生物にも「珍しい度」というのがある。
それこそ深海にしかいない珍妙奇怪な魚とか、南極海にいかないと見つからないものとか。
いろいろあるけど、とにかく探そうにも探せない。
例えば、国内ではまだ数個体しか見つかっていないともなると、「珍しい度」がもの凄く高いということだろう。
さて時間を金曜日にもどそう。
北海道紋別市(オホーツク海に面している)の『まるとみ渡辺水産』さんから、
「一見メバルっぽいんですけど、漁師も港の人間も誰も見たことのない魚がとれまして、送りましたので種名がわかりましたら教えてください」
との話が飛び込んできた。
このとき、なんとなくナガメバルではないか、と思ったのだ。
理由がなくもない。
先週、アカガヤが入荷してきており、当然、魚類検索をひらくことになる。メバル類の検索過程でいつも真っ先に目に飛び込んでくるのがナガメバルなのだ。
この魚がまことに正体不明。
どうにも情報が手に入らない、という代物なのだ。
魚に興味がある人なら、解説を読んだだけで、非常に珍しいに違いないとピンとくるはず。
そして日曜日の午後、やってきたのがまさにナガメバルだった。
たぶん国内では2個体目、もしくは3個体目だろう。
珍しいからといって珍妙な姿をしているわけではない。
平凡過ぎるほど平凡な姿だ。
ここで「珍魚、必ずしも珍妙ではない」という格言を残しておきたい。
ここでいつもなら魚類学の専門家に食べてもいいか、問い合わせるのだけど、検索はいたって簡単だった。
珍しさよりも、味を確かめて見たいというのを優先することにする。
少量の刺身、塩焼き、これが非常に美味だった。
魚類学者のみなさん、ナガメバルはもう一切れしか残っていません、悪しからず。
2009年6月21日
まるとみ渡辺水産
http://marutomi-kani.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ナガメバルへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru02/nagamebaru.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/