3月、明石海峡春景色の旅 04

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いつの間にか正午近くになって、
明石海峡から吹き寄せる風の冷たさに
身体がカチンカチンにかたまり
疲れとあいまって身体がゆらゆらしてきた。
事務所にもどり、コーヒーをいただくとやっと人心地がつく。
そしてほどなく、あっと驚く美味がやってきた。
「ふるせ」の塩ゆでである。
水揚げの途中で宮部さんがすくった「ふるせ(イカナゴの2年魚)」
とこんな形での再会である。
 
白い洋皿に、短いシャープペンシルくらいの太さの
「ふるせ」が腹の方に少し折れ曲がって小山になっている。
よく見ると、このイカナゴの身体のそこここに
蛍光イエローの脂が点々とついていて
あまりにうまそうなので、
思わず手でつまみ上げて口に放り込んだら、
すぐに上品な甘みが来た。
ああ、これが蛍光イエローの脂からくるのだと思っていたら、
今度は「ふるせ」本体が柔らかく舌の上で心地よくつぶれるのである。
中骨すら気にならないほどの脆弱さである。
この「ふるせ」のはらわたがほろ苦く、旨みが濃厚で
甲殻類のような風味があり、少しだけ甘みがあるのだが、
これは胃袋につまったエサの味であるようだ。
取り込んだエサの旨さを感じることが出来るのは、
とれたてだからに違いない。
 
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いくら食べても食べ飽きないなんて考えていたら、
5〜6本でイカナゴ特有の脂っこさ、
くどさをしっかり感じるようになる。
そこに宮部さんがポン酢をもってきてくれる。
明石では「ふるせ」の塩ゆではポン酢で食べるのが普通だという。
この「ふるせ」ポン酢がすこぶるつきにうまい。
「ふるせ」を丼一杯でも食べられそうだ。
さて、このときは「ふるせ」にお茶、であったがビールに合うだろうな。
 
宮部さんも、山下さんも盛んに箸を動かしている。
このような地元ならではの味に出合えることこそ、旅の醍醐味だ。
だから旅はやめられない。
 
明石に着いて最初の美味、「ふるせ」の塩ゆでを
作っていただいたのも畳谷さんであるという。
蛸壺とともに重ねて感謝。

明石浦漁業協同組合

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このページは、管理人が2012年4月 9日 11:54に書いたブログ記事です。

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