管理人: 2010年9月アーカイブ

9月末の日記風

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忙しいといったら、ボク程度では笑われよう。
でももともと体力に自信があるわけでもなく、月末になると思考がおかしくなってくる。
そんな時期に限って、いろんな魚が来るのだから不思議だ。

今週振り返っても八王子総合卸売センター『高野水産』で大分県産スッポン、クロホシフエダイ、ミカヅキツバメウオ。

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クロホシフエダイの刺身がうまいのだ。

八王子総合卸売組合『やまぎし』でアイゴに小型のイサキ。
本日は同、『マルコウ』でイトフエフキ。
これは相模湾の定置にもお馴染みの魚。
『市場寿司 たか』で握りにして、なかなか美味であった。


さて、そろそろ外出なのだ。
昨夜零時前の大沢学園。
なんと草むらからカンタンらしき鳴き声。
あれは本当にカンタンなのだろうか?

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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じり貧なのに忙しい。
これぞ貧乏暇なしってことかも知れない。
休日がどんどん埋まっていく。
けだしせわしないね。
昔、顔相を見るという人がボクの顔は年を取るほど忙しくなるが、お金は貯まらないと言った。
まさに当たっているので恐い。

さて、慌ただしい日々の朝に食べたいのが汁物なのである。
最近、汁物は料理の頂点、いちばん上にあって、いちばん偉いと思い始めていて、「汁物の上に料理なし」なんて初対面の方にもついつい語ってしまう今日この頃なのだ。

ある朝のこと、冷蔵庫にはコショウダイの腹身があって、「そうだみそ汁に入れるべし」なんて考える。
野菜の在庫を調べると白菜、ネギ、そしてなぜか香菜(コリアンダー)。
この香菜にひっかかる。
ご近所のスーパーなどをのぞくと、なぜか、いつも、コイツがある。
意外に高いけど、意外に冷蔵庫で長持ちして、何気ない料理に活躍する。
ためについつい買ってしまう。

さて、今朝の汁ものの準主役は香菜に決まり。
準と来ると、もうひとつ欲しい。
それは辛みだろう。
最近睡眠がうまくとれず、朝はどうにもしゃきっとしない。
ごそごそ調味料入れをのぞくとラー油が何種類も出てくる。
蓋だけ開けて味見だけというのが多く、えいやとその一つを手に取ると香港辣油というものだった。

後は簡単、カツオ節の代わりに中華スープを使って、スープをシャカシャカとほんの数分で作る。
朝ご飯は素早くやらねばならぬ。
ご飯のおかずは義姉が作っている「おたふくしょいのみ」だけなのだから、野菜はたーっぷり。
そこにリンゴがひとつ。
そういえば、今年はリンゴの品種が秋が深まるごとに替わるのが楽しくて、ついつい替わるたびに買っている。
本日買い求めたのが、岩手産「さんさりんご」という品種。
なかなかいける味なのだ。

あっという間に出来上がったスープが、非常に充実したものとなっている。
白菜がほどよく甘く、まるでコントラバスのような役割をしている。
コショウダイがこれほど汁ものにしてうまいというのも大発見
基本的には優しくて味わい豊かなスープ。
うまいのだけど、これだけではいかにも平凡。
激辛、しかもほどよい旨みが感じられる香港辣油がいい味を出している。
流行り物にもうまいものあり、なのである。
そしてどう考えてもカメムシ君の香りの香菜。
ああ、こんな味わいの人生って大変だろうな、なんて思う。

材料(2人分)
ショウガ一切れ、にんにく半分、水400㏄、コショウダイ腹身、白菜たっぷり、ネギ1本、中華スープ適宜、香港辣油スプーン一杯、香菜適宜

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三杯酢材料
作り方
1 小鍋にサラダ油を入れ、ショウガ、にんにくを入れて香りを出す。
2 水とコショウダイを加えて沸騰してきたらアクをすくい取る。
3 中華スープと野菜を加えて柔らかくなるまで煮る。
4 器にスープを入れ、上から辣油、香菜をのせて出来上がり。

