干物図鑑・干もの日和の最近のブログ記事

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徳島県最南端にあるのが宍喰町。住所は徳島県海陽町にあたる。この徳島産南端の地を訪れて、それまで「うるめ干し」は高知、と思い込んでいたボクは大いにぐらついた。

宍喰で出合った「うるめ干し」を作っているのは同町内『大善商店』。小振りのものを進めてくれたので一箱買った。これをあぶってかじり、白飯をかき込んだ途端に、「うるめ干し」は徳島に限るのかも知れない、などと思うほどにいい味である。もちろん高知県産のものも底知れぬうまさを誇っているが、宍喰の「うるめ干し」はそこに上質という+点を感じる。


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これは若旦那と、現在の社長の意気込みがなせるわざなのだろう。干もの作りに対する強い意気込みを感じさせてくれる。

 

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さて、小振りな「うるめ干し」に干した風味はあるものの苦みが少なく、食べやすく、そしてウルメイワシの持つ味わいにも満ちている。

ボクの幼なじみ藤本勝紀が徳島県美馬市切久保で育てた「あきたこまち」がなかなかいい味である。そこに地味だけど実に豪奢な味の「うるめ干し」がある。「太るだろ、おい! 責任者出てこい」、てな感じがする。

 

大善商店 徳島県海部郡海陽町宍喰浦字正梶163

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伝統的な加工品に関しては、いじらないでそのまま昔ながらのものが好きだ。「くさや」も「ソフト」よりも「上乾」がいい。

築地場内『高須』でその「上乾」を見つけて思わず買ってしまった。いいねー、このカタカタが。

「くさや」と言えば織物業の華やかし頃の(1950年代前半)、織子(織物業にたずさわっていた女性)のおかずとしてよく食べられていたという話がある。

繊維業の歴史はしっかり調べられているが、そこでどのようなものが食べられていたのかなど記録がなされているのか、これも調べなくては。

同じ繊維業でも山梨県河口湖町では家内工業的でよくうどんを食べていたという。これが今では河口湖町の名物でもあるのだ。

 

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高知市横浜の永野昌枝さん・廣さんからニギスの丸干しが届いた。

干し加減、塩加減抜群。

卵を持っていて、美味しさ抜群なのである。

合わせる酒は、今回は土佐鶴にするかな、なんて「特別純米」をあける。

一緒に入っていた目光(アオメエソ)とともに頂いたら、

暮れの慌ただしさも忘れた。

永野さん、ありがとうございました。

今年もお世話になりました。

来年もよろしくお願いします。

 

土佐の廣丸

http://www.k5.dion.ne.jp/~tokusan/


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岩手県上閉伊郡大槌町は『たかのり海産』佐々木さんとのつながりで

震災後いち早く行かなければならない、と思っていたのが、

遅れに遅れ、やっとこの12月にそれがかなった。

遅ればせながら実見した、その震災の爪痕は深く、

そして生々しいもので大いに感じるところがあり、

たいして動いてもいないのにボクを疲労困憊させた。

 

そのへとへとに疲れた心と体を大いに癒やしてくれたのが

大槌の人たちと、海産物のうまさである。

『たかのり海産』の新巻鮭の丁寧な作り、

美味であることはなんども書いたが、

他にも美味な加工品を作り出している水産物加工の店がたくさんあった。

今回は大槌町の海産物加工の多士済々振りを紹介したい。


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『越田鮮魚店』ではいろいろ買い求めて、どれも美味であったが、

なかでもカタクチイワシの丸干しがとりわけ美味であった。

当地の名旅館『宝来館』の朝ご飯がおいしかったことは書いたが、

実はそのメインであったのがカタクチイワシの丸干し。

このカタクチイワシの丸干しを作ったのが越田鮮魚店なのである。

 

絶妙なる塩加減、カタクチイワシのうま味、

そして表現しようのない「?」というか、プラスアルファー。

この「?」は新巻鮭を漬け込むときの「しょっつる」なのかも知れない。

尾を引くうまさというのだろうか、帰宅後のご飯の友として大活躍。

また取り寄せでも致そうかと考えている。

 

