干物を同定することは少ない。
基本的に表面が変色しているし、開いていたり、切り身になっていたり。
でもハダカイワシ類は干物となっても間違いなく同定できる。
ただ問題なのが、ハダカイワシというものはきれいな魚体であっても、同定が至難なのだ。
今回のものは小田原産。
干物になるくらいだから、ある程度まとまってとれるものだろう。
そうなると、1種類しかいない。
サガミハダカだ。
包装紙の外からでも特徴がわかる。
念のために、検索だけはして、やはりサガミハダカであった。
高知県に標準和名ハダカイワシの干物があって、「火傷」という。
全身火傷をおったように肌が剥けてしまっているという意味合い。
しかし土佐の人の言語感覚はすごい。
今回の干物は神奈川県小田原市『山市湯川商店』の作ったもの。
築地場内で面白い(もちろん良質のものも)干物、相物、総菜などを扱う『ヤマセ村清』だ。
ここの店先は面白いし、うまそうなものがいっぱいあってついつい財布のヒモがゆるむ。
サガミハダカはそのたくさんの発見のなかの、たったひとつでしかない。
この干物を作った『山市湯川商店』と『ヤマセ村清』に拍手!
さて、ハダカイワシとしても小振りのサガミハダカの味なのだけど、非常に美味である。
高知の「火傷」よりもあっさりして、しかも旨味が強い。
シシャモに似て、しかも非なるもの。
これは新しい美味の発見だ。
日本酒でもビールでも焼酎でも、なんにでも合う。
今週の土曜日も築地なのだけど、さて『ヤマセ村清』には何があるのだろう?
山市湯川商店
http://www.bidders.co.jp/user/8423060
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サガミハダカへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/hadakaiwasi/sagamihadaka.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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