本家 阿波おんな

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「あめあめふれふれ」が来てるよ。
近所の居酒屋のオヤジがすれ違いざまに市場で声をかけてきた。
この場合、北原白秋作詞の童謡「あめふり」ではなく、阿久悠作詞「雨の慕情」のこと。
演歌に詳しくないとわかりません。
さて、来ているのはヤツシロガイなのは、わかる人はわかる。
ボクはまったく演歌を知らないので、最初は何が何だか意味がわからなかった。

歌って通り過ぎた居酒屋オヤジというのが、ちょっと変わりネタの好きな御仁。
ボクに相通じる部分を感じてか、琴線に触れるものを見つけると、このような「むわっとする接触」をしてくる。
八王子総合卸売センターにある『高野水産』の店頭に、やはりあったのがヤツシロガイ。
浅い箱にきれいに並べられて、これがなんとも美しい。
けれど、正箱(出荷した状態)のまま。
だれも手をつけた様子がない。

無言で2個ばかり袋に詰めると、元八王子の忠さん(鮨忠)が
「これなんて貝?」
なんども教えたでしょう、と思いながら。
「八代亜紀でヤツシロガイ」
こんな会話を交わしていたら、貝殻のきれいなことからどっと買い手がついた。
これを秤に乗せたら、高野水産の社長が「もってて、いいよ」だって。
うれしいね。
ありがとう!

ヤツシロガイを料るのは簡単至極。
貝殻に穴を開けて、どばっと出てきたワタを切り捨て、滑りをもみ、最後に塩でもう一回もむ。
後は「とんとん、とんだい(立川談志風に)、江戸っ子だってね」てなぐあい。
ネギ、みそ、酢でたたいて、これは紛うかたなき日本酒の友。
あまり個性的ではない、自己表現のへたな素材は、みそのようなアミノ酸豊かなものと合わせると化けます。
内田光子と出会ったジェフリー・テートのようなものですかね。
シコシコとしたなかに貝そのものの味わいもあって、どこかしら野性味がある。
酒が進みすぎて困ります。
お後がよろしいようで。

材料
ヤツシロガイ2個、みそ適宜、ネギ適宜、酢適宜

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作り方
1 ヤツシロガイは足を出して中の唾液腺などを取り、まずとにかくもむ。ほどよく滑りがとれたら最後に塩でもむ。小さく切る。
2 ヤツシロガイにネギ、みそを合わせて包丁でとんとんとたたく。

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3 味を見て、酢を加える。みそが足りなければみそを足す。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ヤツシロガイへ


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三陸はマコンブの産地だ。
ただしあまり大きくならず、だし用とするには厚みが足りない。
だし昆布にするマコンブは厚みがあり、大きくないとだめ。
当然普通に食べるにはやや硬いくらいだ。
そこからすると三陸産マコンブは柔らかい。
この欠点を生かしたのが早煮昆布であったり、刻み昆布であったり、すき昆布であったりする。

ボクがもっともお気に入りにしているのが、すき昆布。
マコンブをゆでて刻んで板状にして干している。
水に20分前後漬け込めば、あっという間に柔らかくなり、軽く炒めたり、煮物につかったり大活躍する。

さて、一昔前、昆布の消費量日本一は沖縄であったはず。
北海道でとれた昆布は中国に輸出されていた。
江戸時代の中国への中継地点であったのが沖縄で、この地の利から昆布を常食とするようになった。
当然、この昆布は乾物であって、中国名の「海帯」からしてナガコンブやマコンブを素干しにしただけのものだったのだろう。
これだともどして刻むという手間が必要となる。
そこへいくとすき昆布は非常に楽である。

すき昆布は1枚が40センチ×30センチ。
一枚もどすと500グラム見当になる。
だいたい沖縄の炒め煮である「いりちー」には100グラムと少々でいいので、4分の1にカットして水にひたす。
もどったらそのまま炒め煮、煮物の使えばいい。

これを赤い蒲鉾とこんにゃくと合わせて、甘辛く炒め煮するだけだからほんの数分で出来上がる。
ご飯にも酒の肴にもあう。
料理のレパートリーにぜひ加えるべき優れた一品だと思う。

