徳島県に新盆で帰っていて、久しぶりに「こんこにもスダチ」という生活を味わえた。
この〝こんこ〟はたくわんのことで、「徳島県人はたくわんを食べるときもスダチを振りかける」、そのくらいに何にでもスダチ、スダチという意味合い。
そして、特に徳島県人のスダチまみれの実態を表す料理に、魚をスダチだけで締める(〆る)というのがある。
県内でとれる柑橘類の種類は多く、ユズの生産量も多いので、スダチもしくはユズというのが正しいかもしれない。
そして、徳島県人のソウルフードで魚の代表を務めるのが、イボダイだろうな。
県内全域で「ボウゼ」、「ボーゼ」などと呼ぶ。
普通、マアジとともに姿寿司になるのだが、刺身に、酢じめ、煮つけに唐揚げと大活躍するのだ。
「魚をスダチで締める」となったら、まずはマアジかイボダイとなり、ボクも本当のスダチの旬だと思っている8月後半から以降は、とにかくイボダイを見つけたらスダチでしめて、酒の肴にしているのだ。
作り方は簡単。
要するに酢のかわりにスダチの果汁を使うだけ。
今回使ったスダチは徳島県美馬市、東みよし町近辺でとれたあまり手入れをしないで、季節に素直に実った「庭そだち庭すだち」なので香りが抜群にいい。
ちなみに「庭そだち庭すだち」が欲しかったら『本家 阿波おんな』に問い合わせて欲しい。
さて、スダチのさわやかな酸味と香りに包まれたボウゼが「うまいんじゃー」と突然徳島県人に立ち返って叫びたくなる。
なんと軽い味わい、であるのに適度に旨みも脂から来るしっとり感もあるのだろう。
合わせる酒はバカルディのスダチソーダ割りなのである。
最近、我ながらさわやかな男を目差しているのだけど、だんだんこのような酒が似合ってきている。
「うふふ」なのだ!
材料
イボダイ小適宜、スダチ適宜、塩適宜
作り方
1 イボダイを三枚に下ろして、腹骨、気になる血合い骨を取る。
2 やや強めの塩をして15分置く。
3 軽く水洗いして水をよくよく拭き取っておく。
4 4をバットに並べて、スダチをこれでもか、と絞る。数時間で食べられるが、一日おいてもよい。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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