管理人: 2013年8月アーカイブ

築地場内加藤水産

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築地場内を何年も歩いていると、のぞいてみないと帰れない店というのができてくる。

例えば『大音』さんとか『かね十』さん、『尾辰』さんなど。

なかでも近年めきめき面白さを増してきているのが加藤水産である。

店頭をにぎわす活魚がめちゃくちゃにおもしろい。

そして安い。

気になる小物などを持っているのもいい感じである。

蛇足になるが店の方達が少々明るすぎるのが気になる。

しっかり仕事しろよ!


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おさかなの好きな人、おさかなが嫌いな人。

おさかなに詳しい人、まったく知らない人。

一度、築地を歩いてみませんか?

歩いて、日本で一番さかなの集まる場所で

おいしいものをたくさん見て、買ってみましょう。

 

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岡山県笠岡市

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7月12日金

姫路駅〜岡山駅までは新幹線。

山陽本線で笠岡へ。

 

まことに慌ただしい旅だな、と思うが、

一般人であるボクが水産物を調べる場合、すべて自費なのである。

当然、旅には目的を詰め込めるだけ詰め込むしかない、のである。

かの宮本常一も、渋沢敬三の援助は受けていたはずだが、

多大な犠牲のもとフィールドワークを遂行していたはず。

比べるにボクの方は、まだまだ歓楽的だな、なんて思う。


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笠岡駅に隣接するショッピングセンターでサンダルを買い、食品を見る。

野菜ではシロナがあるが、他にはあまり見るべき物がない。

加工品では境港からのニギスの干もの、

徳島からカツ(最近ではフィッシュカツ)が来ている。

鮮魚はさすが岡山県で独自性が高く、おもしろい。


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今回、意外に瀬戸内海の最奥部にイボダイが多いのを知る。

ギギ(ヒイラギ)、バリ(アイゴ)、ギザミ(キュウセン)、

ママカリ(サッパ)、メブト(テンジクダイ)、ベイカ、

真イカ(シリヤケイカ)、モンゴウイカ(カミナリイカ)は

岡山県産というか地元のものだろう。

赤シタ(イヌノシタとアカウシノシタらしい)切り身が

1パック500円前後もする。

和歌山県産のイサキは小振りが2尾で580円。

地元の「オオゾウエビ」というのはヨシエビかな、

とよく見るとモエビのようである。

旅の途中なのであきらめたが、後悔が残った。

後悔と言えば、せっかくスーパーに来ているというのに集中力が欠けていた。

散漫で、頭が働かなかった。

 

駅前のスーパーをじっくり見て、

午後4時をまわってホテルにチェックイン。

明日、定置網を見せてくれる鈴木修さんのお宅にうかがい打ち合わせ。

6時過ぎにやっとシャワーを浴びて、新しいティーシャツに着替える。

 

夕食は自転車でホテルそばを右往左往する。

最初、駅周辺で夕ご飯をと思ったが、

むしろホテル周辺の方に飲食店が多いと聞いたのである。

ちなみにボクは「食べ歩き」が好きな人間ではない。

例えばあらかじめ、旅先の飲食店のことを調べる、そんなことはしない。

初めての街で行き当たりばったり、これがいいのだ!

 

地図を見ると笠岡駅あたりは古くからの陸地、

ホテル周辺は干拓地で新しい市街なのではないかと思う。

干拓を悪いことだと決めつけることはできないが、

本当に必要な干拓と意味のない干拓があると思う。

笠岡市にも広大な干拓地があるが、意味があるものなのか、否か、

ここ数年でわかってくる気がする。

広大な干潟は重要だと思うけどね。

 

笠岡も御多分に漏れず大きな通りにはチェーン店が並ぶ。

ホテルで教えてもらったのが

『妃富美(ひとみ)』、『かとう』という小料理屋さん。

『妃富美』は名前を聞くと怪しい限りだが、店は至って普通。

のれんの間から店内を見ると、

スナックにあるような赤い椅子があって、なんとなくスルー。


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結局、名前も店の外観も普通の『かとう』にする。

この店、どこにでもありそうな店で、どうやらすしもあるようだ。

ネブトの唐揚げ、シャコ(土佐酢)、ベイカ酢みそ、げた煮。

生ビール2杯、冷酒1。

料理はいたって平凡、酒も平凡であるが、悪くはない、かな。

 

