47都道府県すし屋図鑑: 2015年5月アーカイブ

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 中村区は膨大な人が行き交う名駅東口とは真逆で、ひっそりと人の少ない西口にある。この周辺は昔は「西口市場」があったところであるよう。砂糖だけの専門店、食材店、八百屋、衣類を扱う個人経営の店が多い。公設市場もあったようだが、今やスーパー形式になってしまっている。

 そこにぽつんとあるのが『喫茶・軽食 プリンス』。70代はじめの女将さんひとりだが、昔はご主人と夫婦でやっておられたようだ。

 席に座ると、ここが名駅から数分のところだとはとても思えない、のどかさなのがいい感じ。

 店名は「お客様はみなプリンスですよ」という意味だという。


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「小倉トースト」愛知県全域の喫茶店で出されているのだと思う。

 愛知県は喫茶店がすさまじく多い。ほんの100m前後に3店舗などということもあるくらいなので、都内の探さなくては見つからない状態からすると格段の差がある。

 その膨大な数の喫茶店が切磋琢磨しているためか軽食メニューも実に豊富である。その店独自のものも多いようだ。そんななか共通するメニューのひとつが「小倉トースト」。焼きたてのパンとあんこのみの相性は微妙であるが、バターが塗ってあることでひとつの料理として格段にまとまっている。

 あんこ好きでもあるので都内の喫茶店にもあるといいな、と思う反面、愛知だけの物であって欲しいとも思う。


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愛知県編 黄飯

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 愛知県名古屋市で端午の節句に食べるものに「黄飯」というのがある。ようするに梔子(クチナシ)で染めた強飯(おこわ)で、黒豆が散らしてある。一説には梔子には魔除けの霊力がありとのことで端午の節句に作られるようになったとも。同じように黄色く染めない「白飯」というものもある。

 ほどよい塩加減で、薄く黄に染めた梔子(クチナシ)の匂いや味は感じられないものの、白よりもより味わい深い気がする。


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 津乃国屋は名古屋市の懐かしいたたずまいの商店街の入り口にある。ご主人の笑顔がなんとも失礼ながら可愛らしいのもいい。

 同店の名物はウイットに富んだ名古屋弁の接尾語「なも」を二つ重ねた「なもなも最中」。

 ふらりと旅に出て、端午の節句にだけ売り出される「黄飯」に出合えたのは実に幸運。いい旅であった。


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