今、いちばん聞きたいことは、なんだろう。
それは普通の人の普通の料理のことではないか?
だから知り合いに会うと、「どんなさかな料理を作ってますか? 最近どんな料理を作っていますか?」と聞くことにしている。
そのなかで非常に面白い料理があって、魚貝を使うのではないが、魚貝を作ってもうまいものが作れそうだ。
ついでに付け加えると簡単に短時間に作れそう。
ああ、最初に書いておくべきだったが、自然保護を考えるとき、その方法はいろいろある。
「乱開発をやめる」、「過剰なエネルギー消費をいましめる」、に加えて「多種多様な生き物を食べる」、「多種多様な料理法を身につける」が今ボクに考えつくことなのだ。
ここで私的に大問題を抱えていて、ついつい魚貝類にのめり込みすぎて通好みに走っているような、そんな気がするのだ。
「通」とは料理や食材に関しての感性の鈍ってしまった人、なのである。
要するに「食の痴呆」が進んだ人と考えるとわかりやすい。
そこでボクも「食の痴呆」が進まないように多様化していこうではないか、ということで今回の焼飯。
仕事で会った女性から聞いた、以下のことから作ってみた。
1 チリソースにはまっている。ホットチリソース(やや辛いけど甘い)、スイートチリソース(甘い甘い甘い)の2種類があって、甘いのが好き。
2 昨年行った台湾でパイナップルの入ったチャーハンを食べたらおいしかった。
3 帰国してパイナップルの入ったチャーハンを作ってはスイートチリソースをかけかけ食べているけど、おいしいんです。
このチャーハンに何が入っていたのか、わからないけどパイナップル入りチャーハンとは、とてもボクに思いつくようなものではない。
そしてスーパーに走る。
ありました、ありました。
近所の『三徳(こことても優れたスーパーなのだ)』に。
思ったよりもたくさんの種類のチリソースがあって、選ぶ基準がないのでタイ産のスイートチリソースを一本。
これが380円くらいなのだけど、高いのか安いのかも不明である。
これから外出という11時、ようするにチャーハン、というよりは焼飯なのだから、あっという間に早めの昼ご飯を作る。
我が家にはいくつかの使えそうな野菜に、姫の食べ残しのパイナップルがなぜかあるのだ。
そして魚はスズキが一切れ。
作ってみたら、これがなんとも不思議な食べ物だった。
中華のチャーハンにはほとんど野菜が入らない、動物質のものも卵と、チャーシューくらいだよう。
もしも生のものを入れるなら予め火を通してから使う。
とにかく水分が出るものを排除してサラサラに作る。
なのにこのパイナップル入り焼飯は生の野菜が入っているのでしっとりしている。
しかもパイナップルが非常に甘く、ニガウリがちょっとその甘さの暴走を止めてくれるのだけど、その甘さの爆発力のすさまじさに、焼け石に水なのである。
具の主役のスズキはいったいどこに行ったのだろう?
「おーい出てこい!」
ボクが30歳若かったらうまいと思ったかもしれない味なのだ。
そしてスイートチリソースをかける。
これがまた甘い、甘い。
こりゃ大変なことになりそう。
と思ったら甘さの暴走が止まったのである。
スイートチリソースは甘いけれど、ほどよい酸味がある。
そしてちょっと辛い。
でも結局スズキは行方不明のままだった。
ボクはこのような、旅好きの若い女性のコペルニクス的発想についていける男にはなれそうにない、けどそれではいけないなー、なんて考えながら、ノンアルコールビールをぐびりなのである。
外は炎熱地獄に違いない。
蝉の声が窓を閉めていても聞こえてくる。
後、3分でそこに飛び出して行かねばならぬ。
材料
スズキ1切れ、ニガウリ、玉ネギ、卵1個、赤パプリカ4分の1、パイナップル適宜、ご飯茶碗1杯
塩、コショウ、フィッシュソース少々
スイートチリソース
作り方
1 ニガウリはほどよく切り、塩で和えて、少し置いて水洗いする。スズキは塩コショウしてフライパンでこんがりソテー。取り出し適当に切っておく。
2 スズキを焼いたフライパンに溶き卵を入れ、ご飯を入れて炒め、刻んだパプリカ、玉ネギ、パイナップルを加えて炒める。
3 塩コショウで味つけ、フィッシュソースで香りづけしてできあがり。
スイートチリソースをかけながら食べる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スズキへ
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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