魚貝類発見記: 2009年2月アーカイブ

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 八王子綜合卸売協同組合『マル幸』の前で思わず脚が止まる。
 あれれれれ?
 「赤エビ」じゃないの。
「おーい、クマゴロウ、これどこの。懐かしいなこれ。沼津じゃないの」
「これなんていうエビなんだ」
「ツノナガチヒロエビだけど」
「産地わかんねーや。適当に考えて」
 箱の脇には「赤エビ」とあるから、やはり沼津産じゃないだろうか?
 秋の解禁から一度も底曳網の水揚げを見ていない。

 深い深い駿河湾の底からあがる、深紅のエビ、それがツノナガチヒロエビだ。
 生で食べると油で胸焼けする。
 それが甘辛く煮るとうまいんだな。
 思わず産地不明のまま買ってしまった。

 そしてお父さんのひとりだけのお昼ご飯は、「赤エビの煮つけ」だ。
 戸田(静岡県沼津市)の底曳網漁師さんは、ユメカサゴ、チゴダラなどの魚にツノナガチヒロエビを必ず加えて甘辛く煮て、船上での昼ご飯のおかずとする。
 これがまことにこたえられないほどにうまい。
 普通、船上でうまいものが、自宅なんかで食べると、思ったほどうまくない、なんてことが多い。
 でもツノナガチヒロエビに限っては自宅で食べても、やっぱり感激一入のうまさだ。

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 さて、煮つけを食べ食べ、ご飯をかきこみ、最後に煮汁に熱湯をかけてすする。
 このときも、煮汁は加減すること。
 思ったよりもクセがある。
 クセがあるんだけど濃厚にうまいのだ。

 さて、戸田の底曳船にまた乗りたいものだ。
 そして未知の生物に出合いたい。

2009年2月27日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ツノナガチヒロエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tihiroebi/tihiroebi.html
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 大阪、和歌山で「泥さざえ」、「いしかち」なんて呼ばれているのがミヤコボラ。
 底曳網などでさかんに水揚げされる。
 これこそ関西ローカルな食用貝だと思っていたら、このところ関東でもよく見かけるようになっている。
 この貝の標準和名を知る人は中央魚類の石川さんくらいだろうけど、この画像の「ホラ貝」はないよな。
 「都法螺」なら売れるでしょうに。
 なにしろ煮て食べると非常に美味ですから。

2月17日 築地場内
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ミヤコボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/bansokurui/okinisi/miyakobora.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 1月16日に行った埼玉魚市場ではあまり収穫がなかった。
 ようするに地方市場として優秀であるという印象をもったのみ。
 そんななかでも唯一埼玉らしいものを発見して、それが寄居町でとれたという雑魚である。
 寄居町は埼玉県北部にある人口3700人ほどの小さな町。
 荒川に面しており、なんとなく水の町という印象を持つ。
 場内『埼光水産』で見つけた雑魚は、寄居町でたったひとり雑魚漁をやっている方から来たものだという。

 これを、さいたま市近辺では醤油で煮るのだという。
「絶対に砂糖なんていれたらダメだよ」
 こう言われて酒と生醤油だけであっさり煮てみた。

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 これがなんとも野趣溢れた料理となって、はらわたのほろ苦いのがいい酒の肴となった。
 埼玉県には荒川をはじめ無数の河川、水路があり、昔はさぞや淡水魚をよく食べていたものなのだろう。

 さて料理する前に魚を同定(検索)してみる。

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 コイ目コイ科のモツゴ、タモロコ、ニゴイ、アブラハヤ、ウグイ、タイリクバラタナゴ。

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モツゴへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/higai/motugo.html

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タモロコへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/barubusu/tamoroko.html

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ニゴイへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/kamatuka/nigoi.html

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アブラハヤへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/ugui/aburahaya.html

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ウグイへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/ugui/ugui.html

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タイリクバラタナゴへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/tanago/baratanago.html

 コイ目ドジョウ科のドジョウ。

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ドジョウへ
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/dojou/dojou.html

 ナマズ目ナマズ科のギバチ。

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ギバチへ
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 甲殻類十脚目テナガエビ科のスジエビ。

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スジエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tenagaebi/sujiebi.html
 以上9種類。

 また埼玉魚市場に行こう。
 そして雑魚を買ってみよう、という気持ちになった。

埼玉魚市場
http://saitamauoiti.co.jp/company.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 八王子総合卸売センター『高野水産』の前にくると、近所の居酒屋オヤジが駈け寄ってきた。
「これ“スミイカ(コウイカ)”じゃないよね」
 まな板の前にいた高野社長もやってくる。
「これなんだっけ、それ」
 毎年来ているはずなのに、イカの種類はなかなか覚えられないようだ。
「エゾハリイカだよ」

「これ、子供なのかな」
「違うよ。大人。この時期まとまってとれるんだよ」

 と、これが毎年この時期の仲買、飲食店主とのやりとりなのである。
 エゾハリイカは関東の市場ではそんなに珍しいものではない。
 三陸、常磐などからこの時期にどっと入荷してくる。
 今回のエゾハリイカも茨城県の大津港からやってきたものだ。
 形が小さい上に、薄汚れて見えるので人気がないのだろう。
 季節が移り変わると、すぐに忘れ去られる。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、エゾハリイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/kouika/ezohariika.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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素魚発見!

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 素魚発見!
 といってもこの「素魚」を読める人は少ないのではないか?
 これをシロウオという。
 「シ」の次にくる「ロ」に注目して欲しい。
 素魚(シロウオ)は春の風物詩とされるが、ぜんぜん遠い魚の仲間に白魚(シラウオ)というのがあって、見た目も名前もまぎらわしく、よく混同されている。
 ちなみにシラウオはサケ目シラウオ科。
 シロウオはスズキ目ハゼ亜目ハゼ科。
 両種とも春の魚である。
 今回のものはシロウオ。
 毎年2月半ばに、佐賀県の「飴源」からやってくる。
 
2009年2月16日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、シロウオへ
http://www.zukan-bouz.com/haze/sonotahaze/sirouo.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、シラウオへ
http://www.zukan-bouz.com/kyuriuo/sirauo.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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