事です。

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