このところ困ったことに、市場人ですら在来種のイガイをムールガイと呼ぶことが多い。
ムールガイとは地中海などが原産であるムラサキイガイのことをさすべき。
イガイはイガイもしくは「瀬戸貝」、「シウリガイ」、「シイレ」などという本来の呼び名を尊重してもらいたい。
こんなことを言っても、実際に市場ではめったにイガイを見かけない。
どうやらあまりとれないらしい。
もしくはとる人が少なくなっているのかも知れないな。
今回のものは大阪は難波近く、大黒町にある木津の市場で買ったもの。
殻長15センチほど、産地は岡山県なのだというから、間違いなく標準和名のイガイである。
貝殻から取り出し、塩水で洗って、切り、ゴボウ、ニンジン、油揚げとしょうゆ味の炊き込みご飯にする。
これを山口県では「瀬戸貝飯」、鳥取県では「イガイ飯」という。
炊きたてを、食べるに限る。
釜(今回は『おぎのや』釜飯の陶器製のもの)の蓋を開けると、甘い香りが立ち上る。
甘く感じるのはイガイの旨味なのかも知れない。
呈味成分が匂うわけがないと言われそうだけど、そう感じるのだから致し方ない。
このあっさりしていながら、旨味十二分のご飯だけど、一合炊きの釜を一人分でも足りない。
それほどうまい。
炊き込みご飯は、ムールガイ(ムラサキイガイ)で作っても美味だ。
我が家では、献立に行き詰まると、こんなものを作る、といったものだ。
1 イガイを貝殻から外す。足糸(そくし)を抜き取り、適宜にきざむ。
2 ささがきゴボウ、ニンジン、油揚げを用意。
3 といで水加減した釜に材料を入れ、しょうゆ、塩、酒で味付け。
4 火をつけて釜が吹いたら弱火、約7分ほど弱火で炊き、一瞬強火にしてとめる。
5 15分以上蒸らして出来上がる。好みでネギ、もみ海苔などをのせて食べる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/igai/igai.html
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