ちなみに越田鮮魚店で買い求めた海産加工品は総て美味であった。

 

越田鮮魚店 岩手県上閉伊郡大槌町大槌15地割46-36


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戦後混乱期を脱しつつあった横浜の光景を

『横浜ノスタルジア 昭和30年頃の街角』(広瀬始親 横浜開港資料館)

で見ていると諸橋商店街の食料品店に新巻鮭が縄で吊してある。

今、新巻鮭というと塩漬けにしたものがほとんどだが、

本来は塩漬けにし、干して作るものだったのだ。

個人的には、この「干した新巻鮭」が大好きなのだが、

これを岩手県大槌町の佐々木さんにいただいた。

箱を開けると、もっとも甚大な被害を受けたはずの地で、

これほどのものが本当に作られたのだろうか?

疑問に思うほどに大きな「干した新巻鮭」が出てきたのだ。


腹の部分には血走りが出ている。

「血走り」は新鮮な魚で作った干ものにしか出ない。

あまりにもうまそうなので、薄切りにして、軽くあぶって食べてみると、

塩加減といい、干し加減といい、最上級。

干したサケというと新潟が有名であるが、

関東にとってなじみ深いサケの産地、

三陸でも毎年見事なものが作られている。

アイルランドのブッシュミルズにとても合う。


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被災地は確実に復興している。

こんな海産物に思って、むしろ怠惰な都会人のボクすら勇気づけられる。

早く、目先の仕事を片付けて来春には

三陸に向かいたいものだな、なんて思うのである。


佐々木さん、ありがとうございました。

一日も早い復興お祈りしています。


たかのり海産 岩手県上閉伊郡大槌町港町88


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島根県平田市小伊津のアマダイ(アカアマダイ)は有名である。
彼のアカアマダイの一大消費地、京都中央市場でも一目も二目も置かれている。
今回の干ものは「小伊津」の文字がいきなり飛び込んで来た。
そしてパッケージがスリムで都会暮らしに、ありがたい。
最近思うことだが、発泡トレイなど、ムダな容器はいらない。
後の処理を考えると不愉快極まりない。
このスリムさだけでも買ってしまうのだが、そこに「熟成」の文字がある。
たぶん、島根半島近海産のウルメイワシを、こだわりを持って加工したんだろう、というのが推察できる。

中には一連5匹が2連。
現代の家庭にはこれでも多すぎるが、まだ増しな方だ。
これくらいなら食べきれる可能性がある。
だがしかし、一人暮らしのボクには多い。
ついでにもっとも干ものを消費しそうな老夫婦なんかにも多いかも知れない。
小伊津海旬房さんには、今度半分のパックを作ってみていただきたい。
もしくは一連ずつ使えるもの。

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さて、軽くあぶって晩酌の友とする。
この干ものがまことにうまい。
塩分濃度がちょうどいい。
甘塩なのだが、味の奥行きがあるのである。
やや乾きが強いのも、家庭で焼きやすい。

ウルメイワシは干ものにすると最上の魚なんだけど、この小伊津海旬房さんは、そのごとく作っている。
なかなかやるな!

小伊津海旬房

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島根県平田市小伊津のアマダイ(アカアマダイ)は有名である。
彼のアカアマダイの一大消費地、京都中央市場でも一目も二目も置かれている。
今回の干ものは「小伊津」の文字がいきなり飛び込んで来た。
そしてパッケージがスリムで都会暮らしに、ありがたい。
最近思うことだが、発泡トレイなど、ムダな容器はいらない。
後の処理を考えると不愉快極まりない。
このスリムさだけでも買ってしまうのだが、そこに「熟成」の文字がある。
たぶん、島根半島近海産のウルメイワシを、こだわりを持って加工したんだろう、というのが推察できる。

中には一連5匹が2連。
現代の家庭にはこれでも多すぎるが、まだ増しな方だ。
これくらいなら食べきれる可能性がある。
だがしかし、一人暮らしのボクには多い。
ついでにもっとも干ものを消費しそうな老夫婦なんかにも多いかも知れない。
小伊津海旬房さんには、今度半分のパックを作ってみていただきたい。
もしくは一連ずつ使えるもの。

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さて、軽くあぶって晩酌の友とする。
この干ものがまことにうまい。
塩分濃度がちょうどいい。
甘塩なのだが、味の奥行きがあるのである。
やや乾きが強いのも、家庭で焼きやすい。

ウルメイワシは干ものにすると最上の魚なんだけど、この小伊津海旬房さんは、そのごとく作っている。
なかなかやるな!

