1月17日 三重地方卸売市場

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5時半に目覚ましが鳴る。

少々文字を打つ。

6時過ぎに松阪市小津にある三重地方卸売市場に向かう。

海方向に走っているはずだが

ナビで向かうと東西南北がわからない。


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市場は非常に無個性なもので、フラットな建物。

守衛さんに駐車場所を聞いて、水産棟に入る。

仲卸は少なく、外から見る感じとは違ってこじんまりしている。

 

寒い時期なのに思った以上に地物がある。

ガザミは抱卵していそうだ。

大アサリ(ウチムラサキ)があるのも三重県らしい。

残念なことに和具で見たヒオウギガイのむき身、

真珠貝(イタヤガイ)の貝柱はない。


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昨日松阪市内で食べた「しび」の正体が

ビンナガマグロであること、

ここにも「助六(ずし)」という言語が侵入していること

(もしくは古くからあったのか)など

いろいろ見るべきもの、考えるべきことが多い。


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ちなみに個人的には地域は言語的に鎖国体制をとるべきだと思う。

三重県でも昔から「助六」と言っていたのだろうか?

 

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日本海のサンマがある、サンマのカンピンタンがある。

サンマのみりん干しも珍しい。

焼津産の「塩さば」がある。

明らかにこれは「棒ずし」用だろう。

松阪から津、鈴鹿にかけては

「正月さんの唄」にもあるように

サンマをよく食べる地域なのだ。

キンキ(キチジ)と青森県産アンコウ(キアンコウ)、

甘エビ(ホッコクアカエビ)が並んでいる。

キンキの仕立てを見ると三陸産だろうか?

 

午前7時過ぎに関連棟に行く。

残念ながら松阪地方卸売市場には食堂はなく、

喫茶店が1軒だけ。

喫茶店の前のウナギの店を見て店内に入る。

 

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この店内が不思議な空間で、懐かしい気がする。

座布団の布や、ゲーム機のテーブル、

テーブルの上のコーミソース(愛知県の地ソース)、

不思議な教訓が書かれた張り紙。

切り盛りする女性も、

どことなく(1960年代の)ハイカラで、

物語が出来そうな、そんなたたずまい。

 

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「進化論に『古い形態は中心地から遠い場所に残っている』

とあるように、時代は移り変わっても、

ここには確実に昭和が残っている」。

不思議な気分になる。

いろいろ迷った末にオムライスとコーヒー。

このオムライスが素人めいていい感じ。


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お腹一杯になって、ウナギ屋でいろいろ話を聞く。

「伊勢市は背開き、松阪市は背開き・

腹開き半々、津は腹開きが多い」など非常におもしろい。

名古屋と同じ先がない短い包丁で

下ろしているのを撮影させていただく。

ウナギは関東よりも大振りである。

愛知県一色産ウナギの白焼きと蒲焼きを買う。

 

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水産棟に戻りマアナゴのメソ開き一箱と

鳥取の焼きサバが気になり購入。

津市『カネ政商店』の「はんぺい」、「天ぷら」も

言語的に買わないわけにはいかない。

「はんぺん」、「薩摩揚げ」は

あくまで関東の地域的言語でしかない。

最近、こんなたかが地域的な言語が、

別の地方の言語を脅かしているのが不愉快でならない。

「津市が『はんぺい』、『天ぷら』という

言語を使っていたなら

永遠にこれを使うべきだ」。

 

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↑買い物の一部


「助六」の稲荷ずしが

「正方形油揚げ半分すし飯露出タイプ」

のようだったので買いたかったが、

売れてしまっていた残念だ。

となりに置かれてあった

岐阜県羽島郡笠松町『ひさ富』という

会社が作った「えび玉にぎり」、名前の妙から買う。

天むすを買おうか悩んでやめ、

三重県ならではの「さわもち」、「花びら型牛皮」などを買う。


三重地方卸売市場


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このページは、管理人が2013年2月 8日 17:09に書いたブログ記事です。

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