ワタリガニ(ガザミ科の大型のカニ、ガザミ、タイワンガザミなど)を生のまま調味料に漬け込んだものを、韓国ではケジャンという。
ケジャンに二種類ある。
醤油ベースのナツメやニンニク、トウガラシで香りつけした漬け地に生きているカニを漬け込んだカンジャン ケジャン。
唐辛子粉などの薬味をベースにしたタレに漬け込んだものをヤンニョム ケジャンという。
本来、ケジャンというのはカンジャン ケジャンをいい、比較的見かける機会の多いヤンニョム ケジャンはトウガラシを使うことからしても、16世紀以降に作られるようになったものだろう。
さて、コリアンフーズのオバチャンが作ったカンジャン ケジャンをいただいた。
横須賀産の活けタイワンガザミをそのまま醤油ダレに漬け込んだもので、抱卵している時期ではないので、あくまでも試作品。
漬けダレはまだ試行錯誤しているところだとのこと、で子細わからず。
ナツメ、ショウガ、ニンニク、唐辛子、そしてタイワンガザミが瓶の中にある。
コリアンフーズのオバチャン曰く。
「ちょっと醤油が入り過ぎたのかな、辛くなり過ぎよ。今回は試しに作ったものだからね」
とはご謙遜。
4等分してかぶりついたら、実にうまい。
醤油でとろっとコロイド状になった身があって、それを吸い、吸い、食らうのだけど、甘みがあって、それは明らかにカニ自体から来るもの。
ミソがこれまた独特の渋みがあってうまい。
酒を合わせるなら間違いなくマッコルリがいい。
甘くてさらっとした味わいが、この濃厚な味わいにぴったりだ。
酒の肴としてもよし、ミソの詰まった甲羅にご飯を入れてかき込んでもよし。
肝心要の卵巣がなくても、麗しの味なのであった。
さて酒の肴とした残りで汁を作る。
水から煮て、アクをすくい、すくい、ほどよくうまい汁となったら塩加減する。
漬けダレで味つけするよりも、塩味の方がさっぱりして美味だ。
さて、これだけの美味。
早く次ぎの試作品が出来ないものか、コリアンフーズの前を通るたびに、
「そろそろ作ってよ」
必ず声をかけることにしているのだ。
八王子の市場に関しては
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