考えてみると、沖縄のことをいろいろ調べているのは、実際に行こうと思っているからなのだ。
なのに日々先々の日程が埋まってしまう。
沖縄はどんどん遠くなっていく。

材料
すき昆布15センチ×20センチ、赤蒲鉾半分、こんにゃく4分の1、砂糖、しょうゆ、泡盛少々

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作り方
1 フライパンにサラダ油を入れてこんにゃく、昆布を炒め、後に蒲鉾を加える。
2 油が回ったら、砂糖、泡盛を加え、最後に醤油を加えて味を調える。
3 調味した水分がほとんどなくなったら出来上がり。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マコンブへ



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近所のスーパーで「目鯛の粕漬け」、「目鯛の西京みそ漬け」を買った。
原材料はシルバーなのである。
久しくこのようないかがわしい表示を見ていなかったので、ついつい購入してしまった。
埼玉県の酒・天覧山の酒粕を使ってあるなど味はなかなかいい。
けれどもシルバーはシルバーでしょうな。
東村山の業者であるが、目鯛と偽ってはいかんな。

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秋らしい料理が作りたい。
まだまだ暑い日があるかも知れないけれど、朝夕の涼しさに、暖かいものを作りたいのである。
さて、ご近所のイチロウさんに天然マイタケをいただいた。
ちょっと長けたものだが、香が非常に高い。
この香を生かせる料理。
となれば土瓶蒸ししかないではないか。

魚は小田原から来た入り合い(いろんな魚が混ざって入っている)に入っていたヘダイ。
そして血合い抜きの上等のカツオ節でとっただし。
土瓶蒸しは閉じ込める料理なので、だしも魚も上品なものがいい。

土瓶蒸しは、その名前のごとくほんの十数分蒸すのだけど、この時間がいい。
食卓に運んで、カボスを絞り込みながらゆったりくらう。
このゆったりした時間が、また味わいの内なのだ。
マイタケの香り、ヘダイの味わい。
秋になったのかも知れないな。

キノコ取り名人のイチロウさんに感謝いたします。

材料
だし360㏄、酒・みりん少々、塩、湯引きしたヘダイの身、マイタケ適宜、三つ葉

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作り方
1 だしに酒・みりんを合わせて、塩で味つけ。
2 どびんにヘダイ、マイタケを入れだしを加えて蒸し器に入れる。
3 約10分蒸し、加減を見て三つ葉を加える。
4 後は数分蒸して出来上がり。

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秋飛の入荷が続いている。
春まだ浅い時期にハマトビウオが屋久島などから入荷してくる。
そして春たけなわ、梅雨入りにはツクシトビウオ、ホソトビウオがやってくる。
暑い日々が続いているといっても、やはり秋はやってきていると感じるのが秋飛びの入荷なのだ。
秋飛は標準和名のトビウオ。

トビウオ、トビウオ、どこが違うんだと思われそうだ。
ちょっと見ただけではわからない。
羽根を見るとわかるのだけど、これも難易度は低くない。
むしろ季節季節でトビウオの種類が違うのだと考えればいいのだ。
そして秋飛を買って、さてどのように食うべきか。

ここでやや味わいに欠けるトビウオに一工夫。
塩だけでしめるのだ。
あれれ、これだけでぐっと味が深くなる。
柑橘類でもあるとぎゅっとしぼって、それだけで食べてもいい。
ボクの好みなんだけど、合わせる酒はスピリッツ。
ウォッカかな?
宮崎産「平兵衛酢」をトビウオにもウォッカにもギュギュっとしぼる。

材料(1人前)
トビウオ半身、塩、わさび、平兵衛酢、大葉
作り方
1 トビウオに振り塩。20分ほどおく。

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2 軽く水洗い、水分をよく切る。
3 適宜に切り、わさびを添える。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、トビウオへ



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秋飛の入荷が続いている。
春まだ浅い時期にハマトビウオが屋久島などから入荷してくる。
そして春たけなわ、梅雨入りにはツクシトビウオ、ホソトビウオがやってくる。
暑い日々が続いているといっても、やはり秋はやってきていると感じるのが秋飛の入荷なのだ。
秋飛は標準和名のトビウオ。

トビウオ、トビウオ、どこが違うんだと思われそうだ。
ちょっと見ただけではわからない。
羽根を見るとわかるのだけど、これも難易度は低くない。
むしろ季節季節でトビウオの種類が違うのだと考えればいいのだ。
そして秋飛を買って、さてどのように食うべきか。