小伊津海旬房

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我が家の近所にある三徳というスーパーが素晴らしい。
魚貝類が豊富に置いてあるし、仕入れ先の選定がいい。
今回のものは小田原早川、牧屋さんの小振りの小田原産のウスメバルを開きにしたもの。
小田原ではあまりウスメバルはとれない。
トゴットメバルが主なのだが、ときにまとまって小振りのウスメバルがとれる。
それを開き干しにしたようだ。
これがなんとも塩加減といい干し加減といい素晴らしい。

小振りである利点は骨の柔らかい点。
むしろ箸など持たないで手づかみで食べて美味。
やるなー、牧屋さん。
そして仕入れた三徳。

牧屋 神奈川県小田原市早川1丁目5−12

三徳


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築地場内『ヤマセ村清』にはいつ行っても発見がある。
そして今回は大発見。
神奈川県小田原市にある『牧屋』が作ったカゴカキダイの干物が店の前にあったのだ。
こんなものが欲しかったのだ。
カゴカキダイは水産の世界では単なる雑魚。
でも味はマダイをもしのぐ。

寒い時期が旬だからまずいはずはない。
買ってきて焼き始めたら、すぐに脂でジュウージュウーいいはじめた。
熱い内に食べたものだからたまらない。
うますぎるのである。

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味見のはずが思わず缶ビールをあける。
幸せな味わいである。
濃厚な味、旨みなのにクセがなく後味がいい。
もっと買ってくればよかったのだ。

牧屋 小田原市早川1-5-12

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魅惑のデベラ

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デベラを漢字にすると「手平」だ。
瀬戸内海いったいでタマガンゾウビラメの干物(上干)をさしている言葉で、面白いのは鮮魚の呼び名はいろいろ。
産地は瀬戸内海全体に広がるが、もっとも名高いのが広島県、そして尾道のものだ。

タマガンゾウビラメは瀬戸内海のあちこちで干物に加工されているが、実は雑魚のたぐいと思い込んでいる地域の方が多い。
このような小魚を加工する技術は非常に貴重なものなのである。
和歌山県では、そのものズバリで「干鰈(ヒガレ)」。
比較的浅い海域で底曳網でまとまってとれる。

これを素早く海風にあてて干す。
できるだけ速やかに、鮮度のいい状態で干し上げるから、いいものができるようである。
デビラには、いいものと粗悪なものの差が大きい。

今回のものは広島市のデパートで見つけたもの。
たぶん尾道で作られたものだろう、なんて反り返った姿から思い買い求めた。
実は、デベラには目がないのだ。

トントンと木槌でよくよくたたき、香ばしくあぶる。
熱い内に身を骨から引っぺがし、柑橘醤油などをつけつけ食べる。
二杯酢というのもいいし、ポン酢、三杯酢、出し醤油でもいい。
これがビールに合う、
川本三郎さんの『荷風と東京』を読んでいるところ。
ビール好きで有名でいらっしゃるのでお教えしたいくらいだ。

香ばしいなかに、微かに渋みがあって、あまりたくさんは食べられない。
この難点があるから日本酒にも合う。
本日もトントンとやろうではないか!

デベラの食べ方
1 まな板か、分厚い板などに乗せて木槌で執拗にたたく。

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2 香ばしくあぶる。あぶりながら、骨と身の離れ具合を見るといい。
生醤油、柑橘類と醤油、二杯酢、三杯酢などをつけながら食べる。

柿原商店
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