魚屋出会い旅: 2007年2月アーカイブ

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 お茶の水から湯島天神に向かい、坂を下って地下鉄湯島駅までのコースはボクの無駄歩き最短コース。時間があればそのまま上野広小路、御徒町と歩くのだが、冬の夕暮れ時を楽しむのには、この最短コースでも充分である。
 その湯島駅に下りてしまおうという交差点そばにあるのが「よろずや」である。夕暮れ時にみる「よろずや」がなんともいい風情なのだ。陳列ケースの下側が白いタイル張り、その奥の裸電球の色合いがなんとも美しい。
 いつも冷蔵ケースをのぞいて、「やっぱり湯島という土地はお高いんだな」と思いながら通り過ぎる。この日も“生ダラ1切れ600円”“生かじき1切れ800円”とあって足がすくむのだ。でもその奥にうまそうな「こはだ」がある。

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 見たところ間違いなく“こはだサイズ”。この時期は「なかずみ」が多く、小振りのを見つけるのは大変だろうな。見ている内に「こはだ」を買いたくなる。
 店の脇に回ると女性がいて、白衣の老人がまな板の前に向かっている。
「こはだ幾らですか?」
「一人前700円です」
 やはり、そんじょそこいらの魚屋よりは値段は2段くらい上である。でもせっかくだから一人前お願いする。「サヨリを混ぜましょうか?」というので2種盛りに。ついでに「タコ酢500円」。合計1200円は我が家としては散財である。

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 この「こはだ」がなかなかうまい。〆ぐあいがやや軽く、ほんのりこはだの味わいが生きている。仕入れが上手なのだろう。まったく生臭みがない。サヨリも上々。タコ酢の酢の味わいが上品で爽やかである。
 まあ、酒場で遭難するよりも、「よろずや」で散財する方が遙かに健康的である。月に一度は「よろずや」で〆ものを買うというのもいいだろう。


よろずや 東京都文京区湯島3丁目34-12


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