技術の粋をほどこした「ミズガレイ」

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カレイには煮てうまいものと、焼いてうまいものがある。

ミズガレイ(ムシガレイ)は明らかに後者。

「焼いてうまい」に、どうしてもかなわないライバルがいて

それがヤナギムシガレイだ。

いつも後塵を拝して、主役になれない。

カレイの一大産地である島根県にとっては、

このミズガレイの価値を高めるのが

もっかの課題のひとつとなっている。


ミズガレイの場合、取り扱い方によって

うま味成分が落ちやすいなどの欠点があって、

今回の県水産技術センターが船上での処理の指導、

うま味成分などの測定を行い、

民間業者の方が水揚げ後の処理をして、瞬間凍結した。

漁業者、民間業者、県ががっちりタッグを組んで作り出したものである。


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とどいてすぐに、室温に置き、半解凍する。

三本の切れ目を入れる。

この状態で振り塩をして8割方解凍して、

一般家庭でお馴染みのガス台の真ん中にあるグリルで焼く。

驚いたことに、市場で買い、食べるときに

生のムシガレイが放つ特有の甘い香りが室内に漂う。

そして出来上がりは、まったく冷凍ものと思えない優れものだった。

島根県の水産アドバイザーをやっているので、

ついつい島根県の産品には辛口になりがちだが、

これは手放しに「うまい」と言い切れる。

間違いなく生で流通するよりも上だろう。


市場や小売店で清水買いしたヤナギムシガレイにも、

漁の段階でうま味成分量などを測定して

セミドレスにしたミズガレイは決して負けていない。


今回のものは沖合底引きでとり

島根県浜田市浜田漁港に水揚げしたもの。

パックの仕方もよく、冷凍ものなので保存がきくなど

一般家庭でも使いやすい。

これなら通信販売などで売り出したら、欲しくなりそうだ。

ブランド水産物の新しい方向性が見いだせるかも知れない、

私、アドバイザーとしてそう思うのである。




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このページは、管理人が2012年12月13日 07:49に書いたブログ記事です。

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