骨切りが終わったら、まずは「ぼたんはも」を作る。
一般的には椀物、吸い物などとされるものだ。
カツオ節、昆布のあっさりしただしに酒と塩で味つけ。
椀に魚や貝などの種を入れて、だしをはったもの。
吸い物は別名を「お澄まし」などともいう。
透明な汁で割烹料理の世界では非常にあっさりして、上品な味わいで味蕾を活性化させる。
が、家庭で作るものは濃厚でもいい。
我が家ではハモに限っては骨やアラでだしを引き、酒、みりん、塩、薄口醤油で味付けし、旨みのある汁にする。
汁はどうしても白濁してしまうが、味は断然上だ。
骨切りしたハモの身のひだに、片栗粉(葛粉の方がよろしいな)をはけなどでまぶす。
これを湯に落として花びらのように咲かせる。
切りこんだ身が開いて花びらのようになる。
花びらが薄くて、まるでボタンのようなのだ。
これを濃厚な旨みのハモのだしに加えると、なんとも豊かな一椀となる。
ボクは常々、椀物こそ日本料理の華、主役だと思っている。
日本料理の世界の中心にあるのは、刺身でも焼きものでも、煮物でもなく、汁ものなのだ。
バランスのとれた味わいの椀物は、酒の肴としても最上級だ。
酒を含み、それを汁で流す。
ハモを口に入れるとほどよく、ほどけて口の中でとろける。
酒は旨みのあるものでも、辛口でもいい。
椀一杯で酒一合なんて理想的かも知れぬ。
材料
骨切りしたハモ3センチ幅を一人前4〜5切れ、片栗粉(あれば葛粉)適宜、ハモの中骨・アラ1尾分、昆布10センチ前後、三つ葉、酒、みりん、塩、薄口醤油適宜
作り方(4人前前後)
1 水800㏄、ハモのアラ(適当に切る)、昆布を鍋に入れて火をつけてゆっくり温度を上げていく。沸いてきたら昆布を取りだし、中火にし、アクを徹底的に取り去る。
2 ハモのだしを漉し、酒、みりん、塩、醤油で味付け。味つけは飲んでやや物足りないくらいがいい。
3 骨切りしたハモの切れ目に片栗粉を刷毛などでまぶす。これを湯に落とし、花びらが開いたら、冷水に取り、ザルなどに上げて水分を切る。
4 だしの中にハモの切り身を入れて温め、椀にハモを取り、ゆでた三つ葉を加えて、だしを張る。
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