戦後混乱期を脱しつつあった横浜の光景を
『横浜ノスタルジア 昭和30年頃の街角』(広瀬始親 横浜開港資料館)
で見ていると諸橋商店街の食料品店に新巻鮭が縄で吊してある。
今、新巻鮭というと塩漬けにしたものがほとんどだが、
本来は塩漬けにし、干して作るものだったのだ。
個人的には、この「干した新巻鮭」が大好きなのだが、
これを岩手県大槌町の佐々木さんにいただいた。
箱を開けると、もっとも甚大な被害を受けたはずの地で、
これほどのものが本当に作られたのだろうか?
疑問に思うほどに大きな「干した新巻鮭」が出てきたのだ。
腹の部分には血走りが出ている。
「血走り」は新鮮な魚で作った干ものにしか出ない。
あまりにもうまそうなので、薄切りにして、軽くあぶって食べてみると、
塩加減といい、干し加減といい、最上級。
干したサケというと新潟が有名であるが、
関東にとってなじみ深いサケの産地、
三陸でも毎年見事なものが作られている。
アイルランドのブッシュミルズにとても合う。
被災地は確実に復興している。
こんな海産物に思って、むしろ怠惰な都会人のボクすら勇気づけられる。
早く、目先の仕事を片付けて来春には
三陸に向かいたいものだな、なんて思うのである。
佐々木さん、ありがとうございました。
一日も早い復興お祈りしています。
たかのり海産 岩手県上閉伊郡大槌町港町88
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