7月10日水
「ナイス市場」を抜けて交差する商店街の端に向かうと、
古めかしい食堂を発見。
のれんに「大衆食堂 大手橋食堂」とある。
赤い縁取りの「オムライス」に惹かれる。
通り過ぎて魚屋を見て、本屋さんで尼崎の本を探すがなく、
自分の本があるのを確認させていただき、うれしい気分になる。
商店街にシャッターを下ろした店があまりないのもいい。
よく見ると、いろんな世代が混在して歩いている、これも重要な要素だろう。
街作りを考えるとき、重要なことは「幅広い世代が混在できること」が重要であるようだ。
それからすると、区画整理が大好きな愚かな役人やその筋の愚かな方達、また住民の意向や合理性を無視してまで道路を作ってしまいそうな都の役人などは早急に脳みそのお掃除をしないといけない。汚れた脳みそでは生き生きとした街はつくれまへーーん。
昼時はとうに過ぎた。
「大手橋食堂」ののれんをくぐり、オムライス、いなりずし(甘めだがなかなかうまかった)の持ち帰りをお願いする。
味は平凡だが、食堂らしい食堂で食べるオムライスはいい。
品書きで気になったのが「ポークチョップ」。
築地場内にもあったもので豚肉を炒めてケチャップで味付けしたものらしい。
とすると「ポークケチャップ」の略だろうか。
店を出て、商店街の交差する場所で天井を見ると「三和本通商店街」の文字。
たぶん南下しているのだろう、
三和商店街から平行に走る路地に「三和市場」を見つけて入ってみたのはいいが、まるで廃墟のよう。
点々と営業する店があって、これがまた哀愁漂う。
和菓子屋さんにサルトリイバラの柏餅。
5月の節句のときだけカシワの葉を使うのだと言う。
「三和市場」を抜けると自分がどこにいるのかわからなくなる。
そのまま商店街の端っこまで歩き、見つけたのが「鹿児島物産」の店。
ここで「みき」を飲み、白い餅(餅米の粉を固めて蒸したもの、上品な味モチモチして美味)を買う。
方向がわからなくなり、歩くうち、もう一度「三和市場」の入り口に行き着く。
ここにも天ぷらを売る店があり、イワシの天ぷら100円を立ち食いする。
これも塩味がきいている。うまい。
天ぷら、総菜を売る店が多いのも特徴だろう。
それとあまり繁盛していないようだが手芸用品の店、呉服店(ブティックではない)も多いな。
縦横に走る商店街を歩いている内に、この巨大な商店街すべてが市場であることがわかってきた。
たぶん、戦前からの店もあるだろうが、その店と店を埋めるように闇市ができた。
それが現在に至るまでここで生き続けているのだ。
この市場が今、急速に消滅しようとしている。
「きくや」というかき氷などを売る店で「冷やしアメ」を飲んでみる。
これは関西圏に来ると必ず見かけるもので、実は今回が初飲み。
甘い砂糖水にショウガの風味、辛みがある。
不思議な味である。
商店街の位置関係がなんとなくわかって来たとき「さかな館」という魚屋さんを見つけて入る。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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尼崎で無駄歩き 04