ホテルに帰り、そんなに強行軍でもなかったのに疲れを感じて

メモの整理もせずに9時にはベッドに入る。



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7月12日金 兵庫県姫路市家島群島坊勢島。

懇談の後、島を一巡。


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アコウ(キジハタ)の種苗生産所などを見せて頂く。

関西、瀬戸内海周辺でもっとも人気のある魚が

アコウ(漢字で「茂魚」・キジハタ)である。

小型のハタで関西では

「冬の河豚、夏の茂魚」などといって珍重されている。

白身で身がしっかりして、

薄作りにして涼やかで、しかも味わい深い。

坊勢島に来てアコウの刺身を食べるなんていいかも。

女鹿の直売所でも買えるだろう。

旅の途中でなければ、買って帰りたいものである。

 

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種苗生産所を出ると岸壁があり、

係留している船を下りてきた前組合長さんに会うなどいろいろ。

防波堤から大きなクロダイがゆったりと泳いでいるのが見える。

これを見て興奮しているボクに漁協の方の反応はなし。

どうやらここではチヌ(クロダイ)は人気薄らしい。

何気なく採取した言語

チャガラはアカジャコといい家島では佃煮にする。

マツバガイはベッタラ、イシダタミはオナゴダメ。

「赤ジャコの佃煮食べてみたい」。

なんとかなりませんか?

 

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島のゆいいつのすし店『乱菊』で昼食。

坊勢サバのしゃぶしゃぶ、天然クルマエビ、

アナゴ、坊勢サバ、ハモの棒ずしなどまことに豪華絢爛。

島のすし店、あなどれぬうまさである。

 

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ここであらためて坊勢漁協の方々にはいろいろごちそうさまでした。

まことに快適、魅力的な島時間でありました。


1320分に坊勢港からラピート桂で離島。

14時前に姫路港に着く。

姫路港から姫路市水産課の峰さんの車で駅まで。

途中、農産物直売所に立ち寄っていただき富士大しょうゆを購入する。

坊勢島の料理はこれなくして再現できない。

15時前、長々とつき合っていただいた山下さんと、姫路駅で分かれる。

山下さんにも感謝の致しようがない。

坊勢島などでの魚礁、伏砂など県水産課の取り組み、大変ですね。

「がんばってください」と伝えたい。

 

姫路駅〜岡山駅までは新幹線。

山陽本線で笠岡へ。


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7月12日金 兵庫県姫路市家島群島坊勢島。



朝方、6時半に起きる。

窓を開けると風が熱い。

ベランダから港や入り江、小島が見え、まことに美しい。

午後7時半近くまでメモの整理。

旅館の広間に下りると山下さんが眠そうな顔をしている。

考えてみると昨日ボクは、ただただ島のうまい食べ物、漁協の方達との話を楽しんでいただけだが、山下さんは島周辺にある魚礁のことや水産振興の話などで、島に着いて以来ずーっと仕事ずくめだったわけで、大いに申し訳なく思う。

 

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朝食はいたって普通の旅館風に

チャンチキ(ヒメオコゼ)のみそ汁、

ヒガレイの煮浸しのみが「島食」。

 

9時、坊勢漁協の竹中さんと姫路市水産課の峰さんが迎えに来てくれて漁協へ。

ここで坊勢島の漁のこと、坊勢島に伝わる料理のことをお聞きする。

ヒイカの塩辛は貴重品で、古くから作っているものだが、めったに手に入らないとのことなどから話し始めて、採取した情報は膨大。

ここで料理自慢だという小林ちづるさんが加わってくれ、話は日常的なことにも及ぶ。

 

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【坊勢島の食事】

茶がい(米は洗わず、番茶は布袋に入れて一緒に煮だす。緑豆を入れた「ぐろうがい」、あずきがい、いもがいなども)、漬け物、いりこ(だしようのカタクチイワシのゆで干し)・しょうゆ、唐辛子を混ぜたものも食べた。

