明石浦漁協の雄イイダコ

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市場にイイダコが並ぶと春だな、と感じる。
季節の進み方が遅い今年だからこそ、
イイダコの連れてきてくれた春がうれしい。
いつもなら出盛りを迎えている3月なのに、
今年の入荷量は少なく、寂しい限りだ。
そんなじれったい気持ちで歩く市場に
イイダコを届けてくれているのが
兵庫県明石市にある明石浦漁協である。
イイダコと言えば飯を持つ雌が高く、
雌ばかりがもてはやされる。
今年はメスの値段が高騰し、
明石浦から来るのはお買い得だという雄ばかり。

ただ雄だといってバカにしてはいけない。
飯は持たぬが、味がいいのだ。
その上、明石は日本でももっとも漁獲物の取り扱いに優れており、
当然、今年のイイダコは例年以上に鮮度がいいので、
料理するつれづれに〝おいしい発見〟が多々なのである。
実はイイダコ料理はこのところマンネリであった。
ようするに煮るか、ゆでるか、ソテーするか。

今回、マンネリ打破の意味もあって、
明石浦漁協の宮部さんに、
「今年のイイダコはうまいですねー」なんてケータイをいれ、
いろいろ地元の料理法を聞かせてもらったのだ。
そのひとつが[みりん、醤油につけ込んで焼く]というもの。
さっそく東京都大田市場経由、
八王子北野にある高野水産で買い求めた雄を料理してみる。
平凡な料理法だが、基本的に魚貝類は料理しないほど味がいい、
という法則があり、加えるに焼くというのは意外な盲点ではないだろうか。
さっそく墨を抜き、水洗いしただけのものをタレに漬け込んで半日。
遅く帰った日の酒のアテに焼いてみたのだ。

なんともこれが新鮮に感じる味だったのだ。
飯のない雄が抜群にうまい。
醤油の香ばしさのなかにイイダコの食感が好ましく、
またイイダコ本来の甘みが浮き上がってすぐに消える、何回も。
こーりゃ酒が進む進む。
たまらんなー!

明石浦漁協 兵庫県明石市

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このページは、管理人が2012年3月10日 01:32に書いたブログ記事です。

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