愛知県編 『島正』の「どて飯」

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 名古屋栄にある『島正』は 昭和24年に名古屋市で創業。創業時の店名は『きむらや』で、店主の名字「喜邑」からの店名。新国劇の島田正吾が気に入って通ったことから「島正の通っている店」と呼ばれるようになって店名を変えたという。

 名古屋では豆みそ(八丁みそ)ベースの煮汁で煮込む、おでん、牛すじを「どて焼き」と言う。これに串かつ、焼き鳥を加えると名古屋居酒屋メニューの基本形になる。

 みそ味で煮込むおでんを、「みそ煮込みおでん」などというが、当店ではこれも「どて焼き」のひとつで「どて焼き」の種としている。このあたり今後の名古屋食文化研究の余地が大ありである。

 この店はその名古屋居酒屋の基本形を守っているところがいい。しかもそのどれもが実にうまい。多少待ってでも飲みたい食べたいという店だと思う。


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 居酒屋のしめの一品というと、ご飯もの、麺類などだろう。ここでは「どて飯」がその主流だと思う。みそで煮込んだ、豆腐、大根、コンニャクなどをつまむ。その後で串かつか焼きものをお願いして、しめにまた「みそ味」でというのがいいのである。

 ご飯に、「どて焼き」の牛すじ煮込みをかけたものが「どて飯」なのだが、そこに半熟卵がぽよよーーーんと乗る。


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 この半熟卵を適度に崩し、ご飯と牛すじともども、あらく混ぜてかき込む。名古屋のみそ味が意外にさっぱりと後味がいいのは知っていたが、この美味しさをなんと表現すべきだろう。食感はドミグラスソースのようであるが、あきらかにみそ、そのみそが実にクリーミーであって、こくがある。

 ああ、これは昼間に大をお願いすればいいのだ。酒の後ではなく、昼飯として食べたらもっともっとうまかろうな。


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このページは、管理人が2015年5月24日 22:40に書いたブログ記事です。

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