管理人: 2010年3月アーカイブ

醤蝦大根で深夜酒

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つくづく思うことは、都会で暮らすのって、......特に前向きに生きていくのは、疲れるな、という現実。
毎日、へとへとである。
充実している、生きているという実感がある。
でもやはり疲れ果てて、鬚をそる暇もないので、市場に行くたびに、八王子大和田のそば屋『まつ浅』に「本当にむさいね」なんて言われている。

さて深夜一時を過ぎて、軽く多摩自慢を一ぱい。
肴は醤蝦大根。
アキアミの塩辛に大根の千切り、三つ葉をそえて春らしくする。
そこに、ちょっと酸っぱいくらいに、ゆずを絞り込む。

塩っ辛くて、酒がすすむ。
メールの返信もしていない。
掲示板もブログにも返信拒否。
忙しくて、脳みそが沸き立っているので、明らかに回路は閉じている。
そのせいか、余計に深夜の酒がうまい。

醤蝦大根作り方
1 大根は横方向に薄切り、これを千切りにして、アキアミの塩辛を混ぜ合わせる。
2 ゆずをたっぷり絞り込んで、最後に三つ葉を混ぜあわせる。
すぐに肴としてもいいし、小一時間おいてもいい。

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スズキの煮なます

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山口県宇部市『魚かつ』さんにスズキを送っていただいた。
すばらしいとしかいいようのないもので、下ろしているとぐいぐいと魚が包丁をこばむような、いやいやするような。
ようするにまだ筋肉が生きているものだった。
土曜日の朝の競りで、夕方我が家に着く航空便で送られてくる。
宇部のスズキは素晴らしい。

洗い、刺身ともにずばぬけて美味。
名状しがたく、うまい、なんて言語が消え去ってしまう。
そしてもっとうまいものがあって、それが内臓であって、これを島根県東部中海、宍道湖周辺で作られている「煮なます」にする。

種子島で手作りされている、独特の大根けん突きが久しぶりに大活躍。
大根、ネギ、スズキの内臓で甘酸っぱく煮上げたなますの味わいに、なんと洗い、刺身以上に驚嘆す。
愕然とす、なのである。
山口県のスズキ、島根県の食の知恵に我ながら改めて頭をたれる。

而して、スズキのはらわたはうまい。
微かに苦みがあるのがなんとも言えず。
胃袋、腸のほどよく柔らかく、脂がふわふわのっており、それはまた地味豊かでいい。
飲んではいけない、日本酒をついつい飲んでしまうくらいにうまかった。
それでまた強烈しごくな肩こりに悩まされつつ。あまりのうまさにキーボードを打つ。

スズキの煮なますの作り方
1 内臓は食べたエサや、胆嚢、血液などを取り去り、熱湯をかけて臭みを取る。大根はけん突きでつく。


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鹿児島県種子島で作られている独特の大根けん突き。表面がざらざらしたけんが作れる

2 鍋に大根、酒、砂糖、はらわたを入れて、火をつける。
3 ほどよく味がなじんだら、しょうゆ、ネギを加えて火をとめてできあがり。


山口県宇部市『魚かつ』
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伊勢丹の地下食品売り場に久しぶりに行く。
びっくりした。
おしゃれになって、品薄になり、無機質になり、魅力がなくなった。
この配置やデザインを考えた人はバカだろう。
食べ物j自体がが嫌いに違いない。
だから売れ筋だけの希薄な品揃えしかできない売り場にしたわけだ。
魚などの水産物の売り場は大阪阪神デパートの1万分の1の魅力もない。
しかし今の設計者、デパートの経営陣はダメだな。
加うるに無気力、無機質、だな!
もっと食べ物の勉強しろよ! といいたい。
でもこんな品薄で、無機質で人肌のよさのないものが、最近の成功例なんだろう。
不愉快だ!
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3月になったらがくんと、本アンコウ(キアンコウ)の値段が下がった。
キロ600円などということもある。
しかもまだ、肝が大きい、身に張りもある。
そして輸入ものだろうけどアンキモが安い。
市場でばらして売られていたキアンコウの身の部分に、アンキモを別買い。
みそ仕立てのアンコウ汁を作る。

ようするにみそ味で煮込むだけだから、簡単なのでひとりっきりの昼ご飯のおかずにするわけだ。
昼飯をひとり食べるわびしさが、豪勢なアンコウ汁でちょっとすくわれる気がするから不思議だね。

ここで、実は肝心なものがあって、それが一かけのニンニクなのだ。
熱々の汁にニンニクのすり下ろしを、碗に入れる直前に溶き込む。
これでただでさえ濃厚で旨みが強くて、なぜか甘みもあり、アンキモにあふれかえった豪勢な汁が、より進化したものに変身する。
疲労困憊、頸椎症、目眩、目の出血に苦しむ、孤独で不幸な五十路の一日を、これでしのいでいけそうな気がする。

鮟鱇汁作り方
1 キアンコウはぶつ切りにする。身より皮だし、皮よりも肝。肝は別売のものを買ってくる。
2 湯引きする。肝は蒸しておいた方がいいが、面倒なので軽く塩ゆで。
3 鍋に水、酒、キアンコウ、昆布を入れて火をつける。わいてきたらとにかくアクをすくう。昆布を取り出す。
5 肝を加えて、みそを溶き、ほどよく煮あげる。
6 碗に移す直前にニンニクのすり下ろしを溶き込む。


