7月11日
16時10分姫路港から高速船(ラピート桂)で坊勢島へ。
高速船は思った以上に小さかったが、ほとんど揺れや騒音を感じなかった。
ボクがどんかんなのもあるだろうが、坊勢島への航海は快適だった。
熱暑で大量の水蒸気が瀬戸内海状に茫漠と浮かんで視界が悪い。
家島群島が見えて来て、石切り場の異様に驚かされる。
16時40分過ぎに坊勢島着。
漁協の竹中さんが迎えに来てくれて、長井漁港で水揚げを見る。
見事なワタリガニ、ショウサイフグ、
とれたばかりのメブト(テンジクダイ)はきれい。
イボダイは徳島と同じボウゼ。
坊勢島でボウゼとはなにかいわれがあるのだろうか。
午後17時に島内『みやこ旅館』。
体中が汗でべたべたするので大急ぎで風呂に。
今日も猛暑、熱暑の一日であった。
部屋に帰り、カメラの電池を交換していると、
坊勢漁協のかたが既に来ているというので1階の食堂へ。
坊勢漁協、桂さん、森さん、竹中さん、そして県の山下さんと夕食。
冷えたビールがうますぎる。
ずらりと並ぶのは坊勢島の恵み。
坊勢さば(マサバの養殖もの)、サザエの刺身、
アコウ(キジハタ)の煮つけ、ゆでた小太エビ(サルエビ)、
ゆでたヒイカ(ジンドウイカ)、サザエのつぼ焼き、天ゴチの唐揚げ、
シロジャコ(テンジクダイ)・メイタガレイ・天ゴチのごった煮、
ガンゾガレイ(タマガンゴウビラメ)の干ものの煮浸し、
「がんぞがれいめし(タマガンゾウビラメの煮浸しを挟んだご飯)、
チャンチキ(ヒメオコゼ)のみそ汁、
ハモの湯引き、クロアワビの陶板焼き。
もっとあったかもしれない。
メブトのたたき揚げがビールに合う。
チャンチキのみそ汁が酒の後に優しい味である。
旅にしあれば、その土地のもの、その土地の料理が食べたい。
こう思うのはボクだけではないはず。
鹿児島に行ったとき、養殖カンパチが出てきたのにがっかりして涙し、
天草では養殖ダイに不愉快になった。
地方の方達はもっと考えて、
旅人に料理を出したらいいのではないだろうか?
日本中でいちばん養殖カンパチや養殖マダイを
食べているのは東京都民なのである。
こんな日常的なものを旅人に出すのはハレンチである。
閑話休題。
この『みやこ旅館』の料理、かなりいけます。
しかも部屋も清潔。
また来たくなる、そんな宿だ。
島の料理法などもいろいろ教えていただく。
ギン(ゴンズイ)は煮付けにしている。
妊娠した女性には乳の出がよくなるようにと、
丸のままのオコゼのみそ汁を飲ませる。
山下さん曰く、明石ではお食い初めにメイタガレイ、ホウボウを使う。
ヒガレイ(干したタマガンゾウビラメ)はあぶって、むしって、
椀に入れて、とろろ昆布も入れて熱湯を注いで汁にする。
エビジャコ(トラエビ、アカエビ、たぶん小型のサルエビなど)の
殻を剥いて肉の代わりにしてカレーを作る、エビジャコカレー。
ボクはかねがね、地方の活性化は"地方力"を
蓄えてこそ成功すると思っている。
"地方力"とは「その土地の個性」だし
「その土地らしさ」である。
兵庫県姫路市家島諸島坊勢島は
地域力に満ちたところなのである。
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