管理人: 2013年2月アーカイブ

祝日、建国記念日の午前6時半に自宅を出る。

雲一つない晴天で非常に寒い。

京王線、都営新宿線、浅草線と乗り継ぐ間、

東武鉄道に乗り換えるには浅草なのか、押上なのか迷う。

実は東武鉄道のことはまったく知らない。

日光に行くなら、東武鉄道かなと思ってきたのだが、

特急は1時間に一本しかなく、

快速のことも、急行があるのか、

などもぜんぜんわかっていないのだ。

決断がつかないまま浅草着8時。


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駅員さんに聞き、8時10分の快速に乗る。

あれこれ迷った末に左側の座席に着き、

改札の孔があいた分厚い切符を取り出して

しみじみ見てしまう。

 

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考えてみたら東武鉄道に乗るのは2度目ではないか?

前回は群馬県の伊勢崎市まで行ったはずで、大学時代のことだ。

快速電車は非常に空いていて、

泉麻人(だったと思うが)が書いていたごとく

"ゆっくりゆっくり隅田川を渡っていく"車窓からの景色を楽しむ。

左車窓から見るスカイツリーがやけに印象的。


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新幹線でもそうだが東上するときの、

徐々に平野が開けていく景色がいい。


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いくつか大きな河川を過る。

畑で枯れ草を焼いている。

板倉町近くになると、水郷らしく水のある光景が増える。

ヘラブナ釣りの人少なからず。


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車両の前の方から賑やかな声が上がる。

どうやら酒が入っているようで、

休日で日光を目指す電車で行楽気分なのだなと思う。

下今市の手前で茶畑を見た。

日本海側での茶の北限は新潟県だったはず、

南方の香木の山岳地帯の北限てどこなんだろう。

10時過ぎに下今市着。


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ホームに降りると駅弁売りの老人がいる。

駅弁売りがいる駅は今ではほとんどいないのではないだろうか。

帰り、東武鉄道なら買おう、と思いながら改札口に向かう。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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超簡単醤油ガツオ

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このところ千葉県勝浦からカツオが入荷してきている。

まだどう考えても冬なのに早すぎである。

とはいうものの、脂ののり具合が知りたくて、

思い切って八王子総合卸売センター1本購入。

『市場寿司 たか』に持ち込んで食べてみる。

今年のカツオは初手からいいようで、なかなかうまい。

でも丸1本なので『市場寿司』に半身置いても余ってしまう。


しかも仕事が立て込んでいるので、余った分を

できるだけ簡単に有効に使いたい。

ということで生醤油につけ込む。

そのまま一晩。

翌朝、適当に切り、レンチンした冷凍残りご飯にのせて、

熱湯をかけて慌ただしく腹の虫をなだめる。


不思議なもので、料理は簡単なほどうまい。

その典型的なものがこれなのだ!

醤油だけでもいいし、甘めが好きなら

みりんをいれても「いいよ!」。

茶漬けならずとも、炊き込みご飯、

そのまま焼いても「いいのだ!」。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カツオへ


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はし家にことわり暫し駐車させていただき、

大門のアーケード街に向かう。


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はし家でおいしい和菓子の店と教えてもらった

「とらや本家」はすぐに見つかる。

目の前にボクの苦手なイチゴ大福。

帰宅後、この店がイチゴ大福発祥であることを知るが、

それでも買わないだろうな。

 

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栗蒸しようかん、最中などを買い、

その場で「はなびらもち」を食べる。

これがなんともいい味なのである。

食べた後で、こんなにおいしいのなら、

もっと味わって食べればよかったと大いに反省した。

 

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時間がないので町歩きは小走りで。

次にご近所にあるはずの「平治煎餅」を探す。


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やや探して見つけたのは

比較的こぢんまりした看板建築の店。

店の前がなんだかこぎれいになって整備されている。

たぶん区画整理をやっているのだろう。

はっきりいって区画整理=地域抹殺行為なのである。

日本全国の区画整理をするヤカラは

金銭面しか考えられないろくでなしである。

この愚か者達を早く行政面から削除しないと

地方の活力がどんどん消滅する。

せっかく藤堂高虎が作った街ではないか、

こわすことはないだろう。

 

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ここで煎餅各種を買う。

さて、「平治煎餅」の由来は昔、

貧しい漁師さんがいて、

病にふせる母親のために禁漁区でヤガラをとって、

す巻きにされて海に沈められてしまった。

この親孝行な平治さんにちなみ名付けたという。

店には大きなアカヤガラの剥製が置かれている。

日本広しといえどもアカヤガラの登場する話は

ほかにないのではないか?