ここでやや味わいに欠けるトビウオに一工夫。
塩だけでしめるのだ。
あれれ、これだけでぐっと味が深くなる。
柑橘類でもあるとぎゅっとしぼって、それだけで食べてもいい。
ボクの好みなんだけど、合わせる酒はスピリッツ。
ウォッカかな?
宮崎産「平兵衛酢」をトビウオにもウォッカにもギュギュっとしぼる。

材料(1人前)
トビウオ半身、塩、わさび、平兵衛酢、大葉
作り方
1 トビウオに振り塩。20分ほどおく。

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2 軽く水洗い、水分をよく切る。
3 適宜に切り、わさびを添える。

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我が家の近所にある三徳というスーパーが素晴らしい。
魚貝類が豊富に置いてあるし、仕入れ先の選定がいい。
今回のものは小田原早川、牧屋さんの小振りの小田原産のウスメバルを開きにしたもの。
小田原ではあまりウスメバルはとれない。
トゴットメバルが主なのだが、ときにまとまって小振りのウスメバルがとれる。
それを開き干しにしたようだ。
これがなんとも塩加減といい干し加減といい素晴らしい。

小振りである利点は骨の柔らかい点。
むしろ箸など持たないで手づかみで食べて美味。
やるなー、牧屋さん。
そして仕入れた三徳。

牧屋 神奈川県小田原市早川1丁目5−12

三徳


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今年は何本のハモを下ろしたことだろう。
流通するハモのほとんどは雌である。
下ろすたびに大量のハモの子がとれる。
煮つけにして非常にうまいハモの子だけど、じょじょに飽きてくる。
そんなことで作ることになる保存食がハモの子の塩辛だ。

ハモの子を集めて、水洗いして血液や薄い膜を取り除き、その10パーセント前後の塩を加える。
たったこれだけの単純極まりない行程なのだけど、実はこの「水洗い」するのがやたらに面倒なのである。
忙しい日々なので、時計とにらめっこしながら作るのだけど、それだけの価値あり。
絶品なのだよ、ハモの子の塩辛は。

塩辛は塩をして、毎日かき混ぜて1週間ほどで食べ頃になった。
もっと短時間で出来上がっていたのかも知れないのだけど、塩辛なのだから1週間くらい寝かせてみた、と言った方がいいかな。

ハモの子の塩辛はさらっとして淡泊な味わい。
でもほどよい塩味のなかに、甘みと旨みが浮かんでくる。
スピリッツにも出合いの物だし、吟醸酒にもいい。
熱燗にもいいのだから佳肴である。
冷凍保存してちびちびやっているが、瓶の中身の減り加減がまことに気に掛かる、まだまだ暑い秋口なのであった。

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ゆずすこ

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本当は食の達人かも知れぬtakさんにいただいたもの。
ゆずこしょうは香、辛みともに高く、強烈で味わい深い。
だが、ペースト状でどうにも使いづらいところがある。
これをお酢と合わせたのが、「ゆずすこ」であるようだ。
ほどよい塩辛さで刺身などに合う。
素麺や、酢の物にたらしてもいいようだ。
takさん、ありがとう!

ゆずすこ



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スルメイカは安値安定。
しかも冷凍されたものを刺身にしても、味がいい。
ので、冷凍庫などに常備したいもののひとつ。
これがあれば、いつでもそこそこのお刺身や、総菜が作れる。
それに加えていいのが、安いときに余分に買い求めて、当座の保存ができること。

さて、本日は活けイカが安い。
漁師さんが船上に釣り上げたスルメイカを氷水のなかで即死させて、まだ筋肉や運動神経は生きている状態で入荷したもの。
もっと高くてもいいな、と思いながらキロあたり800円で購入。
安いので2本。
1本は刺身にして、1本は墨を抜き、ワタごとペストジェノベーゼに漬け込む。

最近、このペストジェノベーゼ(ジェノベーゼソース)が非常に魚貝類に合うのだということを知って、あれこれ試しているところだ。
またペストジェノベーゼは多摩地区のスーパーで見る限り定番商品となっているようだ。
ひょっとすると、そのうちマヨネーズ化するに違いない、と思うのだけどね。

