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今回の明石の旅の目的のひとつがうまい玉子焼きを食べること。
明石に来るたびに食べているのだが、
うまいものに未だ出合っていない。
ちなみに「明石焼き」というのは明石以外の人が、
明石人が「玉子焼き」と呼んでいたものに勝手につけた名前。
もともとは、江戸時代から大正にかけて作られていた
この地の名物珊瑚を模した宝飾品「明石玉」を作る際、
卵の白身を材料にしていて、
余った卵黄を小麦粉と合わせて玉状に焼いたもの。
主な原料が卵であるから「玉子焼き」で、
これが正式名称と考えた方がいい。
もうひとつの明石名物がタコであって、
2つの出会いは必然的なものだっただろう。
今や全国区となっているタコ焼きのルーツともいわれている。
正午過ぎ、明石浦漁協を後に、漁協近く岬町にある
宮部さん行きつけの玉子焼きの店
『今中』に連れて行っていただいた。
住宅街にある小さな店で、
まず観光客は来ない店のように思える。
外観からしてこざっぱりして好感が持てる。
がらりと引き戸をあけると、
左手に厨房とカウンター席、右手に机席。
厨房にいたのは、眉の濃い、きりりとした男性で、
もとは漁協にいた方だという。
テーブルについて、品書きを見ると玉子焼きとビールだけ
当然のごとく玉子焼きを注文する。
漁業の仕事が終わると、
ここで毎日のように玉子焼きを食べているのだという宮部さんが、
「ここのんは前浜もの(タコ)を使ってるんです」となんども強調する。
あげくに大将にお願いして、
小鉢に玉子焼きの具として使っているタコをもらってくれた。
imanaka111.jpg
そのタコをまずは味見。このゆでダコのブツ切りがうまい。
さすがに前浜のタコは香りが高く、ほどよい甘さが舌に心地よい。
暇を持てあました午後など、ここにきてビールのつまみに、
このようなものがアテとしてあったら、
幸せだろうなー、そんな味である。
タコに舌鼓を打ち、話に夢中になっているところに
玉子焼きがやってきた。
imanaka222.jpg
柾目の真四角の板に20個の玉子焼きがのっている。
目の前に置かれた途端、もあーっと湯気が立ち、
そこに鉄板で焼かれた卵の香りが強く感じられる。
「熱いから気をつけてくださいね」なんて声がかかり、
まずはだしに1個落としてそのまま食べる。
このだしは、ややもの足りないほどの味で、
玉子焼きをほどよく冷やす役割と、
軟らかな玉子焼きを中で2つ3つに割って、
その味わいをほどよく包み込んで邪魔をしない、名脇役的な存在だ。
玉子焼きは、はんなりした味わいである。
けっして強い味ではなく、卵とタコの旨みをじっくり味わえるほどに、
そのもの自体に塩気や甘みをあまり感じさせない。
目の前にきた20個の玉子焼きが、最初は多すぎないかと心配したが、
一個食べてみると、この2倍あっても食べられそうに思えてくる。
明らかにここにあるのは魚の棚で食べたものとは別物。
玉子焼きってこんなにうまいものであったのだと、
名状しがたい気分になる。
宮部さんから
「だしでまず食べて、途中から塩とかソースとか
お好きなように食べてみてくださいね」
とアドバイスを受ける。
半分だし、半分ソースで食べる漁協の若い衆が多いともいう。
ためしに塩で食べて、ソースで食べて、まただしで食べてみる。
imanaka333.jpg
ボク的にはだしで5個、塩で5個、ソースで10個だろう。
圧倒的にソースがいい。
考えてみると子供の頃からソース好き。
だいたい生まれ故郷貞光町(現徳島県美馬郡つるぎ町)は
間違いなくソース圏で、天ぷらにソースは当たり前、
目玉焼きにもソースをかけていたのだ。
このような店で通ぶっても仕方がない、
食べたいように食べるのが、玉子焼きの真の姿なのだ。
最後に、明石市で玉子焼きを食べるなら、
中心部をさけるべきなのかも、と思い至る。
宮部さんおすすめの店がこの岬町にもう一軒。
また駅に向かう途中にも一軒あったが、
どれも目立たない普通の構えであった。
こんど明石に来たら、あの店、そしてまたあの店と
宮部さんおすすめの玉子焼きを食べ尽くしてやるのだ!
