9月の終わりになると、市場にサケの白子が目立つようになってきている。
生筋子がキロあたり最低でも4~5千円するのに対して、白子は十分の一くらい。
マダイの場合だと真子よりも白子が高い。
トラフグ、マダラなど白子が本体よりも主役ということもある。
なぜにサケ白子ってこんなに安いのだろうな。
この安いサケ白子は生で食べられない。
ゆでるとポクポクしてまことに味気ない。
我が家の定番は揚げ出しなのだけど、こればっかしじゃつぶしがきかない。
そんな市場でのサケ白子談義に、相模原の『味弥沢』さんが、
「白子はね、みそ漬けがいいんですよ」
素直なのが取り柄なので、作ってみた。
作り方は簡単、みその塩分濃度によって比率は変わるが、
今回はみそ1、酒1、みりん2分の1を合わた。
そして風味付けに一味唐辛子と山椒。
後は振り塩して水洗いしたサケ白子を漬けるだけ。
これを弱火でじっくり焼いて食べてみる。
1時間後、翌日、翌々日、5日目と初めてなので、みその漬け具合を見ていく。
翌々日までは平凡。
まだぽくぽくみそと白子が融和していない。
これが3日目に大変身。
白子がねっとりしてきたのだ。
そして5日目、完全に中心部はねっとり、焼き目のついた卵膜が香ばしい。
チーズと豆腐を合わせたような食感と味に、魚類の白子ならではのうまみがある。
これ、ただ出されたら、「なんだろう、この麗しき味の正体は?」。
考え込んでしまって、結局わからないに違いない。
味弥沢 相模原市緑区久保沢1の9の18
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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2012年08月30日 木曜日 後の記事 »
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