2005年7月アーカイブ

寿司図鑑のこと

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 ぼうずコンニャクの毎日でいちばんのお仕事が寿司図鑑ですね。もちろん本業があり、なんともそちらがいちばん煩わしく時間を取られるのですが、それ以外という意味合いです。そこで別巻を儲けています。江戸前握りに地方での寿司や寿司屋自体、また寿司にまつわることをやっています。今回は千葉県ならではの太巻きずし。これが可愛らしく、そして面白いものです。買ったのは千葉県君津市小櫃の「味楽囲」です。
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千葉県外房のハモ

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 千葉県外房の各地ではまとまりませんがハモがとれます。定置網でとれているのですが、数がまとまらない。瀬戸内海や和歌山、山口などの本場と味の点ではいかがなもんでしょう? それで昨日和田漁港で勝手に拾ってきて活け〆にしてきたハモ(これスズハモではなく正真正銘のハモです)を落としにしてみました。卵を持っているのでメスですね。これがうまいんです。なんだか脂がのっている。骨切りは素人ですから上手ではない。それでも自家製の梅干しで作った梅肉しょうゆと見事に合わさっていい味ですね。たまりません。一円も使わずに大名気分なんてね?
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7月29日のこと

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ツチクジラの解体はちょうど3時に始まりました。クジラ場(解体する場所をこう呼ぶようです)にクジラはなく、港内にロープで留めているのをウインチで引き上げます。「今日のは大きいね」というツチクジラはくちばしのある腕白フリッパーのような頭で可愛らしい。この解体は3時に始まり、終了が5時半過ぎ。この時点でも脂身の切り分けや、水にさらした肉の水切りをしています。それを買うために地元のおばちゃんたちが並んでいます。

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クジラの解体を見てから和田港の定置網を見ました。

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マアジとマサバ、サワラなどが多く、思ったよりも珍しいものはありません。
そのなかで、邪魔者あつかいだれて蹴飛ばされていたのがカスザメ、トビエイ、ホシザメ、ハモ(捨ててしまうんです)、セミホウボウ。(写真はカスザメ)
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帰宅途中にツチクジラのベーコンと刺身用の肉を買いました。ここまで睡眠時間30分。あまりにも眠いので1時間だけ眠り、和田町を後にしました。
鴨川から山に入り、1時間足らずで懐かしい家並みの城下町、君津市久留里に到着します。ここは名水の里、あちらこちらに清水がわき出しています。そして造り酒屋が4軒。その2軒に寄り道。これが自分へのお土産。家族にはレトロな卵プリン。君津市久留里小櫃はおいしい卵の産地なんです。(写真は街のあちらこちらにある噴水井戸)
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久留里の次には小櫃。ここで毎回寄るのが小櫃農協の直売所。ところがこれが仕舞っている。仕方なく袖ヶ浦インターを目差しバイパスに入ると、不思議な建物があった。駐車場の脇でわき水をくんでいるので思わず入ったら、これが新しくなった小櫃農協でした。ここで安くておいしい野菜と巻きずし、そばなどを買い込みました、持ちきれないほど。
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帰宅は3時前。シャワーを浴びると立っていられないほどの疲れが押し寄せてきました。そこで2時間の昼寝。
夕食は小櫃農協で購入した巻きずしやそば、トウモロコシ、枝豆、おつけもの、ツチクジラのベーコン。ビールを飲んで、久留里の銘酒「天乃原」大吟醸の2合瓶。天乃原は平凡な酒。食後、何も出来ないでダウン。


