水産棟で社長・馬場壽夫さんに挨拶して、場内をまわる。
午前6時前、まだ荷が着いていない。
「たるいか(ソデイカ)」のげそや頭部(目のある部分)、
耳などを切っている方がいた。
「たるいか」は鳥取での呼び名で、それをそのままここでも使っている。
並ぶ「たるいか(ソデイカ)」も鳥取産である。
秋だな、と思う。
「これどのように使うんですか?」
「このあたりは里いもとたくんやな。
隣でそろそろ(里いもの)競りが始まるよ、見てきたらええ」
「やっぱり、このあたりでも里いもとイカなんですね」
「そうやね」
脇で見ていたら、切り身を少し分けていただく。
ありがとうございました。
「イカと里いも」の組み合わせでたく(煮る)のは、
たぶん滋賀県一帯にみられる料理だ。
『湖北町の伝統食・地産食』(湖北食事文化研究会編集・発行 サンライズ出版)に
「集落内を通る水路で、たまに見かける」のが水車型芋洗い機だ、
とあり、「里いもといかの煮ころがし」がのっている。
ちなみに東京でも、もっとも基本的な家庭料理である。
大根やコンニャク、筍などなんでもイカとも煮るのだけど、
八王子総合卸売組合『やまぎし』で働いていた奥多摩出身の
よしさんの話では「イカと里いも」は秋祭の料理だったという。
青果市場に行き、並んだ野菜類を見る。
大型のかぶがあり、品種がわからない。
スワンがここまで大きくなるのか? 疑問である。
九条ネギに早生の白菜(65日かも)、山東菜、土垂と親いも、奥手(たぶん45日)の白菜苗、松茂(徳島県鳴門市)から鳴門金時。
見事な土垂で買いたくなってしまう。
帰宅後、長浜街の駅で買った土垂といただいた
「たるいか(ソデイカ)」を素朴にたいてみた。
やはり、このような組み合わせは、
手をかけないでざっくり煮るに限るのだ、と思った。
長浜地方卸売市場
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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