なにげなく買ってしまう、ってものがある。
一瞬でフェロモンを感じさせる、そんな商品。
この「うにめし」などまさにそうだ。
パッケージの「いかにも」なのがフェロモンのもとだろう。
目的の買い物でもないのにカゴに放り込んでしまう危険な代物だ。
伝えるべきことが、伝わっているよさがある。
実際に近所のスーパーで手にとって、無意識に躊躇無くカゴにぽんと入れてしまっていた。
いちばんいいのはデザイン、そして小袋に分けて、それがかさばらない点。
こんなものが瓶詰めであったり、凝った箱に入っていると、それだけで煩わしい。
いまや都内でゴミを捨てるのはめんどう以外のなにものでもない。
包装は簡便簡単簡素がいい。
外見はわかりやすいものがいい。
「うにめし」のデザインは必要最小限の言語と、目立つ文字の大きさで構成されている。
そして古さを感じさせる。
懐かしいデザインだ。
この簡単で古めかしいのが、たぶん若い世代には新しいだろうし、ボクたち昭和人には懐かしいだろう。
最近はデザインすることがデザインだ、なんて思い込んでいる能なしデザイナーが多い。
愚かである。
対するに、これはまさに絶妙。
小袋のさわり心地、封の切りやすさもいい。
袋内の分量もいいのではないだろうか。
ただし味わいは、かなりキッチュで、好きな人は非常に惹かれるだろうし、ダメな人はダメかもしれない。
ちなみにボクはとてもおいしくいただきました。
井上商店 山口県萩市
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