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 昨日は帰宅が9時半過ぎ。大急ぎで支度しまして、千葉に向かったのが11時前。外房は遠くて、辿り着いたのが2時過ぎのこと。真っ暗闇の和田漁港の南端、そこに煌々と光がともり、もう少しで始まるのがツチクジラの解体です。コレに関しては明日、ご報告を!
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 ヌタウナギは正確には魚類ではない。アゴもヒレもなく動物学的にはタイやイワシの硬骨魚類、サメやエイなど軟骨魚類と分けられて『無顎口上綱』となる。この『無顎口上綱』にもメクラウナギ目とヤツメウナギ目がある。ヤツメウナギは意外に北日本では珍しいものではなく昔から滋養強壮の薬であったり、またやや高級な味わいとして珍重されてきた。それがメクラウナギ目は海産水産物としてそれなりに資源があるのに食文化のためかほとんど未利用であったのだ。
 実際、メクラウナギ目で国内で利用されているのを見たのは新潟県での「穴子」がクロメクラウナギであったのを実験したのみである。このクロメクラウナギは夏に産卵回遊してくるのを漁獲する。また太平洋側ではムラサキヌタウナギが見られ、これなど漁獲した魚を傷つけるものとして厄介者扱いを受けている。そしてまたヌタウナギも同様なのである。この厄介者たちが近年脚光を浴びている。
 それは我が国では利用されない、厄介者が韓国では高級食材なのだ。当然輸出されている。その輸出している漁業者に聞くと、「韓国ではとんとんと刻んで野菜と炒めるとか、煮込むとあするとうまいっていうね。今じゃ取るそばから韓国の業者が持っていくよ」。どうして韓国ではそれほど珍重されるのか、定かではない韓国での食べ方。まあなにはともあれ食べてみなければ始まらない。
 それで在日韓国人の方に調べてもらった。その食べ方が野菜と炒めて、薬念醤(ヤンニョンジャン)と酒、少しの醤油で味付けるというもの。「ヌタウナギのさばき方はわからないけど適当にトントンと切るのよ」という乱暴な話であるが、これに挑戦した。
 とにかく粘液質のヌタウナギをトントンと切る。切ってもまだ蠢いているのをゴマ油で炒める。そこに玉ねぎ、ピーマンなどを放り込み酒でゆるめた薬念醤を回しかけて、醤油で味を調えた。炒める内にもヌタウナギから粘液がでてまるで片栗粉でとじたようなものとなった。これを熱いウチに食べてみる。
 薬念醤の味わいなのだろうか、ヌタウナギにクセや臭いはなく、まるでモツを食べているような食感。噛むとジャリっとした食感があるのは脊索とそこから出る神経突起だろうか? これは少し気持ちが悪い。でも慣れれば平気だろう。それ以上に何度も噛んでいるととそこはかとない旨味が湧いてくるし、魚の肝のようなコクもある。これは夏にスタミナ食として食べるにはいいのではないか、と思った。
 日本各地の港でメクラウナギ目の魚はうち捨てられている。これ隠れた漁業資源、食材として活用すると面白いかも?

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市場魚貝類図鑑のヌタウナギのページへ!
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7月28日のこと

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晴れ、絵に描いたような夏の空が多摩川に広がっている。
 夏休みで家人などバタバタと慌ただし。それでもなんとか朝食を作る。
 朝食は鶏の唐揚げ、イサキの干物(これは薬師神かまぼこさんからいただいたもの、なんと一枚残っていたのだ)、焼きナス、具だくさんみそ汁、ご飯。
 8時過ぎに大急ぎで八王子魚市場。場内は思ったよりも活気がある。今日に限っては需要過多。そのなかに愛知産のトリガイがなんとキロ/450円(卸売価格)。1個50円を割る値段。いなだ(ブリの幼魚)、マアジ、スズキが目立つ。源七ではウナギで慌ただしい。今日は土用丑の日。
 八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』は朝らお客が殺到して疲労困憊。八王子綜合卸売センター、高野水産に辿り着くと八王子の「スーパーイシカワ」石川さんから「遅かったじゃないかよ」と言われて、指さされた前にきょごきょごと蠢くのはヌタウナギ。これはいただく。その上、八王子、高尾駅の料理屋牛若丸さんが確保した汐っ子を少し分けてもらう。
 帰宅途中、日野市浅川沿いの『旗野農園』で野菜。今年のゴーヤー(苦瓜)はうますぎる。
 帰宅は10時前。汐っ子(カンパチ)とヌタウナギを撮影。正午まで仕事。
 正午になって、ヌタウナギを野菜(タマネギ、ピーマン)炒めを作る。ここでの利かせどころは煮加減。またコチュジャンの使い方。やや硬くて、食感は悪いものの味わいはよし。
 お茶の水に出て、仕事は8時過ぎ。大急ぎで帰り、ネットで見て明日は千葉県外房に出かけることに決定。朝2時半からというツチクジラの解体に合わせて11時前に出かける。


