沖縄記 03 花笠食堂

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先週(1月12日現在)偶然、ラジオで聞いたのが花笠食堂のこと。
ラジオ族なので真夜中から、NHKのラジオ深夜便、ニュース、朝はニッポン放送かTBSラジオを聞いている。
宮古島出身の垣花正というパーソナリティが「庶民的な食堂でおいしいんですよ」と話していたのだ。

というわけで、牧志公設市場周辺をひとまわりして、Tシャツなどを売ってる店先を掃除していたオバチャンに、場所を聞く。
「そこそこ」
指さす方向、来た方を振り向くと、探すまでもなく、そこに大きな看板があった。
市場周辺は国際通りに近いほど観光的。
通り沿いの店は「いかにも」というもので、沖縄人(かな)のたくましさは感じるものの、ボクのように「目的を持って歩く人」には無関係である。
が、その中に燦然と輝いていたのが〝花笠食堂〟の看板。

hanagasassss.jpg

「大丈夫か?」とは思ったものの、腹の虫が「待てない」と言っている。
通り沿いのショーケースの中も見ないで(つきじろうする人としては失格だな)、とにかく路地の奥にある店内に入る。

hanagazsaw.jpg

思ったよりも広く、右手に厨房、椅子席が正面と、右手にあり、奥には小さな座敷がある。
入り口近くに高校生らしい集団がいて、一安心する。
店は6割方席が埋まっている。
今日はこの冬(?)いちばんの冷え込みだそうで、観光客はほとんどいない。
店内は、ほどよくうるさく、ほどよく活気がある。

トンカツやフライ盛り合わせ、カレーにソーキそばもあり、かなり後ろ髪を引っ張られながら、品書きもろくに見ないで(これも、つきじろうする人としては失格だよな)、グルクン唐揚げ定食に、天ぷら、みそ汁を注文する。
注文を聞いてくれたオバチャンは、「なかみしるか、いなむるちー」と聞いてきたので、単に知っていたというだけの理由で、「なかみしる」。
「ぜんざいか、酢の物か」と聞かれたので「え? なぜ、ぜんざいなのか?」と思いながら酢の物にする。
「天ぷらのほうどうするか? いなむるちーでいいか?」というのでわけもわからず、うんうんとうなずきながら不安が浮き上がる。
なぜ、同じ事を何回も聞かれるのか?

ここでやっと気がついたのだけど、沖縄では単品という概念が薄い。
グルクン、天ぷら、みそ汁は歌舞伎でいうところの看板役者のようなもので、その後ろには一族郎党がいることになる。
知っていたのに、やってしまったわけで、オバチャンも気がついたようで「ひとりか?」と聞いてきた。
「ハイハイ」
ふと回りを見ていたら大きな丼が目に入って、あれがみそ汁なのかも知れないと、「あのー、みそ汁やめます」
やっと沖縄に来たという実感がわいてきたように思う。


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このページは、管理人が2011年1月25日 08:24に書いたブログ記事です。

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