麦飯(押し麦)、ごった煮(いろんな種類の魚を煮たもの)

ごった煮、マアジ干もの、煮つけ(頭を落としたメブト、三枚におろしたメバルを塩漬けにし、少量の醤油で煮る。醤油は小豆島の富士大)

【坊勢島の料理】

イシモチ(シログチ)は背開きにして塩をして焼く。

えびカレーはジャコエビ(トラエビ、アカエビ、サルエビの小型)のむきえびと少量の肉をタマネギ、ニンジン、ジャガイモなどといためて水をそそぎ、ハウスこくまろカレー(小林ちづるさんおすすめ)をとく。

家島ではジャコエビをゆでる。このゆでじるでカレーを造り、最後にゆでてむいたえびを加える。

サバ缶でもカレーを作る。

雑煮はヒガレイをあぶり身と皮をはぎ取る。はぎとった身と皮だけでだしを取り、雑煮を作る。具は短冊よりも細くきった大根、ニンジン、ごぼう、丸餅。

アカシタは皮を剥き、骨ごと薄くきり、刺身に。酢に漬け込む。

さばずしは、塩鯖を甘酢につけ、切り、俵型のすし飯にのせる。握りずし形なのは珍しい。

 

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漁協の手配で荒木福美さんが作ったドンビイカ(ミミイカ)の塩からをいただく。つけこみの浅いものと長いものの2瓶。

浅いものは無臭に近いが、熟成の進んだものは、ふたを開けると目がちかちかして、かなり臭う。


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こわごわと食べてみると、これがビックリするほどの銘品。

たぶん国内中探してもこれほど優れた味の塩辛は見つからない、それほどにうまい。

 

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茶がい(茶がゆ)のことをいろいろ聞いていたら、小林ちづるさんが「まだ残ってる」といって席を外され、数分で鍋をテーブルに。

緑豆入りの「ぐろうがい」で塩味がほとんど感じられないのに矢鱈にうまい。

食べ始めるとやめられない味である。

朝ご飯を食べたばかりだというのに、お代わり、お代わりで際限なく食べてしまいそう。

これはまことにデブにとっては危険な食べ物だ。

あらためて小林さんの料理力に感嘆、ごちそうさまでした。

 

懇談の後、島を一巡。



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家島諸島坊勢島へ

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1610分姫路港から高速船(ラピート桂)で坊勢島へ。

高速船は思った以上に小さかったが、ほとんど揺れや騒音を感じなかった。

ボクがどんかんなのもあるだろうが、坊勢島への航海は快適だった。


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熱暑で大量の水蒸気が瀬戸内海状に茫漠と浮かんで視界が悪い。

家島群島が見えて来て、石切り場の異様に驚かされる。

1640分過ぎに坊勢島着。

 

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漁協の竹中さんが迎えに来てくれて、長井漁港で水揚げを見る。

見事なワタリガニ、ショウサイフグ、

とれたばかりのメブト(テンジクダイ)はきれい。

イボダイは徳島と同じボウゼ。

坊勢島でボウゼとはなにかいわれがあるのだろうか。

 

午後17時に島内『みやこ旅館』。

体中が汗でべたべたするので大急ぎで風呂に。

今日も猛暑、熱暑の一日であった。

 

部屋に帰り、カメラの電池を交換していると、

坊勢漁協のかたが既に来ているというので1階の食堂へ。

坊勢漁協、桂さん、森さん、竹中さん、そして県の山下さんと夕食。

冷えたビールがうますぎる。

 

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ずらりと並ぶのは坊勢島の恵み。

坊勢さば(マサバの養殖もの)、サザエの刺身、

アコウ(キジハタ)の煮つけ、ゆでた小太エビ(サルエビ)、


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ゆでたヒイカ(ジンドウイカ)、サザエのつぼ焼き、天ゴチの唐揚げ、

シロジャコ(テンジクダイ)・メイタガレイ・天ゴチのごった煮、

ガンゾガレイ(タマガンゴウビラメ)の干ものの煮浸し、


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「がんぞがれいめし(タマガンゾウビラメの煮浸しを挟んだご飯)、

チャンチキ(ヒメオコゼ)のみそ汁、

ハモの湯引き、クロアワビの陶板焼き。

もっとあったかもしれない。

 

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メブトのたたき揚げがビールに合う。

チャンチキのみそ汁が酒の後に優しい味である。


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旅にしあれば、その土地のもの、その土地の料理が食べたい。

こう思うのはボクだけではないはず。

鹿児島に行ったとき、養殖カンパチが出てきたのにがっかりして涙し、

天草では養殖ダイに不愉快になった。

地方の方達はもっと考えて、

旅人に料理を出したらいいのではないだろうか?

