兵庫県明石市ではナイカイスジエビと
アシナガモエが一緒に取れるので、
おしなべて「モチエビ」と呼んでいる。
小エビなので唐揚げにしたり、素麺のだしをとったりと
産地ならでの使われ方をしている。
熱を通すとエビの風味と甘みが出るので、用途は広そうだと思っていたら、
地元民である明石浦漁協の宮部さんのご実家「井野豆腐店」で、
この小エビ類を卯の花に使っているというではないか。
「一度食べてみたい」という、わがままなリクエストに
7月なかばのある日、しっかり応えてくれて、
豆腐、厚揚げなどとともに送って頂いた。
さっそく、炊きたてのご飯にのせて食べたら、
まことに穏やかな総菜らしい味わいで、
ご飯がすすむ、すすむ。
小エビが入っていることで、
ただの卯の花にエビの風味と甘みが足し算されていて、
味わいに奥行きが出ているのがいい。
なんというか、酒にも合うし、ご飯にもいい。
同店では単に「おから」として売っていると言うが、
こんな銘品がひっそりと作られているところに、明石の食の底力を感じる。
井野豆腐店 兵庫県明石市大明石町1丁目13−30
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