 

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「はし家」にもどろうとして迷う。

どうやら「平治煎餅」の裏あたりは

藤堂高虎以来の道筋が残っているようだ。


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迷いながら見つけたのが天むすの店「千寿」。

確か天むすは津が発祥ではなかったかと思い1人前購入。

こぢんまりした店内には女性ばかり、4〜5人。

店の雰囲気はいいが、居心地悪しであった。

 

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帰途に立ち寄った、津唯一のデパート

「松菱百貨店」に大いに失望する。

食品売場に見るべき物がない。

「ぎゅーとらエディース津新町店」と

「イオン」で買い物をする。

「イオン」内にあった『浜よし水産』は小さい店だが

総菜、鮮魚など非常に優れていた。

 

 

高速に乗り、伊勢湾岸道路から東名、第二東名に入る。

やはり新しい道路は走りやすい。

夕食は高速道路のサービスエリアで

天むすを食べる。

おいしいけど小さくて5個一人前では物足りない。

二人前買えば良かった。


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さて、津市で有名なのが「うなぎ」。

日比野君曰く、「市内のうなぎ屋の多さは半端ではない」、

「津といえばうなぎ」であるともいう。

ネットで見つけた「津ぅのうなぎプロジェクト」を

じっくり見て迷った末に老舗の「はし家」に決めた。

正午前、ナビまかせで店のある大門町に向かう。

大門町は旧伊勢街道そばにあり津市の中心街にあたる。

ナビでたどり着くと意外に新しく、大きな店だ。

設計士の意図が読めないが、

なんとなく軽い(歴史を感じさせない)造りで安っぽい。

外観にはセンスのかけらも感じられない。

こんな造りの店が老舗だとは、

旅人には絶対にわからないだろう。


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店に入ると1階がテーブル席、

2階に座敷があるというので、階段を上がる。

座敷もテーブル席も6割方埋まっていて、活気がある。

座卓に座るやいなや、お茶がでて一息。

品書きの、もっともスタンダードな

「うなぎ丼」の中(1680円)をお願いする。

店員さんの対応はよく、親切。

こんなところに老舗ならではのよさを感じる。

 

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待つこと、ほんの10分足らずで「うなぎ丼」がやってきた。

磁器の丼にたっぷりのご飯、

焦げて黒い部分の多い大振りの蒲焼きが3きれのっている。

日本中で「うなぎの蒲焼き」を食べているが、

ここまで焼きの強いのは見ていない。

かねがね三重県の蒲焼きの

焼きの強いことは聞いていたが、

実見するに想像以上である。

 

お茶を注ぎに来た女性に聞くと、

蒸さない地焼きであり、

これ以上強く焼いた「よく焼き」というのもあるという。

当然、「よく焼き」をお土産にする。

 

見た目は濃厚な味わいを想像させるが

かけだれがあっさりしていて、思ったよりも淡泊な味。

しかも焦げ目がつくほど焼いてあるのに

中はジューシーである。

この味なら、ちょっと贅沢だが、

昼時に足が向かう地元人の気持ちもわかる。

 

座敷はまことに居心地がいい。

ただ自宅に深刻な問題を抱えているので、

のんびりしている暇がない。

焼き上がった「よく焼き」を持ち、店を後にする。

 

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帰宅後、撮影した「よく焼き」。

これは焦げ目というより

火事の焼けあとから拾ってきたような

そんな代物。

ただもんじゃない!

 

津ぅのうなぎプロジェクト


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ウナギへ


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9時半に津市県庁へ向かう。

10時半に県庁着。

三重県庁前に噴水があり、並んでいる噴水が

ぜんぜん可愛げのない小便小僧で、

コイらしき魚を抱えている。

庁舎の前にこのような不思議な、

オブジェを選んで置いているくらいだから

意味があるんだろうな。

けだし「三重県と鯉」、結びつかない。


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農林水産課の資源室に顔を出し、過去のお礼やら、

三重の食文化のことを聞く。

その後フードイノベーションという

不思議な名前の課を紹介していただく。

この課名、わかりにくいな。

ただわかりにくいだけにいろんなことが出来そう。

三重県は食文化の保存や調査などに積極的であるよう。

ボクは地域活性には食文化の閉鎖化が大切だと思っている。

 

例えば伊勢地方では単に「うどん」というと

いわゆる「伊勢うどん」のことで、

我々他県人の「うどん」を「つゆうどん」というのだそうだ。

すなわち「伊勢うどん」は外部からの言語なのだ。

伊勢地方のうどん店で「つゆうどん」を出すと

罰金を科すなんていいんじゃないかな。

 

さて、資源室の勝田さんを始め、

三重県庁の方の食文化の造型の深さに少々感動。

考えてみると三重県にとって食文化は地域力の源なのだ。

こんな点を考えてみるとなんとなく島根県に似ている。

地域力の強い県は、地域力のなんたるかを

考えなければならないのだよね。

加えるに三重のフードイノベーションに

一般人が参加できるとありがたいな

 