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明日は和田町

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 突然、休みができて、かねてよりなんとか見てみたかったクジラの解体を見に千葉県外房の和田町に行って来ます。こんなに突然なのは、「出会い頭」という例えもあるようにネットで和田町の「外房捕鯨」というのを見たら明日2頭解体すると出ていて2時半から8時くらいまでの間であるというのです。いざ和田町へ。ツチクジラを見てきます。
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 ぼうずコンニャクはブログに苦しんでいる。リンクのこと、コメントという項目があるのを今、知ったこと。例えばトラックバックってなに? 今のところ記事を書くのがやっとなので、返事など書けなくてもお許しを? しかしいつになったらこのブログ使いこなせるのだろう。来年だったりして!


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 今日の市場には、やはり魚は少なかったな。そんなときに高野水産になぜか1匹だけヌタウナギが来ていた。とうぜんいただいてきました。ということで高野社長に「ありがとう」。
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社員は「いいよ持っていきな」と言っている。

また八王子魚市場には破格値キロ/450円のトリガイが!
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こんなに安くて漁師さん大丈夫だろうか?


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7月27日のこと

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晴れ、水蒸気が消えて景色がくっきりと広がっている。
 6時過ぎに起きる。なんだか気だるい。メール・掲示板のチェック、寿司図鑑作成。
 朝刊に目を通して訃報欄で岡八郎の逝去を知る。岡八郎(朗)はあまりにも懐かしい喜劇役者である。故郷にいたとき学校からもどると、ちょうど四国放送で吉本新喜劇を放映していた。ここで主役だったのが岡八郎であり、懐かしい役者。舞台上は食堂、そこは老人としっかりものの娘が切り盛りしている。お客はいつもひとり、そこにやくざが無理難題をふっかけてくる。そして首をフリフリ登場するのが岡八郎であった。
 朝食は卵焼き、ウインナー、メバチマグロの八の字、具だくさんみそ汁、ご飯。メバチマグロの八の字をぶつ切りにしてしょうが醤油でというのがうまい。
 食事中のニュースは相変わらず道路公団の副総裁内田道雄容疑者のこと、この顔を見るたびに不快な気分になる。この道路公団の人々、また国土交通省の役人、道路族の政治家と言った人々がいかに悪質で現代に暗い影を落としていることか。大体、今の世は不況である。その原因の多くはこやつら「悪ども」がやったことだ。例えば他のアジアの国に価格競争をして勝てなくしたのなど、この役人と企業とがめちゃくちゃに公共投資に無駄金をつぎ込み、そのつけを知らん顔して一般大衆に、また新しい企業の担い手に科しているからだ。高速道路の料金の半分はこれら犯罪者の泥棒好意のためと思うと、お父さんは「許さないぞ」と臍をかむ。
 昨日から取り組んでいるブログ開設に午前中のほとんどを費やす。そしてやっと開設できたのはいいが、どうにも使い方がわからず、「どうすればいいんだ、このやろう」である。
 昼食を朝から煮込んでいた牛丼で済ませて、外出。見事な青い空にくっきり浮かぶ、白い雲。どこからかニーニーゼミの声が聞こえてくる。これが中央線でお茶の水駅を降りると、ミンミンゼミの声。そして男坂を下って明大付属中の前まで来るとコシアキトンボの見事な腰開きの黄が横切っていく。仕事は7時半まで。
 昼よりも日が落ちてからの方が蒸し暑く感じるのはどうしてだろう?
 ぎゅうぎゅう詰めの中央特速、立川駅で降りて夕食はホームの立ち食いそばで、冷やしかけそば。この立川の立ち食いそば、関東でも味はピカイチ。そしてこの夏の冷やしかけがなんともうまい。そばを冷たいつゆとともにすする。ネギ、つゆ、そばが口の中で素晴らしい味わいを作り出している。特にこのつゆは絶品だし、そこにネギの香り。
 豊田駅に着いたのは9時過ぎ。「開花」で冷や酒、燗酒(なぜか突然飲みたくなった)、アスパラウインナーのバター焼き、ほっけの開き半身、竹輪の磯べ揚げは突き出し。これで2300円。
 帰宅は10時前。メール・掲示板のチェック、ブログを見て11時半にダウン。