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徹底的に、容赦なく毎日魚にまみれている。
少々疲れているので、目先を変えたい。
だいたい家族が魚貝類に悲鳴を上げている。
そんなときにはトマトだろう。
魚貝類にはイノシン酸、トマトには昆布と同じグルタミン酸が豊富だ。
合わせるだけでうまい汁物(変な表現だ)になる。
ちなみに子供たちはサフランがきらいなので、高すぎることもあって使わない。

作り方は簡単。
刺身にして残りをささっと調理して、その時間たるや20分ほど。
夕食なのにフランスパンを用意して、「これやっぱり魚料理なんじゃない」と不満そうな姫をなだめる。

だいたい、トマト煮込みは非常にうまい。
フランスパンに合う。
我慢しろ子供たちよ。

トマト煮込みの作り方
1 カサゴのアラに振り塩。少し置いて湯引き。冷水に取り、鱗や汚れを取る。
2 オリーブオイルにニンニクの香りをつけて、カサゴのアラをソテー。
3 取り出して、セロリ、タマネギのコンカッセを炒める。
4 ここにカサゴを戻して、トマトの水煮をつぶしながら放り込む。
5 ローリエを放り込んでことこと煮込む。火加減は弱火を維持する。塩、コショウで味つけ。10分ほど煮込んだら出来上がる。

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島根県浜田市に『いそまる本舗』のおもしろさは「見る目」があることだろう。
「見る目」とは物を見極める力と考えてもらいたい。
島根県浜田市は全国屈指の漁港で、周辺の水産物を使った食品や食べ方などの食文化がたくさんある。
この水産物のみならず石見地方の食文化を「見る目」で洗い直しているというのが『いそまる本舗』のよさなのだ。

そんな『いそまる本舗』から送ってきたのがマアジ、マアナゴ、ササガレイの冷凍レトルトパック。
中身は蒲焼きと焼き物である。
外見は平凡なもの。
スーパーなどで見ても食指が動くだろうか?

でもそこは『いそまる本舗』。
たぶんできうる限りの工夫が施されているのだろう。

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食べたらわかる、だろうと思っておかずにしたら、やはりただものではない。
確かに自宅で作ったものにはかなわない、けれども、非常に近い。
慌ただしい現代人にとって、自宅で焼き物を作るのは至難だろう。
特にヤナギムシガレイの味は最高。

育ち盛りをかかえる我が家だからこそ、こんなものがうれしい。
たっぷりいただいたはずなのに、あっという間に消えてしまった。

島根県浜田 市『いそまる本舗』




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3月10日の近況

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9日にひとつの稼業が終わり、自宅にこもってもうひとつの稼業に専念している。
伝統食材の見直しも始めており、目覚めている時間はすべて何事かをやっている状態にある。

そしてボクにとって大問題の頸椎症というもの。
気がついたのが2月11日だから、もう1ヶ月も苦しんでいることになる。
最初は風邪かと思った。
大阪にいた2月15日、明らかに発熱していて、なんと帰宅後、検温すると38度を超えている。
これがなかなか下がらない。
そして頭痛、指のしびれ。
激務の日々が始まり、熱はいつの間にか下がったものの、疲労がたまると目眩が起こる。

こんな毎日に福岡の大和水産さんからクエが来て、イヤゴハタを見つけて撮影。
膨大な伝統食品の撮影。
イヤゴハタとともに買い求めたフサカサゴを検索していて、気になったことがあり始めたのが、フサカサゴ属の保存データの整理のし直し。
通年行っているハードディスクの画像整理法の変更など、やたらにやることが多い。

そしてそして医者に駆け込んだのが3月5日。
レントゲンを撮って、
「頸椎症ですね。老化現象のひとつです」
医者に言われたのにショックを受け、
「直ることはありません」
リハビリに通えと言われてショックを受けた。
鎮痛剤をもらったら、これなくしていられなくなったのも不愉快でしかたない。
しかも知り合いの医者に相談したところ、「絶対に精密検査を受けろ」なんて言われる。
そんな時間あるわけがない。

五十路になり、年々歳々慌ただしくなる。
隙間がないのだ。
だいたい市場魚貝類図鑑はボクがみるところ十分の一もできあがっていない。
一度も完成をみていないというのにいらだちを感じる。
家庭が崩壊しているために、救いがどこにも見つけられない。
一秒一秒発見があり、新しい発想が閃く。
日々やる気が生まれて、ますます忙しく、わくわくするのに、私的には暗い。
五十路はやるせないなー。
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八王子総合卸売組合『やまぎし』にクラカケトラギスが並んでいた。
魚の少ない時期なのでうれしい。
三河湾産だという。
まな板を借りて下ろしていたら、ヨシさんが「背開きにした方がいいだろう」。
「天ぷらにするんだ」というと、さっさと下ろしてくれる。

持ち帰って、お昼ご飯にさっさと天ぷらに。
近所の農家で作っている芹をつけ合わせて、なんだかお昼なのに豪華だ。

クラカケトラギスの旨さは、間違いなく皮目にある。
表面が香ばしく、中がフワフワっとしている。
ベリー美味だね。
天つゆの代わりにマエカワテイストのだししょうゆを使ったら、これもかなりいいのである。
お昼なのにまんぞくまんぞくしてのであーります。

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