このようにわざわざ漬け込むことって少ない。
普通は刺身など作って余ると、魚でもイカタコでもなんでもペストジェノベーゼをまぶしてしまう。
まぶしたら1週間近く持つようだ。
軟体類のイカやタコは冷凍してもあまり味が変わらない。
ので冷凍庫なら1か月以上持つ。
ただ冷凍する、醤油に漬け込むなどに加えて、ペストジェノベーゼもお忘れなくといいたくなる。

さて、なにもないお昼などには、これがあれば後はスパゲッティをゆでるだけで豪華な一品が出来上がる。
キノコがあれば、スイートバジルがあるともっと本格的になる。
ワタの微かな渋みと、バジルの渋みがなんだか調和して香りも旨みも倍増しているようである。
我が家で食べるスパゲッティなのにカフェ気分といった感じかな。

材料

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墨袋、骨(フイルム状です)を取り去り、ワタごと適当に切る。
ペストジェノベーゼ適量
キノコ適量
玉ネギ少々
スイートバジル適宜
スパゲッティ120グラム
作り方
1 スルメイカはワタも身も適当に切る。ビニール袋などに入れ、ペストジェノベーゼを加えて和える。このときシブレット、万能ネギ、ディル、タイムなどを加えてもいい。今回は生タイム、ディル、万能ネギを加えている。

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2 スパゲッティをゆでる。
3 フライパンにたっぷりめの油(今回はグレープシードオイル)を入れ、玉ネギとキノコを色づくくらいゆでる。
4 ゆであがり時間が来たらペストジェノベーゼに漬け込んだイカをフライパンに加え、火をとめスパゲッティを加えて軽く混ぜる。
5 ほどよく混ざったら火をとめて皿に盛り、スイートバジルをちらす。
コショウなどはお好みで。ただしペストジェノベーゼは辛み、渋み香りがあるので控えめに。
スルメイカを入れたらすぐに火を止めて、熱を通し過ぎないこと。

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9月8日の日記風

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今週になって収穫が多い。
火曜日はマタナゴ、クロムツ。
本日はナンヨウキンメにヤマメ、そしてヤツシロガイ。
一日、5〜6品の料理を作り、納得できないものは作り直して、また作っている。
しかも仕事の重なっている時期なのだから、夏バテを意識する暇がない。
本日はやっとクロムツのページを改訂して、ほっと一息だが、またまだまだ紙の世界で続く入稿の嵐なのであった。

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本日の太田さんとの会話。
「太田さん、昔、(山梨県上野原町の山間部
)マアジなんてあったの」
「なかったな昔はセイダンボウばっかり食ってた」
さて、このセイダンボとはなんでしょうね?

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秋の気配を探すと思ったよりもたくさん見つかるのだ。
セミの声が虫の声に代わり、夕暮れ時が早くなった。
でも昼の気温は相変わらず35度前後なのだから、夏は続く、のである。
暑さ故に、お昼ご飯などについつい作るのが、「りゅうきゅう」とか「冷汁」とか「水なます」とか、そして「がわ」なのだ。
要するに冷たーーいみそ汁。
ボクはこれをかってにシャバシャバと言っている。
これを炊きたてのご飯にかけてシャバっと一気食いして、炎熱地獄に出る。
みその塩分と、香辛野菜のさわやかさが、まことに心地よく、味わいが夏バテ小僧を追い払ってくれる。

さて、今回のものは「がわ」である。
その昔、静岡県御前崎に通っていたことがある。
御前崎沖はマダイやハマダイ、イサキに根魚のハタ類などの宝庫。
その上、御前崎港は防波堤釣りのメッカでもある。
夏の防波堤でのこと、小アイゴを釣っていたら、お隣の老人が教えてくれたのが「がわ」なのである。
スカリで生きているアイゴをその辺の板の上で三枚に下ろし、とんとんとたたく。
小骨も腹骨もついたまま、とにかく細かくたたき、一貫目氷を砕いて浮かせた水にみそと一緒に放り込んでキュウリ、ネギを切り入れて出来上がり。
コッヘルにお握りをほぐし、「がわ」をかけて食ったら、それはそれはうまい! を通り越したうまさだった。