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7月26日のこと

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雨。台風7号が北上していて、朝方から強い雨が降る。
 朝やや寝坊して起きたのは7時前。家族はクラブその他のイベントがあったためか起きてこない。メール・掲示板のチェック、寿司図鑑を作成。8時前に市場に向かう。
 八王子魚市場、場内は寂しい限り、アジサバはあるもののサンマも今日は高い。そこにポツンとハマフエフキが1匹。見ていると、ダイちゃんが、「これ高いっすよ」。いくらだと聞くとキロ/1600円ということで2キロ近くあるので3000円を超える。源七ではウナギの串打ちで大忙し。八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合ともに荷が少なくめぼしい物がない。朝食は光陽でラーメン。マグロの礒辺の前に来たら冷凍のメバチの頭がころんと一個。「八の字くれない」と若旦那に聞くと、親切にもはぎとってきくれる。
『市場寿司 たか』でホソトビウオ卵巣の醤油漬け、メバチ八の字の握りを撮影。たかさん曰く、「八の字でもメバチはうまかね〜よ」というが、舌に脂の甘さが感じられていい味だった。
 帰宅後、正午まで雑誌の仕事。これを送って外に出たら土砂降りの雨。やはり風も強い。思い湿度の中をバス停に。こんなときには冷えすぎの中央線が心地よい。
 仕事は翌午前1時過ぎまで、帰宅は2時前。メール・掲示板のチェックをするが返事を書く気力がない。
●杉浦日向子が逝去


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 ぼうずコンニャクです。まったく訳のわからない名前で「どうもすみません(林家三平風に)」ということでブログデビューです。さてせっかく始まったブログですから、「市場魚貝類図鑑」の生い立ちから私ぼうずコンニャクが初めて魚に興味をもったのは今から45年も前のこと。徳島県は美馬郡貞光町(現つるぎ町)の小川である貞光川で「じんぞく」と呼ばれていたのがカワヨシノボリ。こいつが初めて自分で捕まえた魚なんです。これからあれこれ、25年ほどして、なんだか生き物、それも人と関わる生き物にあまりにも惹かれる自分を発見して「市場魚貝類図鑑」の情報を集め始めたのです。ここで気づいたのが、マダイやキチジ(きんき)などうまいし、華やかなスター級の生き物よりも、港で無惨にも捨てられている目立たないヤツラ(生き物)が好きであると言うこと。それをとにかく見つけては見つけては食べ始めたのが20歳代終わり頃からですから今から20年以上前になります。また自然のこと、歴史のこと、いろいろ勉強していると、どうも自然を保護する、また平和を維持するというのは、こんな「見捨てられている物を、ひとつひとつ檜舞台にのせる」こと、無視しないということが大切だということです。ここでこの総てを語るのは無理なのですが、これから少しずつお話しますが、食べないと生きていけないというのが生物の定めです。そこでもっとも自然を壊さないで「食べるか」ということを考えると、出来るだけ「多様に食べる」ということに至ると考えています。日記風に次回から語っていきます。

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