2014年10月アーカイブ

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徳島県海部郡海陽町宍喰『宍喰漁業協同組合』で、もったいなくも放り投げてあった魚である。それを送って頂いた。

ボクにとってキントキダイ科の分類は未だに不明な点が多々あるが、たぶんアカネキントキだと同定して食べてみた。

まずキントキダイ科の魚料理の最上のもの、丸焼きを作ってみた。ようするに何もしないで焼くというもの。焼き上がって鱗でかさかさした皮を剥ぎ取ると中には真っ白な身がある。これをしょうゆとすだちで食べる。

これが実に実にうまい。身の上品でいながら香り高いのにビックリ。肝のうまさにノックアウト。これほどうまいとは想像だにできなかった、それほどにうまい。

これ、「放るもん」にしていいのだろうか、疑問符が数万浮かび来る。

 

協力/宍喰漁業協同組合 徳島県海部郡海陽町宍喰

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徳島県最南端にあるのが宍喰町。住所は徳島県海陽町にあたる。この徳島産南端の地を訪れて、それまで「うるめ干し」は高知、と思い込んでいたボクは大いにぐらついた。

宍喰で出合った「うるめ干し」を作っているのは同町内『大善商店』。小振りのものを進めてくれたので一箱買った。これをあぶってかじり、白飯をかき込んだ途端に、「うるめ干し」は徳島に限るのかも知れない、などと思うほどにいい味である。もちろん高知県産のものも底知れぬうまさを誇っているが、宍喰の「うるめ干し」はそこに上質という+点を感じる。


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これは若旦那と、現在の社長の意気込みがなせるわざなのだろう。干もの作りに対する強い意気込みを感じさせてくれる。

 

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さて、小振りな「うるめ干し」に干した風味はあるものの苦みが少なく、食べやすく、そしてウルメイワシの持つ味わいにも満ちている。

ボクの幼なじみ藤本勝紀が徳島県美馬市切久保で育てた「あきたこまち」がなかなかいい味である。そこに地味だけど実に豪奢な味の「うるめ干し」がある。「太るだろ、おい! 責任者出てこい」、てな感じがする。

 

大善商店 徳島県海部郡海陽町宍喰浦字正梶163

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伝統的な加工品に関しては、いじらないでそのまま昔ながらのものが好きだ。「くさや」も「ソフト」よりも「上乾」がいい。

築地場内『高須』でその「上乾」を見つけて思わず買ってしまった。いいねー、このカタカタが。

「くさや」と言えば織物業の華やかし頃の(1950年代前半)、織子(織物業にたずさわっていた女性)のおかずとしてよく食べられていたという話がある。

繊維業の歴史はしっかり調べられているが、そこでどのようなものが食べられていたのかなど記録がなされているのか、これも調べなくては。

同じ繊維業でも山梨県河口湖町では家内工業的でよくうどんを食べていたという。これが今では河口湖町の名物でもあるのだ。

 

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