47都道府県すし屋図鑑: 2006年10月アーカイブ

 忙しい一週間で、もう少しでダウンかな。しかし疲れが毎日、薄雪のように積もり始めて、今日などは豪雪状態。愚痴をこぼしに「市場寿司 たか」に立ち寄ったら、これがまた大忙しである。
「今日は煮穴子だろ、玉子焼きつくるだろ」
 なんだか愚痴をこぼす状況にない。
 仕方なく、八王子綜合卸売センター「高野水産」のオヤジ(社長)をからかいに行くと。
「やっぱり今日は魚がねえ」
 ちょっとほんまモンのご機嫌斜め。
 魚を見て回っていると和歌山県串本「出口水産」から鮮度抜群のタカノハダイ。これを本日の「市場寿司 たか」の特ネタにするべかな? てんで店で三枚に卸す。それをじっと見つめるのが豊田駅前に店を構える「うろこ」さん。
「へただね」
 ということでした。

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「市場寿司 たか」の煮穴子はまず酒と水だけでたき、砂糖、醤油と足していく

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「あれ、思ったよりも脂があるな」。ということで本日の特ネタはタカノハダイ(鷹ノ羽鯛)。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 最近、小振りのイボダイの入荷がある。これを見ると生唾がでるほどに「食いたーく」なる。それで今日も八王子綜合卸売センター「高野水産」で見つけて、即速、「市場寿司 たか」に走り込む。
 大急ぎで卸して、まずは立て塩5分、かるく酢で洗って皮を剥く。そして握りにするのである。このほんの十数分の長いこと。そして見事な握りの出来上がり。と言うことで本日の「市場寿司 たか」の特ネタは……。
「えぼだいの酢洗い」
 もうこれを食べたら“ばったり”うますぎて倒れてしまいそうだ。

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立て塩も酢も洗う程度

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八王子市場案内
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市場魚貝類図鑑のイボダイ
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 さて本日の寿司ネタ、特に選りすぐりましたるは、以下のごとく。

沼津の天然カンパチ
のど黒(ユメカサゴ)
青森田向さんにもらったイラコアナゴで作った、煮穴子
マイワシ
スズキ
コショウダイ

 これら総て格安で提供いたす。

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沼津佐政水産、青木修一さんからの魚


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 さて本日の特ネタの仕込み。これが種名のわからない魚。ついつい単純にタカサゴヒメジだと思ってしまったのが大間違い。どうみてもマルクチヒメジではないかと思われる珍魚。とりあえず、「おじさん」としておきましたがようするにタカサゴヒメジのそっくりさん。
 三枚に卸して湯引き、皮目を生かした握りにする。まことにまことにこれがうまい。お試しあれ!
 他には目光(マルアオメエソ)とかいろいろあるのだ。

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湯引きして皮下のうまみを味わってほしい

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細かい魚を見ていると老眼鏡が落ちるんです

八王子魚市場の市場に関しては
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 市場の寿司屋であるのでその日しかない特ネタを増やしていきたい。お好みで握っても1かん100円ほど。そんな「市場寿司 たか」、黒板の特ネタ。今日はいくつになるのだろう?
 今のところ、沼津魚市場、佐政水産、青木修一さんが見つけた珍魚アザハタと沖縄本島から来たエンマゴチの昆布締め。アオリイカもあるが、これから仕入れが始まる。
 もっと江戸前握りを自由に楽しんで欲しい。それで「市場寿司 たか」とぼうずコンニャクがすすめる特ネタを食べてみて欲しいのだ。

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市場が終わったのに

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 もう3時を回っている。「寿司図鑑」の撮影のために八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」へ。
 市場はほとんど店仕舞い。あたりは閑散としている。そんなときになってもたくさんの市場人はまだ休めないでいる。
 慌ただしい一日の仕事がやっと終わろうとしているカネトモの琴矢さんが「市場寿司 たか」の前で一服。そこに八百屋の矢沢君がやってきた。愛車の名前もずばりヤザワ。バカなことにクルマのナンバーも「ヤザワ」だし流れてくる音楽も矢沢である。

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 驚いたことに
「顔まで矢沢永吉に似てきたよな」
 琴矢さんが笑うが、昔の写真を見せてもらうと本当にそうなんだという。

 そこに角角二郎くんが来て、
「あー腹減った。朝からほとんど何も食ってないんすよ」
 たかさんは彼のすし飯をとって置いて、仕事が終わるまで待っていたのだ。そして「豪海投げ込み丼」3倍大盛りバージョンを一気食いである。

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「たかさん、これいくらするのよ」
「同じ(600円)だよ」
「だってネタもいつもより多いだろ」

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「しらんぺったんごりら、てか」

「市場寿司 たか」の前のテーブルで歩いて帰れるタコ焼き君が「いいちこ」でいっぱい。おつまみは「なし」。でもそこに八百屋が来て
「スダチの差し入れ。だれかつまみを持ってこねーかな」
 と思う間もなく肉屋がハムを切ってくる。
 ボクもいっぱいやりたくなったが、クルマなので寂しく「さよなら」する。
 ちなみにこの市場人もたびたび寿司図鑑を作る手助けをしてくれるのだ。

八王子の市場に関しては
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 ある日、珍しく寿司職人の渡辺隆之さんと「市場寿司 たか」での品書きについて話をした。
「できれば『おまかせ握り』の巻物を入れないという形にしたいんだ」
「でも少しさみしいよな」
「そう思うだろ。でも一人っきりでやっていると握りなら握りだけで作る方がいいのさ。この店の値段はオレひとりでなんとかやってるから維持できるわけだろ。その分、特ネタ(その日あるものを拾い買いしたもの)を増やしたいんだ」
 最近「市場寿司 たか」でもお勧めを単品で注文してくれる客が徐々に増えているのだ。それでポツリポツリと珍しいけど握りにしたらうまい魚を増やしている。この日(金曜日)に仕入れたのがソコカナガシラとコショウダイ。ちなみにこれらを1かん100円で出しているのだ。
 これにはボクも反対したのだ。他の店が特ネタをやや高値に設定しているのに儲けがないではないか? そしてアカガイの仕込み。まあ200円かなだって。しかもこれも当日残りそうだったら「豪海投げ込み丼」にそれこそ投げ込んでしまうのだ。もっと驚くのは大トロが1かん300円なのだが、これすらも投げ込んでいるのを目撃。
「だって本鮪(クロマグロ)だから色の管理が難しいだろ。今日の客はラッキーだと思えばいいのさ」
 でもこのままでは先々無理が出そうだ。お好みで10かん握っても2000円どころか1500円もいかない店なのだから「おまかせ握り」から巻物を減らして、握りを増やすくらいいいのではないか? そして巻物は総て「お好みで」。

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おまかせ握り、初期のバージョン。今もそうだが1000円。これにカニかシジミのみそ汁つき

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豪海投げ込み丼、ぼうずコンニャクの好みでイクラ抜き。朝は500円、11時からは600円。お持ち帰りは600円。最近市場のお土産で投げ込み丼を持ち帰る人が多くなった。これにカニかシジミのみそ汁つき

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ねぎとろいか納豆丼。これは市場人が風邪ひきのときに作るもの。でも誰でも材料があれば作ってくれるよ。600円。これにカニかシジミのみそ汁つき

八王子の市場に関しては
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