3月、明石海峡春景色の旅 02

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魚の棚を出ると南が海で西に行くと住宅街になる。
だいたい明石浦漁協はこの辺かな、と思って歩ている内に迷ってしまった。
小型のタンクローリー車を見つけて場所を聞く。
あれこれ教えてもらったあげく、「送ります」と言ってくれる。
この県漁連のタンクローリーで明石浦漁協はお得意先なのだという。
(タンクローリーの運転手さんありがとうございました)
明石浦漁業協同組合は思った以上に近く、車を降りると
ちょうどイカナゴの青いカゴが見える。
二階の事務所に上がろうとすると宮部さん、
県の山下さんが迎えてくれた。

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組合長の戎木さんにご挨拶し、外を見ると明石海峡が一望でき、
対岸の淡路島との間にイカナゴ漁の船が見える。
一休みして階下に。
 
漁協の1階には水深50センチくらいの非常に広い水槽がある。
競り場は水槽の三分の一ほどしかない。
大量のカゴ、作業する漁業者の方(多くは漁師さんの奥さんたち)が中にいる。
「イカナゴの船が帰ってきました」と宮部さんに呼ばれる。
岸壁まで行くと、ちょうどイカナゴを船から揚げているところだった。
カゴすりきれに入れられたイカナゴが動いて、ときに跳ねる。
 
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雲が切れて日が差し込んできてイカナゴの側面がきらきら光る。
すでにコナ(非常に小さいもの)ではなく5センチ前後はあるように見える。
小さいほど高価なイカナゴだが、魚の棚の魚屋さんで
「いちばん味がいいサイズ」だと言っていたはず。
新子だけではなく昨年生まれの「ふるせ」という
12〜14センチくらいのも少ないながら水揚げされている。
宮部さん、山下さん曰く。
「ふるせはうまいん」だそう。
宮部さんが笊に一すくいの「ふるせ」をどこかに持っていく。
 
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競りが始まっているというので駆け足。
階段状の競り台の端で見学する。
海に向かって右手に広い、広い水槽。
水槽にはカゴを構えて漁師側の方達が競りを待ち構えているよう。
コンテナが右手の水槽から左手の競り場に流れてくる。
 
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競られる魚は総て生きている。
水槽で一日以上生かされてから、競りにかけられるのだ。
実は漁直後の魚はまずい。
一定期間生かしておいて、安静にすることで
旨み成分のもとであるアデノシンの量が回復するのだ。
マダイなど高級魚だけではなく
ミミイカ、テナガダコまでほとんど総てを
本当の意味での「活け締め(一定期間安静に生かしてから締める)」
にしているのはここくらいではないか?
 
よく見ると生きているというか、
海でいるのと同じ状態なのではないかと感じる。
生き物の競りなので早い。
手かぎ(?)をトンカンたたきながら調子良く競りが進む。
メイタガレイ、バケ(コウライアカシタビラメ)、ヒラメ、スズキ、
オニオコゼ、アカメバル(カサゴ)、クロメ(メバル)、
アブラメ(アイナメ)、マゴチ、スズキ、クロダイ、
マダイ、コイチ、マアナゴ。
イイダコ、テナガダコ、ハリイカ(コウイカ)、ミミイカ、タイラギ。
 
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イイダコのメスが非常に高く、水揚げ段階でキロあたり数千円、
カゴ単位の競りなので1万円〜2万円なんて値段がつく。
競り人が若い。若いのに人の利害に関係するのは大変だろうな。
 
giogio006.jpg

競りが終わると、宮部さんが
明石締め(日本一優れているとされる)を見せてくれるというので待つ。
そこにイイダコの「たこつぼ」を部長の畳谷さんが持って来てくださる。
ずんぐりした梵鐘型。
縄を通す部分が太く、炻器ならではの力強さを感じる。
いいなー、と思っていたら、いただけるという。うれしい!

明石浦漁業協同組合

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このページは、管理人が2012年3月17日 01:36に書いたブログ記事です。

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