漁師料理・郷土料理: 2013年5月アーカイブ

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日本各地に旅をして、たくさんの「さかなの猛者」に出会っている。

そして学ぶことが多いのだけど、

その猛者の密集度の高さ日本一は兵庫県明石だろう。

「さかな」とは水産物全般のことなのだけど、

市内にある居酒屋などで

明石前浜(目の前の海で揚がる魚貝類)の話をし始めると

どんどん深みに落ち込み、切りも果てもなくなる。

その猛者達の頂点にいるのが山嵜清張(きよはり)さんである。

 

今回、拙著『すし図鑑』を

兵庫県の「さかなの猛者」のひとりヤマシタさんにお送りした。

お返しにもらったのが、「明石前浜ものの達人」

山嵜さんの「イカナゴセット」である。

 

あらかじめ書いておきたいのは、

山嵜さんの正確の粘っこさである。

バイクをやればレーサー級であるし、

料理をはじめると達人級。

そして明石と言えばイカナゴで、

この粘っこい性格の山嵜さんの作る

イカナゴのくぎ煮の味は書くまでもなく、

ダントツにうまいのである。

 

さて、拙著のお返しにヤマシタさんに

「山嵜イカナゴセット」をいただく、

これではエビで鯛を釣るようなものだと思う。

セットは、通常のイカナゴのくぎ煮、フルセ(古背か?)のくぎ煮、

イカナゴで作る"ごまめ"である「げんごべい」の3パック。

 

まずはフルセのくぎ煮から食べ始めているが、

これがなんともすごい味である。

通常のイカナゴのくぎ煮は関東でも売られているが、

こんなもので山嵜さんのフルセのくぎ煮を想像してはいけない。

例えばちゃんと成長したイカナゴ(フルセ)のうま味があるし、

独特の風味(くせ)も感じられ、

しかもまったくイヤミがなく、ほろほろとほどよい甘みがある。

 

静岡県焼津で買ってきた「磯自慢本醸造」が

またこれに合うから困ってしまう。

そして、お後の2パックはフルセのくぎ煮以上に

ゆっくり大切に食べていこうと思うのである。

 

ヤマシタさん、山嵜さん、ありがとうございました。

来年も待っています!


山嵜さんの味を楽しむなら「明石の魚 嵜」へ


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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