マグロ屋は深夜ともいえそうな早朝からマグロの解体に忙しい。それで普通に朝がきて一段落、一休みして、こんどは廃棄する頭部、また尾の部分から利用できそうなところを外していく。本当に大変な仕事なのである。
その頭部にあるのが「八の身」である。ちょうど魚の先端部分から背にかけて八の字を描くように頭蓋骨に埋まっている。たぶんこの筋肉が体からすると小さすぎる脳みそを保護しているのだろうね。暑さ寒さを断絶する目的でたっぷり脂がのっている。
この八の身に「大トロに匹敵する」という意見あり、「いやいや、やはり下手は下手」という意見ありだけど、ボクは好きなんだね、この部分。やや細かく切り、寿司飯の上に散らすと、まさに濃厚な旨さが光るし、これをマグロぶつにしても味わいが光る。なんてうまいんだろうね。八の身は光に満ち満ちている。
そんなことを思ってマグロ屋の前までくると、これを掘りとっている店長の頭まで「ピッカリ」光っている。さすがマグロ屋だ、偉い。この光に「きっとマグロの八の身もうまいだろうな」と思わせる何かがある。
八王子総合卸売センター『マルミ』にて。
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