関西に行くと必ず買ってくるのが焼き穴子。
内湾性のいわゆるアナゴというのは標準和名のマアナゴ。
面白いことに、関西では主に焼く、関東ではしょう油味で煮るのである。
煮物は料理だが、焼きものは加工食品という違いがある。
関西の焼き穴子は主に専門店で焼き、これを料理店などが買ってくる。
プロでなくても一般家庭でもしばしば買い求めて、ちらしずし、湯豆腐、酢の物、そのままで、といろいろ重宝に使っている。
さて、酷暑続きの今日この頃、ついつい作ってしまうのがきゅうりもみである。
関西では「ざく」という。
「きゅうりもみ」よりも「ざく」の方が涼しげでよろしいな。
半夏生を過ぎたら、毎日「ざく」が食卓を飾る。
なんとなく関西らしい光景ではないだろうか?
さて、一人暮らしのボクが「ざく」を作るのは、遅く帰り着いた、ちょっといっぱいの酒の欲しいとき。
冷蔵庫からきゅうり一本取りだして、トントンと刻み始めて、ほんの数分。
きゅうりを塩で殺して、焼き穴子をあぶる。
この材料を合わせておいてシャワーを浴びるわけだ。
「ざく」はあくまで酒の肴なので、グラスに日本酒、氷を入れて、冷凍庫に放り込んでおく。
シャワーを浴びたら、盛り合わせておいた「ざく」に作り置きの三杯酢をそそぐ。
「ざく」の薬味はわさびなのだけど、全体を混ぜ合わせてしまってもいい。
そのままきゅうりはきゅうり、焼き穴子は焼き穴子で食べてもいい。
ボクの場合は混ぜない主義なので、そのまま焼き穴子をくらい、日本酒ロックを流し込み。
きゅうりを食べて、三杯酢で口中をさわやかにして、また日本酒ロックを流し込む。
酷暑の深夜に飲む酒は生よりもロックの方がいいようだ。
私的な密かなブームなのだ。
さて、「処暑過ぎて いつまで続く 酷暑やら」なんてついついまずい俳句がこぼれ出る。
疲れ果てた五十路男の身体は悲鳴をあげているのだ。
材料
キュウリ1本、焼き穴子小1本、塩、三杯酢
三杯酢材料
酢(我が家のはすし屋専用ミツカン山吹)200㏄、カツオ節だし300㏄、みりん30㏄、砂糖30グラム、塩適宜、薄口しょうゆ30㏄
作り方
1 まず三杯酢を作る。酢とだしなど塩以外の材料を鍋に合わせて、温める。沸いたら、味見して塩で加減する。これは冷蔵庫などで保存しておくと便利。
2 きゅうりは縦半分に切り、種の部分を取り、薄く切る。塩を加えて手でもむ。
3 10分くらい置き、きゅうりから水分が出てきたら流水で余分な塩分を洗い流す。このとき塩の抜け加減を見て、ほとんど塩気を感じなくする(甘酢を利用する場合もあり、このときはほどよい塩気を残す)。よくよく水分を絞り、三杯酢に浸して、もう一度絞る。
4 焼き穴子はあぶって刻む。水気をしぼったきゅうりと穴子を器に合わせておく。ここに三杯酢をそそぎ、わさびを添える。
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