imanaka444.jpg
今中 兵庫県明石市岬町26−5
注/今中には駐車場がない。駅や魚の棚周辺の駐車場に車を駐めても
歩ける距離なので、車で向かうのは避けて欲しい
明石浦漁業協同組合
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
今回の明石の旅の目的のひとつがうまい玉子焼きを食べること。
明石に来るたびに食べているのだが、
うまいものに未だ出合っていない。
ちなみに「明石焼き」というのは明石以外の人が、
明石人が「玉子焼き」と呼んでいたものに勝手につけた名前。
もともとは、江戸時代から大正にかけて作られていた
この地の名物珊瑚を模した宝飾品「明石玉」を作る際、
卵の白身を材料にしていて、
余った卵黄を小麦粉と合わせて玉状に焼いたもの。
主な原料が卵であるから「玉子焼き」で、
これが正式名称と考えた方がいい。
もうひとつの明石名物がタコであって、
2つの出会いは必然的なものだっただろう。
今や全国区となっているタコ焼きのルーツともいわれている。
正午過ぎ、明石浦漁協を後に、漁協近く岬町にある
宮部さん行きつけの玉子焼きの店
『今中』に連れて行っていただいた。
住宅街にある小さな店で、
まず観光客は来ない店のように思える。
外観からしてこざっぱりして好感が持てる。
がらりと引き戸をあけると、
左手に厨房とカウンター席、右手に机席。
厨房にいたのは、眉の濃い、きりりとした男性で、
もとは漁協にいた方だという。
テーブルについて、品書きを見ると玉子焼きとビールだけ
当然のごとく玉子焼きを注文する。
漁業の仕事が終わると、
ここで毎日のように玉子焼きを食べているのだという宮部さんが、
「ここのんは前浜もの(タコ)を使ってるんです」となんども強調する。
あげくに大将にお願いして、
小鉢に玉子焼きの具として使っているタコをもらってくれた。
imanaka111.jpg
そのタコをまずは味見。このゆでダコのブツ切りがうまい。
さすがに前浜のタコは香りが高く、ほどよい甘さが舌に心地よい。
暇を持てあました午後など、ここにきてビールのつまみに、
このようなものがアテとしてあったら、
幸せだろうなー、そんな味である。
タコに舌鼓を打ち、話に夢中になっているところに
玉子焼きがやってきた。
imanaka222.jpg
柾目の真四角の板に20個の玉子焼きがのっている。
目の前に置かれた途端、もあーっと湯気が立ち、
そこに鉄板で焼かれた卵の香りが強く感じられる。
「熱いから気をつけてくださいね」なんて声がかかり、
まずはだしに1個落としてそのまま食べる。
このだしは、ややもの足りないほどの味で、
玉子焼きをほどよく冷やす役割と、
軟らかな玉子焼きを中で2つ3つに割って、
その味わいをほどよく包み込んで邪魔をしない、名脇役的な存在だ。
玉子焼きは、はんなりした味わいである。
けっして強い味ではなく、卵とタコの旨みをじっくり味わえるほどに、
そのもの自体に塩気や甘みをあまり感じさせない。
目の前にきた20個の玉子焼きが、最初は多すぎないかと心配したが、
一個食べてみると、この2倍あっても食べられそうに思えてくる。
明らかにここにあるのは魚の棚で食べたものとは別物。
玉子焼きってこんなにうまいものであったのだと、
名状しがたい気分になる。
宮部さんから
「だしでまず食べて、途中から塩とかソースとか
お好きなように食べてみてくださいね」
とアドバイスを受ける。
半分だし、半分ソースで食べる漁協の若い衆が多いともいう。
ためしに塩で食べて、ソースで食べて、まただしで食べてみる。
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ボク的にはだしで5個、塩で5個、ソースで10個だろう。
圧倒的にソースがいい。
考えてみると子供の頃からソース好き。
だいたい生まれ故郷貞光町(現徳島県美馬郡つるぎ町)は
間違いなくソース圏で、天ぷらにソースは当たり前、
目玉焼きにもソースをかけていたのだ。
このような店で通ぶっても仕方がない、
食べたいように食べるのが、玉子焼きの真の姿なのだ。
最後に、明石市で玉子焼きを食べるなら、
中心部をさけるべきなのかも、と思い至る。
宮部さんおすすめの店がこの岬町にもう一軒。
また駅に向かう途中にも一軒あったが、
どれも目立たない普通の構えであった。
こんど明石に来たら、あの店、そしてまたあの店と
宮部さんおすすめの玉子焼きを食べ尽くしてやるのだ!
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今中 兵庫県明石市岬町26−5
注/今中には駐車場がない。駅や魚の棚周辺の駐車場に車を駐めても
歩ける距離なので、車で向かうのは避けて欲しい
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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