2012年 ふな市の旅 16 鹿島市酒蔵通り

0
長崎市から佐賀県鹿島市までは1時間とかからない。
どんよりとした曇り空の鹿島駅前は閑散としていて、寂しい限りだった。
まだ4時前で、肥前浜を下見するべきかどうか、悩んだ末にタクシーに乗る。
駅前から浜町酒蔵通りまで10分くらい。
タクシーは道幅の狭い通りの入り口に着く。

sakagura001.jpg

漆喰の白い壁、平瓦の入母屋造りの、切妻造りの建物が続いている。
まことに歩くのが楽しい、美しい通りで、体長不良を忘れる。
道の両側には水路がありコイがいる。
小魚らしいものも見えるがモツゴではないか。
 
sakagura002.jpg

タクシー運転手さんに向かって左手に行ってください、と言われるまま
とぼとぼ歩くと資料館があって、
女性がいてパンフレットなどを見せてくれるが、
意外にふな市自体の情報がない。
ただし壁際に漆喰の材料というのがあって、
ここにサルボウと銀杏草の材料が置かれている。
銀杏草自体は同定できないものながら、
漆喰の材料に「銀杏草」という情報がありがたい。
通りの両側に酒蔵が並び、それで酒蔵通り。
 
sumesumeee.jpg

途中ちょうど工事中の大きな独特の入母屋造りの日本家屋があって、
「鮒のすめ」の文字。
なかに入ってみると真っ暗。
その薄暗いなかに「すめ」という一升瓶を見つける。
この「すめ」が、我が家の文献にある「なまだい」、
もしくは「なまだれ」のことである。
「すめ」という言葉がふな市だけでなく、
長崎県の古い文献にも出てくる重要な調味料であることが後にわかる。
 
人影少ない通りの中ほどに灯りが漏れてくる。
中に入ると食料品などを売っている。
そこで見つけたのは鯛や伊勢蝦をかたどった蒲鉾の入り詰め、
そして「ふなんこぐい」である。
今回の旅の最大目的が鹿島市浜で行われている「ふな市」を見ること。
「ふな市(鮒市)」は1月20日の「はつかえびす」に
フナの昆布巻きを食べる習慣があり、
その「はつかえびす」用のフナを売る市が毎年前日19日に行われるのだ。
『有明海生活誌-倉本幸の半生から-』(1991 民俗文化第3号 野本寛一)を
読んでいて見つけたもので、
干拓によりできる水路が淡水魚を飼育する場所でもあったことなど、
有明海周辺の民俗では非常に重要なものなのだ。
この店で大きなマガキの袋詰めを見つけ、有明海が近いことを実感する。
 
通りを歩いていると佐賀テレビが中継(?)をしていて、
テレビ局の女性に「ふな市」に川副町松永川魚店を
取材したなどの情報をいただく。
後のことになるが、この情報が非常に重要であった。
佐賀テレビの方には感謝。
またここで中島さんという女性に会い、
翌日の市が始める時間などを教えていただいた。
ついでにお子さんが魚取りが大好きだというので、
わざわざ水槽を見に連れて行ってもらう。
魚取りの好きな子というと、まるでボクのような、なんて思う。
 
さて、下見ついでに酒蔵を回って日本酒を買い、
駅まで帰ろうとタクシー営業所まで歩く。
そこにあったのが「鍋島」を作っている酒蔵。
「鍋島」は近所にある小山酒店でお馴染みの酒だが、
旅で買うのもいいと思って酒蔵の戸を開けるが、もう酒は残っていないという。
残念であったが、そこにいた方(幸尾さん)が
親切にもホテルまで送ってくれるという。
ご親切に甘えて車に乗せていただき、
ついでに鹿島駅に近い矢野酒造に立ち寄っていただく。
 
yanoshuzou.jpg

矢野酒造で何種類か酒を買い求めるが、
連れて行っていただいた幸尾さんのおかげだろう、
大吟醸四合瓶をほとんどいただく。
ついでに酒蔵の前の酒饅頭をいただいたのだが、
これが非常にうまかった。
鹿島市は饅頭どころなのかもしれない。
矢野酒造の方にも大大感謝。

このエントリーをはてなブックマークに追加

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/2970

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、管理人が2012年3月 4日 01:31に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「伊勢平野の郷土料理『かど飯』」です。

次のブログ記事は「2012年 ふな市の旅 17 鹿島市浜ふな市のこと」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。