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ついでにサイトを見ると下にやたらバナーが貼ってある。

これは無意味だろう。

サイトは増えれば増えるほど弱くなる。

他県人にはなにがなんだかわからない。

あえて書くと他県人、同県人を困らせるために複雑にしている。

意地が悪いともとれる。

組織(このようなものは一般人に迷惑で無意味なものだ)

などはともかく、行政が作る食のサイトは統一したものにする。

サイトごとのあり方がわかるようにする。

早く、この複雑なサイト、ブログを統一感のあるものにして

わかりやすくできたら、三重県は日本初となると思うな。

だれでも知っていることだと思うが、

ネット上のコンテンツを整理するというのは

1千億円以上の価値があることなのだ。

 

みえフードイノベーション


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5時半に目覚ましが鳴る。

少々文字を打つ。

6時過ぎに松阪市小津にある三重地方卸売市場に向かう。

海方向に走っているはずだが

ナビで向かうと東西南北がわからない。


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市場は非常に無個性なもので、フラットな建物。

守衛さんに駐車場所を聞いて、水産棟に入る。

仲卸は少なく、外から見る感じとは違ってこじんまりしている。

 

寒い時期なのに思った以上に地物がある。

ガザミは抱卵していそうだ。

大アサリ(ウチムラサキ)があるのも三重県らしい。

残念なことに和具で見たヒオウギガイのむき身、

真珠貝(イタヤガイ)の貝柱はない。


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昨日松阪市内で食べた「しび」の正体が

ビンナガマグロであること、

ここにも「助六(ずし)」という言語が侵入していること

(もしくは古くからあったのか)など

いろいろ見るべきもの、考えるべきことが多い。


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ちなみに個人的には地域は言語的に鎖国体制をとるべきだと思う。

三重県でも昔から「助六」と言っていたのだろうか?

 

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日本海のサンマがある、サンマのカンピンタンがある。

サンマのみりん干しも珍しい。

焼津産の「塩さば」がある。

明らかにこれは「棒ずし」用だろう。

松阪から津、鈴鹿にかけては

「正月さんの唄」にもあるように

サンマをよく食べる地域なのだ。

キンキ(キチジ)と青森県産アンコウ(キアンコウ)、

甘エビ(ホッコクアカエビ)が並んでいる。

キンキの仕立てを見ると三陸産だろうか?

 

午前7時過ぎに関連棟に行く。

残念ながら松阪地方卸売市場には食堂はなく、

喫茶店が1軒だけ。

喫茶店の前のウナギの店を見て店内に入る。

 

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この店内が不思議な空間で、懐かしい気がする。

座布団の布や、ゲーム機のテーブル、

テーブルの上のコーミソース(愛知県の地ソース)、

不思議な教訓が書かれた張り紙。

切り盛りする女性も、

どことなく(1960年代の)ハイカラで、

物語が出来そうな、そんなたたずまい。

 

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「進化論に『古い形態は中心地から遠い場所に残っている』

とあるように、時代は移り変わっても、

ここには確実に昭和が残っている」。

不思議な気分になる。

いろいろ迷った末にオムライスとコーヒー。

このオムライスが素人めいていい感じ。


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お腹一杯になって、ウナギ屋でいろいろ話を聞く。

「伊勢市は背開き、松阪市は背開き・

腹開き半々、津は腹開きが多い」など非常におもしろい。

名古屋と同じ先がない短い包丁で

下ろしているのを撮影させていただく。

ウナギは関東よりも大振りである。

愛知県一色産ウナギの白焼きと蒲焼きを買う。

 

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水産棟に戻りマアナゴのメソ開き一箱と

鳥取の焼きサバが気になり購入。

津市『カネ政商店』の「はんぺい」、「天ぷら」も

言語的に買わないわけにはいかない。

「はんぺん」、「薩摩揚げ」は

あくまで関東の地域的言語でしかない。

最近、こんなたかが地域的な言語が、

別の地方の言語を脅かしているのが不愉快でならない。

「津市が『はんぺい』、『天ぷら』という

言語を使っていたなら

永遠にこれを使うべきだ」。

 

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↑買い物の一部


「助六」の稲荷ずしが

「正方形油揚げ半分すし飯露出タイプ」

のようだったので買いたかったが、

売れてしまっていた残念だ。

となりに置かれてあった

岐阜県羽島郡笠松町『ひさ富』という

会社が作った「えび玉にぎり」、名前の妙から買う。

天むすを買おうか悩んでやめ、

三重県ならではの「さわもち」、「花びら型牛皮」などを買う。


三重地方卸売市場


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鳥羽から伊勢市二見に入った右手に海が見えてきた。

入り江に沿った緩やかなカーブの手前で

アオサ(ヒトエグサ)の養殖場を発見。

今回のテーマのひとつがこれなので、

海に出られるところを見つけて海岸に出る。

穏やかな湾に支柱が並び、網が沖に向かって伸びる。

鳥羽から伊勢湾にかけて

ヒトエグサ(三重県ではヒトエグサを「アオサ」というらしい)

