5時半に目覚ましが鳴る。
少々文字を打つ。
6時過ぎに松阪市小津にある三重地方卸売市場に向かう。
海方向に走っているはずだが
ナビで向かうと東西南北がわからない。
市場は非常に無個性なもので、フラットな建物。
守衛さんに駐車場所を聞いて、水産棟に入る。
仲卸は少なく、外から見る感じとは違ってこじんまりしている。
寒い時期なのに思った以上に地物がある。
ガザミは抱卵していそうだ。
大アサリ(ウチムラサキ)があるのも三重県らしい。
残念なことに和具で見たヒオウギガイのむき身、
真珠貝(イタヤガイ)の貝柱はない。
昨日松阪市内で食べた「しび」の正体が
ビンナガマグロであること、
ここにも「助六(ずし)」という言語が侵入していること
(もしくは古くからあったのか)など
いろいろ見るべきもの、考えるべきことが多い。
ちなみに個人的には地域は言語的に鎖国体制をとるべきだと思う。
三重県でも昔から「助六」と言っていたのだろうか?
日本海のサンマがある、サンマのカンピンタンがある。
サンマのみりん干しも珍しい。
焼津産の「塩さば」がある。
明らかにこれは「棒ずし」用だろう。
松阪から津、鈴鹿にかけては
「正月さんの唄」にもあるように
サンマをよく食べる地域なのだ。
キンキ(キチジ)と青森県産アンコウ(キアンコウ)、
甘エビ(ホッコクアカエビ)が並んでいる。
キンキの仕立てを見ると三陸産だろうか?
午前7時過ぎに関連棟に行く。
残念ながら松阪地方卸売市場には食堂はなく、
喫茶店が1軒だけ。
喫茶店の前のウナギの店を見て店内に入る。
この店内が不思議な空間で、懐かしい気がする。
座布団の布や、ゲーム機のテーブル、
テーブルの上のコーミソース(愛知県の地ソース)、
不思議な教訓が書かれた張り紙。
切り盛りする女性も、
どことなく(1960年代の)ハイカラで、
物語が出来そうな、そんなたたずまい。
「進化論に『古い形態は中心地から遠い場所に残っている』
とあるように、時代は移り変わっても、
ここには確実に昭和が残っている」。
不思議な気分になる。
いろいろ迷った末にオムライスとコーヒー。
このオムライスが素人めいていい感じ。
お腹一杯になって、ウナギ屋でいろいろ話を聞く。
「伊勢市は背開き、松阪市は背開き・
腹開き半々、津は腹開きが多い」など非常におもしろい。
名古屋と同じ先がない短い包丁で
下ろしているのを撮影させていただく。
ウナギは関東よりも大振りである。
愛知県一色産ウナギの白焼きと蒲焼きを買う。
水産棟に戻りマアナゴのメソ開き一箱と
鳥取の焼きサバが気になり購入。
津市『カネ政商店』の「はんぺい」、「天ぷら」も
言語的に買わないわけにはいかない。
「はんぺん」、「薩摩揚げ」は
あくまで関東の地域的言語でしかない。
最近、こんなたかが地域的な言語が、
別の地方の言語を脅かしているのが不愉快でならない。
「津市が『はんぺい』、『天ぷら』という
言語を使っていたなら
永遠にこれを使うべきだ」。
↑買い物の一部
「助六」の稲荷ずしが
「正方形油揚げ半分すし飯露出タイプ」
のようだったので買いたかったが、
売れてしまっていた残念だ。
となりに置かれてあった
岐阜県羽島郡笠松町『ひさ富』という
会社が作った「えび玉にぎり」、名前の妙から買う。
天むすを買おうか悩んでやめ、
三重県ならではの「さわもち」、「花びら型牛皮」などを買う。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
2013年01月16日 伊勢市二見池の浦で 後の記事 »
2013年1月17日 津市01