返信・ありがとう・独り言: 2007年9月アーカイブ

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 先週の土日は一人っきりだった。家族はてんでに外出して、静かな静かな休日となった。そんなお父さんの真の休日には、こんな酒の肴がいちばんという刺身を作った。これがいかにも平凡極まりないもの。なぜならば値の落ちてきたサンマと、今年は豊漁なのか毎日のように入荷してくる下りガツオ。ともにお買い得だし、旨味も脂も最高にのっているし。これをさりげなく一皿盛りにしてニンニクと海老名の海老さんにいただいた柚をそえる。
 しかし、これがたった40円のサンマなんだろうか? 脂ものっている上に、ジワリと旨味も舌の上に浮き上がってくる。それ以上に存在感大なのが安売りの下りガツオであって、これがまさかこんなに旨いものだとは、今月最大のうれしい誤算なのである。

 たった一人っきりのお父さんは「王禄」を立て続けに飲みながら、黒潮さんに感謝してついつい顔がほころんでいるらしい。なぜなら暗がりから飛んできたヒヨドリのピーがボクを見て首をひねっている。そして「飯をくれ」とピー、キーとなく。いつもは冷蔵庫に餌となる果物を探しに走っていく姫がいない。これはちょいと寂しいが、ひとり酒はうまいなー。


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 さて、最近よく見かけるのが島根県からのマアジの荷である。さて、その安値にも驚くのだが荷を見ただけではまったく島根だと思えないというのにも問題がある。

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これ島根県産というのが、ただすーっと通り過ぎる人に見えるだろうか? 紙に書いた文字は市場職員のもの

 市場のダイちゃんが
「ちゃんと“JFしまね”と書いてあるでしょう」
 と言うのだが、五十路のボクにはよくよく見ないとわからない。
 実を言うとこの荷の説明書きも伝票を見て書いているわけで、並べるときにもこの日の富山ものとは「箱を見て産地がわからないのが島根、横にわかりやすく書いているのが富山」ということで運んできているわけだ。最近、この白い発泡に浮き彫り文字で、というのが多いのである。でもこの「浮き彫り」というのが見えない。例えば築地の荷受けを通り抜けても、まったく気がつかないのである。もしもこの「浮き彫り」だけで発泡の値段が高いならまったく無駄ではないだろうか?

 見本にこれもあまり上手とは言えない同じに日に来ていた富山のマアジの荷と比べてみると歴然としている。この富山産のものもあまりにデザインがヘタクソすぎる。例えば書体にしても、箱と文字のバランスにしてももしもデザイナーとして見たら噴飯ものの、考えの足りないレイアウト。でもこの稚拙な箱の文字の方が「浮き彫り」よりも目立つのだから本当に箱代が無駄である。

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富山から来た荷。これもデザイナーとしてみると「ヘタクソ」と言いたい

 ついでに行っておくと最近、仲卸で「日本海産」と書かれた文字、但し書きがある。これは箱の横にこれも目立たない浮き彫りで「日本海」と書いてあるせいだ。日本海と言えば山口県から北海道まで広いのである。なぜこんな箱を使うのか、これもワケがわからない。もしも箱の値段が高いなら、モッタイナイと言っておきたい。

 さて、文句を言っていても始まらない。もしも島根の方が見ていたなら、この箱の重要性を強調したい。築地の荷受けでもそうだが、今では鮮魚のほとんど総てが相対取引なのである。とするといちばん肝心なのは荷受け職員がいかに売りやすい荷を作るかだろう。だから箱は重要なのだ。荷受けで目立つのは確かに真横である。ここに目立つ文字でコピーをつけるのがいちばん正しいと思う。
 例えば島根なら「アジは日本海 島根」だとか、「日本海 しまね」だとか。とにかく島根と日本海が大きく目立つようにデザインする。たぶんこれだけで荷受けの競り場では一頭抜きいんでた荷となるだろう。後はパッチとラベルだけど、これは5キロばんの箱につけるには予算の点で無理だろう。

 さて、改めて富山のマアジと島根のマアジを並べて見てみるかな?


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