アナゴの鳴門巻きって優れもの

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大阪中央市場にある『松井泉』は焼き穴子を始め、
マアナゴ、ウナギなどの専門店だ。
その店先を通るたびに気になっていたものに
鳴門巻きというのがある。
中心にウズラの卵を置き、割いたアナゴを巻き付けて、
経木をヒモ状にして結んだもの。
今回は、店の前で暫し思案して、
10個だけ買い求める。

若旦那がいなかったので、店の若い衆に聞いて
「たきものに使うのだ」ということだけ聞く。
何度も書くが関西では「たく」というが「煮る」とは言わない。
浅さき、山椒だき、飴だきなど、
「●●だき」は総て煮ると同じようなもの。
「たく」というと「ご飯以外はたくと言いません」
なんていう関東人がいるがはっきり言って愚か者である。
もっと勉強しろ!

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さて、この真ん中にウズラの卵を巻いたものをたき、
真半分に切ると出る文様のことを月冠という。
月冠とは月自体が黄色く発光し、回りが黒く縁取られ、
その外側が白い光が取り囲んだ様のこと。
さっそくこの鳴門巻きを炊いてみる。
マアナゴからそれほど旨みがでないので、
鰹節だしを用意。
下ゆでした里芋と同じ鍋でたくことにする。

鰹節だし、しょう油、酒、みりんだからもっとも単純な味。
ひたひたにして、ことことと里芋煮火が通ったら
そのまま鍋どめにする。
非常に単純な料理法なので、だれでも出来そうに思える。
でもこの単純さが産み出す味がすごいのだ。

まさに絶品で甘みは調味料とマアナゴの脂の相乗効果で強く、
だしの旨さと、アナゴのエキス分が合わさった奥の深い旨みがある。
汁とアナゴの風味を吸った里芋もうまいものである。
我、大阪に住まいしていたら、
毎日でも松井泉に通ってしまいそうな素材である。

松井泉

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このページは、管理人が2011年12月15日 22:50に書いたブログ記事です。

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