コンビニで土曜丑の日

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最近、世の中壊れているのではないだろうか?
と思うことが多々ありすぎる。
国の原子力保安院や佐賀県知事の
不潔さ、いかがわしさ、不気味な存在感。
玄海町町長が見せる地方自治の病的な姿。
ここに平安期の「鬼」が
依然現在にも生きているのだ、と感じるのは、
ボクだけだろうか?
我々はこのような「鬼」を早く削除すべきだ。

そして水産の世界に目を戻すと、
【土曜丑の日にウナギを食わなくても、どうってことはないだろうに】
という話をしたい。

ウナギは我が国の淡水域、汽水域に普通に見られる、味のいい魚である。
当然、原始以来食用になってきている。
でも比較的日陰的な食べ物だった。
それが表舞台に出てきたのは、
江戸時代中期に現在のような蒲焼きが発明されて以来のこと。

それまでの蒲焼きは、ウナギをぶつ切りにし、これを竹串に刺して、
塩焼きもしくは、醤油味などで焼いていた。
この姿がガマの穂に似ていたので
「がま焼き」がいつの間にか「かば焼き」になる。
江戸の前浜に多い魚であるから、江戸初期、中期までのウナギ屋は
辻に立ち、平台を並べて、ひっそりと売られていた
庶民だけの卑賤な食べ物であったようだ。

現在のようにウナギを左右に開き、
やっと庶民の手に届くようになった醤油、みりん、
などを使ったタレをつけて出すようになったのが、
江戸の中期から後期にかけて。
ここに蒸すなどの工夫もされて、
ウナギの人気もまさにうなぎ登りとなる。

文政天保期にはウナギは明らかに高級なものとなり、
高級なウナギ屋が出していた「切手(プリペイドカードのようなもの)」は
お役人さんへの賄賂にも使われたほど。
ちなみに、ウナギの良し悪し、とれた場所で値が変わるなども
江戸後期くらいから、あれこれいわれたのではないだろうか?
すなわち「江戸前」という言語の登場である。

ウナギの蒲焼きを食べる、それは庶民にとって年に数回、
もしくは一回きりの贅沢だった、はず、である。
毎日のようにウナギを食っていた今助などという人物は、明らかに富豪だ。
ウナギは江戸の街では高値の花だったわけだ。
こんな「高値の花」を誰でも、庶民にも手に届く存在にしたい。
と考えた人がいて、それが今では現実となっている。

庶民にも、〝たまには〟ウナギを食べさせたい、
と思った人は健全な精神をもっていた、まともな人だろう。
でもウナギをお新香や納豆のように、〝日常的な食い物〟にしよう、
そこまでくるとここにまた「鬼」が登場することになる。
不気味である。
「平等は正義だ」という場合と
「平等は悪だ」の場合がある。
この常識をわかっていない人が多すぎないか?
大丈夫かこの国は。

だいたい人工孵化などという愚かなことを考えている人、これも「鬼」であるな。
それを開発するまでは許せるにしても、実用化はしてほしくない。
需要が高いものは人工的に作り出せばいいじゃないか、
これは善悪のわからない集団の考えること。
海も川もコンクリートで固めて、ウナギの棲めない荒廃したものとし、
じゃあ仕方ない、人工的に作っちまおう。
「いやだねー」この考え方。
病的だ!
いつまで経っても、「生きることと自然の調和」はとれないままになる。

ボクが思うに、高いものは高くていいのだ。
1カラットのダイヤモンドが1個百円でコンビニに売られていたら、
誰も買わないだろう。
ウナギの蒲焼き入りお握り230円もやめて欲しいものだ。
牛丼チェーンでうな丼を売るのにも反対、大反対だ。
こんなに安くウナギが売られている。
それはなぜなのか、をちゃんと考えよう。
「食べるということは生きる」ことなのだから、
「コンビニお握りを食べる」
そんな日常的な事にも〝自然破壊の手助け〟という悪を行いかねない
落とし穴があるのだよ。

さてコンビニでウナギ握りを買ってみた。
決してまずくはない。
ウナギらしい味がするのだけど、これを「ウナギ」だなんて思い込んだら最悪だ。
現代のひずみを凝縮して、しかも本来の姿(味)すら削除しかねない。
ウナギは安く売ってはいけない、そんな法律作ったら、
きっと日本列島にすむ人ももう少しくらいは幸せになれる。

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このページは、管理人が2011年7月31日 16:00に書いたブログ記事です。

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