47都道府県すし屋図鑑: 2007年10月アーカイブ

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「やっぱり小泉内閣の政策は失敗だったのかな?」と思うのはその辺の街角とか、八王子総合卸売センター、八王子綜合卸売協同組合、八王子魚市場などの地方市場を見ると切々と感じることだ。この内閣の目差すところは行政の無駄を省き、それを庶民に還元するものだと思っていたのだ。それなのにどうだろう? 現在でも独立行政法人は膨大な数残るし、相変わらず役人は不正や不道徳なことをやらかしている。しかも一般人よりも過大な福祉、年金に守られている。当然代議士なんて存在自体悪そのものに思える。

 この政治にいちばん苦しめられている人たちの中に市場人もいる。地方公務員の不正な休暇が取りざたされている。むしろそれをやらない方が少数派だという。そこへいくと市場人の仕事始めは午前2時、3時なのである。そして午後2時になっても仕事は終わらない。公務員なんてヤカラにはきっと耐えられないのだろうけど、市場の運営自体が危機を迎えているときに市場人は耐えるしかない。

 この現状を『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんと、よく語り合う今日この頃である。

「しかしこの市場の面白さ、一般の方にわからないのかね。肉だって魚だって、食材だって、スーパーよりも数段上だろ。だいたい市場というのは下町人情溢れる場所だろうしね。育児ノイローゼの主婦なんかここにくると一発でなおっちゃうよ」(なんで育児ノイローゼが出てくるのかわからん)
「そうそう、こんなに人に優しい場所はないよね。コトヤさんそうだよね」

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コトヤさんちは市場から数十秒

 午前1時から働いているのでコトヤさん、『市場寿司 たか』の脇で一人酒盛りの最中。これがいちばんお金のかからないというのもあるが、たかさんのそばで飲みたいというのも大きな理由であるようだ。このところ午後2時近くなると『市場寿司 たか』は市場人が集まってくる。

 そこに顔を出したのが総市商事部(醤油や味噌、飲料水、ジュースなどを扱う)のカクジロウ君。
 そしてビックリするものが、登場する。
「なんだこれ! たかさーん、こんな丼あったっけ」
「あるよ。うまいもん全部のっけ、次いでに寿司飯は三人前。カクジロウスペシャルかな」
「まさか600円じゃないよね」
「600円だよ。コイツは年間契約で600円に決まったの」
「たかさん、ボクも契約したいんだけど」
「だめー」

 しかし悔しいな。ボクがどんなにお願いしても、このスペシャルはダメなのだ。だいたい普通に考えるとこれって2000円以上しないだろうか? カクジロウのバカ野郎。ボクよりうまそうなもん食うなんて100年早いよ。

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 さみしく八王子総合卸売センターの通路を通り、『カワベ』、『大商ミート』、『藤原商店』の前までくると、午後二時なのにまだ働いている。コマちゃんなんて忙しそうに肉を切っている。本当に市場での仕事は大変である。でもこの大変さを補ってあまりあるのが市場独特の人情味である。本当に市場人は優しいのだ。みんな市場においでよ! きっとささくれだった気持ちも一瞬で癒されます。これはぼうずコンニャクが保証しまーす。

市場寿司 たか
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/gest.html
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 土曜日の朝飯は『市場寿司 たか』で“豪海ぶつぶつ丼”と決めている。これはその日のネタから背の青い魚を中心にとにかく小さく刻んで、すし飯にのせるというもの。毎回ネタが違うのは当然だけど、うまいのやら、もの足りないのやら、いろいろ。いろいろだから飽きが来ないわけで、わがままなヤツラばかりの市場人にはつとに人気が高い。

 そして、そして先の土曜日の“ぶうぶつ丼”が素晴らしいものだった。
 その日のネタから旬のサンマに東北は福島からきた「目光(マルアオメエソ)」。どっちも「握りにしても最高だ!」というもので赤の他人ながら仲良く丼に入って頂く。そこに来るのがタクワンではなくて野沢菜というのがちょいと気にくわない。「どうしてタクワンじゃないの」と文句を言うと、
「だって野沢菜好きなんだよ。野沢菜巻ってのもうまいんだぞ」
 たかさん、子供っぽい言い方は止めようね。孫がいるのに年甲斐もない。

 その内、「しかたないねー」なんて長屋のご隠居みたいなことを言いながら、とにかくサンマと目光(マルアオメエソ)、野沢菜を刻んで「豪海他人丼“サンマ、目光、野沢菜”」の出来上がりだ。

 意外なことにサンマと目光(マルアオメエソ)の脂からくる甘味が野沢菜に合う。サンマと目光の味わいは、方や〈回遊魚の持つ酸味を帯びたもの〉と、〈深海魚のコクがあるものの単一な味わい〉という違いがあるものの「脂を伴った甘さ」という点では共通する。そこに曲をもたらすのが青臭い辛みを伴った野沢菜の存在である。サンマ、野沢菜、目光、野沢菜と食って、とても激しくうまいのはどうしてだろうね。困った困った箸が止まらないと思う間もなく丼は底が見えてくる。コレじゃもの足りないなー、今日は“サンマ、サーモン、こはだ、野沢菜”でもう一杯いきたいなーと店の外を見ると席の空くのを待つ人がいる。
“豪海ぶつぶつ丼”の唯一の欠点は店がたて込んでくるとお願いできないことだ。わがままな市場人の中には「それでも、どうしても、お願い、たかさん」と注文するヤカラがいるが、ボクはそんな非常識な人間ではない。ちょいと後ろ髪を引かれながら店を後にするのだ。

市場寿司 たか
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八王子の市場に関しては
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