このように見知らぬ人との出会いがあるところが、防波堤釣りのいいところなのだ。
老人はこれを「がわ」といい、「本来はカツオとかメジ(マグロの幼魚)、ワカナゴ(ブリの幼魚)で作るのだ」と教えてくれた。
この「がわ」の由来など現在調べようとしているところだが、御前崎、相良などの周辺では民宿、食堂などでも食べられる。
元漁師さんのお宅でも食べさせていただいたが、我が家で作っているものとほとんど変わらない。
また「がわ」の詳しい説明などは先送りする。
ただ要するに漁師さんが船上で作っていた料理に違いない、ということを明記しておきたい。
地元の人だろうけど、みそと薬味をいつも持ってきているところが達人を思わせたのであった。

以後、永かった独身時代にはたびたび作ることになる。
意外に家族を持つと作らないもので、再び一人暮らしになって、また作るようになった。
作るのが簡単だというのもあり、またご飯粒が喉を通らないくらいの酷暑にはこのようなシャバシャバしかないということもある。

さて、今年はカツオが安くてうまい。
その半身を買い求め、四分の一を刺身、たたきで。
後の四分の一を「がわ」にする。
みょうが、青じそ、四葉きゅうり、ネギがなかったので玉ネギ(意外に漁師は玉ネギが好き)など、あるったけの香りのある野菜を用意すると、あっという間に出来る。
まことにこのシャバシャバはインスタントなのである。
コツはとにかくキンキンに冷やすことだけだ。
暑い日盛りの昼ご飯にもいいけれど、酒宴のあとにもまことに結構である。
夏バテ小僧よ飛んでいけ! てな勢いが出る。

材料(2人前)
カツオ4分の一を細かく切ってたたいたもの、四葉きゅうり1本、青じそ2枚、ミョウガ2個、玉ネギ八分の一(野菜は総て適当に)、下ろししょうが、白ごま、味のいいみそ適宜、水320㏄、氷

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作り方
1 器に氷と水を入れて、みそを溶かして濃いめのみそ汁を作る。氷が溶けて薄まるのでとにかくみそは多めに。

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2 ここにカツオをたたいたものを入れ、野菜を入れて出来上がり。最後に白ごまをちらす。

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このままみそ汁のように食べてもよし、ご飯にかけて食べてよし。

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最近どうしても検証したいことがあり、それはボクの父が昔やっていた「ちりめんにお湯をかけて食べる」という行為だ。
どんぶりにちりめんを入れてお湯をそそぐ。
ほんの1、2分待って、お湯を捨てて食べる。
「ちりめんに混ざった砂などを取るため」
父は言っていたが、そうなんだろうか?
この行為は徳島県の片田舎(徳島県美馬郡貞光町)だけのものか?
父だけがやっていたことなのか?

今回、高知県宿毛市の河原海産でキビナゴのちりめんを買った。
キビナゴを煮干しにすること自体は知っていたが、改めて画像を撮りたかったためでもある。
そして届いたのが、ちりめんでも「かえりサイズ」であった。
ちりめんは小さいものから「ちか」、「かちり」、「かえり」と大きくなるにしたがい名前を替える。(地域によって名称は変わると思う。一般には、しらすのやや大きくなったものを「かえり」)
小さいほど高く、大きくなると安くなる。
大きいと食べづらいせいで高くなると言ってもいい。

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今回のキビナゴ、味はよいものの少々硬い。
それで思い出して父と同じ方法で食べてみた。
これがほどよい硬さになって、しかも生臭みも抜けてうまいのだ。
他の地域でもちりめんにお湯をかけていたのだろうか?

