超簡単、大根カツオ塩辛煮

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『秘伝 おふくろの味 静岡県海のさち山のさち』はとても面白く、
ついつい手にとって見てしまう本だ。
そのなかに登場する料理をいくつも作って、
すべてさすがに家庭で繰り返し作られたものだ、
うまい、しかも無駄な手間がない、と感激している。

ここに大根の塩辛煮というのがあった。
年末年始の仕事で少々疲れが出てしまって、
しかも冷蔵庫は空っぽなので、
「これはよい」と、
作る以前の料理なので、資料に目を通しながら、
ときどき台所(椅子から2メートルくらいしか離れていない)に立つ。

大根は5ミリほどの厚さの半月に切る。
これを水と酒でことことたく。
『秘伝 おふくろの味 静岡県海のさち山のさち』には
「だしで水炊きする」、と明らかに矛盾する表現で書かれているが、
このような料理にだしは不要のはず。
大根が柔らかくなってきたら、
枕崎産の酒盗を放り込む。

siokara11.jpg

少したき(煮て)、鍋止めする。

調味料は酒のみ。
大根を煮るとき、原則的に砂糖、みりんは不要である。
煮染めなどにするときには「絶対に加えるな」とはいわないが、
大根を生かすなら、「砂糖は敵だ」と思って置いて欲しい。
大根のうまさは「甘さ」なのだから、
余所から甘みを持ってきてはいけない。
温かくてもうまいが、冬の夜の冷たいベランダに出し、
キンキンに冷やして食べる方がはるかにうまい。
塩辛の旨みがあり、香りがあり、
その塩辛さのせいで大根が矢鱈に甘い。

午前3時、仕事の時間のはずなのに
窓の外の塩辛煮に目がいったのがいけなかった。
燗をつけに台所ににじり寄ってしまって、
いかんいかん、とだらしない自分をしかりながらの一、二合。
今年も去年と同じ自分になさけないな、
と思う以上に少しだけほっとするのだ。

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このページは、管理人が2012年1月 4日 22:56に書いたブログ記事です。

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