日本中でいちばん養殖カンパチや養殖マダイを

食べているのは東京都民なのである。

こんな日常的なものを旅人に出すのはハレンチである。

 

閑話休題。

この『みやこ旅館』の料理、かなりいけます。

しかも部屋も清潔。

また来たくなる、そんな宿だ。

 

島の料理法などもいろいろ教えていただく。

ギン(ゴンズイ)は煮付けにしている。

妊娠した女性には乳の出がよくなるようにと、

丸のままのオコゼのみそ汁を飲ませる。

山下さん曰く、明石ではお食い初めにメイタガレイ、ホウボウを使う。

ヒガレイ(干したタマガンゾウビラメ)はあぶって、むしって、

椀に入れて、とろろ昆布も入れて熱湯を注いで汁にする。

エビジャコ(トラエビ、アカエビ、たぶん小型のサルエビなど)の

殻を剥いて肉の代わりにしてカレーを作る、エビジャコカレー。

 

ボクはかねがね、地方の活性化は"地方力"を

蓄えてこそ成功すると思っている。

"地方力"とは「その土地の個性」だし

「その土地らしさ」である。

兵庫県姫路市家島諸島坊勢島は

地域力に満ちたところなのである。



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兵庫県漁業協同組合連合会・澤井さんが迎えに来てくれて、

県の山下さんと姫路まで移動。

姫路市妻鹿漁港にある坊勢漁協直売所を見る。

ここは4年ぶりではないだろうか?


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坊勢島名産の「坊勢さば」が円形の水槽で泳いでいる。

活けのバリ(アイゴ)、オコゼ(オニオコゼ)、ワタリガニ(ガザミ)、

メバル、ガシラ(カサゴ)などを見ていると、今すぐに刺身で食べたくなる。

 

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直売所の魅力的なオネエサンが、ムラサキウニをむいている。

実は瀬戸内海ではバフンウニ、ムラサキウニがとれる。

が、どちらも今や幻の味なのである。

これなどここに来なくては食べられない味。

坊勢の水産物は実に魅力的で、食いしん坊のボクには

「見ているだけ」なのが耐えられないんだよなーー。

 

バリの水槽の前でいると直売所の方が、

は夏の大型魚は安く、10月から11月にとれる

小型が好まれているとのこと。

大型のバリは煮つけにするそうだが、うまいだろうな。

 

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この日採取した魚名。

シマイサキ=イサキ

このあたりではイサキがほとんどとれないため。

セトダイ=ビングシ

テンジクダイ=シロジャコ、(イシモチ、ネブト、メブト)

山下さん曰く、淡路島ではカマジャコ。

ガシラ(カサゴ)は冬から春にかけてまずく、秋に味がいい。

 

最近、坊勢の底引きでミヤコボラがとれているという。

オキニシ科ミヤコボラは細かい砂地を好む巻き貝。

底曳き網で揚がるエビ(特にアカエビ属)やミヤコボラから

瀬戸内海の海底の変化がわかる気がする今日この頃だけど、

気のせいだろうか。

 

兵庫県の水産加工場に移り、

澤井さんが兵庫県の加工品を数点見せてくれる。

蒸しただけのマガキが非常にうまい。

同煮つけ、同カルパッチョ、マダコの柔らか煮、げたの煮つけがうまい。

ならんだ総菜加工品はどれも味がいいのだが、

ひとつひとつを見る限りは弱い。


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これは1品目をたっぷりパッケージングしないで、

例えば『フジッコ』がやっているような少量パックにして、

兵庫県の海産物を多彩に楽しめるようにすると魅力的だと思う。

 