の養殖が盛んだとは聞いていたが、

陸から、これほど間近に見られるとは驚き。

 

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長靴を履いて砂浜に降りる。

細かい砂で、長靴はほとんど沈まない。

石積みの波止などを見ても、

ムラサキインコ、ヨメガカサにタマキビがつくくらいで

あまり生きものがいない。

砂浜でムラサキガイの貝殻を拾う。


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養殖家の方がいて、「一番つみが終わって、

これから二番つみ」だとのこと。

海苔ソダの壊れた竹を交換しているが、

ほとんど音を感じない静謐な情景である。

こんなところでのんびりした時を持ちたいな、

などと思うが、無理だな、なんて

「日暮れて道遠し」の愚かなオヤジは考える。

 

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食料品のなかに青海苔というものがある。

言語としての「アオノリ」と、

一般概念としての「青海苔」を整理するのが、

今年の目標でもある。

ちなみに単に「アオノリ」という生物はいない。

一般的な「青海苔」とされるのは

【ヒトエグサ、アナアオサ、スジアオノリ】の

3種の生物の加工品、生鮮品のこと。

基本的に3種すべてが養殖されていて、

日本各地で採取もされている。

採取されているアオノリにはボウアオノリや

ヒラアオノリなども含まれそうだが、

これはローカルなものなので割愛する。

この食料品としての「青海苔」ひとつとっても

生物(種)までたどるのは非常に難しいのだ。

 

余談だが、ヒトエグサにはヒロハノヒトエグサという

近縁種がいるとされているのだが、

これはシノニムであるよう。

実を言うと海藻の分類は非常に難しく、

最近頼りにしている

鈴木雅大さん(この人偉大である)が作る

目録を見ているだけで頭がくらくらしてしまう。

目や綱、その上の門のクラスから整理する必要ある。

ちなみにこの浜で養殖されているのはヒトエグサだ。

 

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砂浜にもどったのが4時半。

振り向くと日は陰り、群青色の空の下、

養殖のソダに潮がひたひたと満ちてきている。

 

砂地を歩き回ったせいか、どっと疲れを感じる。

津に泊まるか、松阪にするか、悩んだ末に、

明日の予定を鑑みて、松阪の東横インに。

ホテル代はポイントを使って、今回は無料。

 

6時前から市内を歩く。これが松阪歩き二度目。

夕食は前回松阪の街歩きしたときに

「揚げずし(いなりずし)」を買ったすし屋を目指したが、

残念ながら定休日。

これから歩きに歩き、二軒飲み食い歩いたが総てハズレ。

ホテルに帰り着き、文字も打たずにダウン。


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今回の三重の旅での収穫は多い。

なかでも県の「フードイノベーション課」の方に教えてもらった

『三重県の食生活と食文化』(大川吉崇 調栄社)はまさに名著。

仕事の行き帰りの電車で水産物関連から読み始めて、

またところどころ読み返している。


さて、なかでもおもしろかったのは、紀伊長島などでとれた

マサバやサンマを大宇陀や吉野に運んだ「鯖街道」の話。

熊野灘でとれた魚は塩をして広大な山間地に運ばれていた。

これが吉野などで柿の葉ずしや十津川のサンマのなれずしとなったのだろう。


さて熊野灘の魚は紀伊長島からいったんは三重県宮川村に運ばれる。

ここが奈良県などの山間部に向かう中継地点だったのだ。

そしてこの村から先に送られたのが塩蔵もの乾物の類。

この村止まりだったのが「やき」と呼ばれていた蒸して焼いたサバ。

これで村では「味ご飯」、すなわち「サバの炊き込みご飯」を作った。


米を洗い、水加減して醤油で味つけ、

ここに大根の千切りをのせ、「やき」丸々1本をのせて炊く。

現代ではそんなにダイナミックな炊飯はできないので、

二枚に下ろした骨付きのマサバを蒸さないで焼き、

大根と炊き込んでみた。


これが端的にうまい。

醤油の香りにサバのうま味、大根の甘みと根菜類の風味がいい。

そのまま食べても湯漬けにしてもいい。


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サバの切り身と大根があればできそうなので、

何もないとき用にサバを素焼きして冷凍しておき

使ってみたら非常に便利かもしれない。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マサバへ


三重県フードイノベーション課



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