同じ物でも県や地域によって呼び名が変わる。
工業製品などでは避けたいことかもしれないが、
料理や文化、風習に関することなら「変われば変わるほどよい」のである。
これを統一しようなどとする行為は愚かとしかいいようがない。
地域の言語を捨てるのは愚かを通り越して馬鹿者である。
この地域性のある言葉が
「地域力(ボクが勝手に作った言葉なのだ)」を高めるのである。
おもしろい物で、生粋の東京人ではなく、
新興の東京人というか山の手人に、
このような愚かなこと、
すなわち言語の間違いを正そうとする人が多い。
例えばボクの故郷徳島県の山間部では
ご飯は「つぐ」なのだけど、
「よそおう」とすべきだとか、
「おにぎり」は「おむすび」だ、
「みそ汁」は「御味御汁(おみおつけ)」だ、なんてね。
はっきりいって地域言語は財産なのだから、大切にすべしなのだ。
もう取り返しがつかないのだけど、
我ながら多くの地域言語を捨ててしまっている。
まことに遺憾に思う。
さて、三重県水産課のカツタさんに教わったものに
「医者いらず」、「医者殺し」というのがある。
関東では「骨湯」というが、三重県に言語表現力で軍配を上げたい。
「骨湯」はあまりにもそっけない。
古くは上方落語「骨釣り」を
江戸の落語家が江戸の町で演じるときに
「野ざらし」に変えた。
ボクもそのでんで、「骨湯」はやめて
「医者殺し」にしたいくらいだ。
ということで近所のイトーヨーカドーに
立派なイサキが売られていたので、
煮魚用に処理して頂き、これが1尾590円なり。
帰宅後真半分に切り、煮付ける。
食べた後の残骸を独酌後の「医者殺し」にする。
ようするに残った骨や皮などに熱湯をそそぐだけ。
確かにこれを飲むと「医者はいらない」と思うな。
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