河原海産

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9月4日の日記風

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本日はなぜか4時過ぎに目覚めてしまった。
そのまま月曜日からの画像を整理。
8時前に八王子の市場に。
takさん、ムスシャモさん、イチロウさん夫婦、西山先生に会い。
ムスシャモさんから庄助さんからのヒメセミエビをいただく。
模様などからキタンヒメセミエビだろうと思う。
庄助さん、ありがとうございます。
takさん、越乃寒梅と面白そうな調味料ありがとう!
イチロウさんが新潟の郷土料理クジラの味噌漬けを作ってきていて、試食。
なかなかよくできている。
さすが新潟県人。

市場では小型のウメイロ、小ヤリ、サザエ2個を購入。
帰途、OKストアにより、野菜と冷凍コガネガレイとアマエビのむきえびを買う。
店内を歩いていて思うことだけど、ウロウロしているオヤジの多さに辟易する。
このデクノボウ達の、立ち位置が悪すぎる。
たぶん暇で困っているのだろうけど、「お前ら来るなバカめ」と言いたい。
本当に迷惑だ!

帰宅後、洗い物、食器洗い、簡単な掃除をやっている内に眠くなり、ダウン。
ベッドに横になったときに聞いていたのが、永六輔の「土曜ワイド」で、起きたら久米宏の「ラジオなんです」が始まっていた。
ラジオからはここ数日酷暑が続くのだ、と言っている。

午後からはウミタナゴの同定、画像の整理、徳島県から届いた干ものの撮影。

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千葉県内房産のウミタナゴはアオタナゴと判明。とするとウミタナゴはいずこに?

そうだ今週買ったものは徳島県由岐町『濱宮海産』の干ものいろいろ。
高知県宿毛市「河原海産」の煮干しなど。
愛媛県伊予市の相原商店のアジ節、アジ節削り節。
画像の整理が終了し、今週作った料理が小さなものも含めて40品であることを確認。
魚の形態画像3に加工品も13品目撮影していて、なぜいちばんきつい月末月初めに、撮影が多くなるのか疑問に思う。

さて、17時を回り、これからもっと過酷な時間となるのだ。

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一人暮らしになって、困っているのが食事だ。
撮影にために来る日も来る日も魚料理を作っている。
一日平均5~6種類の魚貝類の料理を作っては食べ、また食べ、食べしているが、これは食事ではない。
食事とは糖質をとるためのものであって、魚ばっかり食べていると、余計に腹がへる。
それでちょこちょこっとご飯を作るのだけど、スルメイカ1パイと残りご飯があったら、どうしても雑炊となる。

伊豆半島のちょうど真ん中あたりにある網代は、天然の良港で個性的な船宿が競うように並んでいる。
なかに夜釣りのイカ釣りを得意とする船宿があって、何度か通ったことがある。
船宿の夜食に出たのがスルメイカの雑炊だったのだ。
冷え切った身体に暖かい雑炊のなんと美味であったことか。

沖から帰ると、待ち構えたように女将さんが台所に立つ。
スルメイカの墨だけを取り、あとは野性的にワタも内臓もそのままにトントンと刻む。
これを煮上がった雑炊に放り込んで、かき混ぜてかき混ぜて、最後に溶き卵を加えて出来上がる。
無造作に、しかも短時間に大鍋一杯作った雑炊だがすさまじくうまい。
スルメイカのワタの旨みが雑炊に味の通奏低音のようになっている。
膨らみのある味わいというか、丸みのある味わいというか。
豊潤豊かで、甘み、旨みが濃厚なのに後口がさっぱりしている。
いつも雑炊はあっという間に跡形もなく鍋から消え去るのだった。

普通、旅先で出合った料理を自宅に帰って、作ってみると、意外にうまくない、ってことが多々ある。
ところが、この雑炊だけは自宅で作っても、船宿で食べたものと遜色ないものが作れるのだ。
むしろ、自宅で作った方がうまいかもしれない。

材料(2人前)

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スルメイカ(活けスルメイカの方がよい)小1パイ、カツオ節だし400㏄、みりん適宜・醤油適宜(みりん、しょうゆは小さじ2ずつを基本として、味見をして加減する)、卵1個(好みで2個使ってもよい)、青ネギ

作り方
1 スルメイカは墨袋をとり、軟骨を抜き、鰓、目などを取り去って、ワタともに適当に切る。
2 カツオ節だしをみりん、しょうゆで味つけ。沸騰してきたらご飯を加える。

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3 ご飯が温まったら、スルメイカを加えて軽くかき混ぜる。全体が温まってきたら最後に溶き卵を加えて混ぜ合わせる。好みでネギを。

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