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今回の特に魅力を感じたのが

カキをまるごとすりつぶした「オイスターソース」。

実は中華調味料のオイスターソースとは、

似ても似つかないもので、蒸してペースト状にしたもの。

ネーミングに問題ありだが、これが実に、実に銘品である。

「蒸しただけのカキ」と同様に

あまり素材に手を加えていないのがいい。

フレンチのパテ、ディップ、またキッシュなどに

加えると威力を発揮しそうだし、

和の和え物、椀種のまんじゅう(お菓子ではない)のあんにも使えそう。

 

1610分姫路港から高速船(ラピート桂)で坊勢島へ。

家島群島が見えて来て、石切り場の異様に驚かされる。



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兵庫県姫路市家島群島坊勢島で教わった郷土料理を再現してみた。

坊勢島で「干がれ」というのはタマガンゾウビラメの素干しのこと。広島県尾道、岡山県ではデベラなどという。一般には木槌などでたたいて軟らかくし、あぶって食べるものだが、島では様々な料理に利用されている。

なかでも飯に漬け込んだ「干がれ」をご飯に挟み、またのせたのが「がんぞがれい飯」。古くは柳行李の弁当入れに入れ漁に出たという。

「干がれ」はあぶって香ばしく、濃厚なうま味がある。これに「富士大醤油」で作った甘辛いタレをしみこませて、ご飯に合わせたのだからまずいわけがない。

「干がれ」ででしか生み出せない味わいで、まことにこれなら一升飯もじさずといううまさ。しかも低カロリーではないかな、などと思う。


作り方

1 まずはタレを作る。みりん、酒、水を鍋に入れてアルコールを飛ばし、富士大醤油を加えて少し煮つめる。

2 干がれはあぶって食べやすい大きさにちぎる。

3 2をタレに漬け込む。

4 一昼夜漬け込んだら、柳行李にご飯を半分つめ、漬け込んだ干がれを乗せ、またご飯を盛り、一番上に干がれを乗せる。


坊勢漁業協同組合


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明石でいろいろ

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7月11

朝方6時過ぎに起きる。疲れがとれていい感じ。

午前7時半まで昨日のメモの整理。

朝食はホテルで。なかなかおいしい朝ご飯であった。

 

9時半に明石浦漁協の宮部さん、県の山下さんが迎えに来てくれる。

明石浦漁協にて10時より会議。

11時過ぎから漁協での競りを見る。

いつ見ても明石の競りは活気がある。

 

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明石浦漁協の方達、山下さんなどと

『明石漁師めし 新浜』でお昼ご飯。

明石ならではの「たこ飯」がうまい。


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7月10日水

明石の地魚を出す店の戸をくぐると、

山下正晶さんが出迎えてくれた。

ご主人に「すし図鑑」をさしあげて、旧交を温める。

一度しか来ていないのに、懐かしく感じるのはどうしてだろう。

ここで明石の方達と水産や食を話題にして酒を酌み交わす。

 

この店に来て、また思い知らされたことは、

魚貝類に主役はいない、という事実なのである。

明石と言えば「明石鯛」、「明石だこ」が有名。

このふたつは国内で揚がる魚貝類のなかでも別格である。

主役のなかの主役、看板を背負う、立役者だ。

ところが明石の本当のすごいところは、

この看板役者以上の役者が無数にいることなのである。

 

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例えば今回に限るとトラハゼ(クラカケトラギス)が、

あっさりたいたメイタガレイが、ゴマサバが、

小エビが、アカニシが、スズキが

"めちゃくちゃでござりまするがな"、と

叫びたくなるほど美味であった。

例えば、ボクが初めて明石に来たとして、知らない店に入り、

こんなゴマサバが出てきたらどう思うか?

「もう一度明石に来よう」と思わないわけがない。

明石のうまい魚貝類を数えると切りがない。

 

明石の旅の旅情をそそるものは明石の魚貝類だ。

(後日うまい野菜、酒があることを知る)

この魚貝類をもっと内外に喧伝すれば、

日本屈指の観光地にもなりそうである。

 


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