食べるエビ・カニ学: 2007年3月アーカイブ

シャコがうまい

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 最近、活けのシャコがどんどん入荷してくる。今年は思ったより値段は安く2000円弱(キロ当たり)といったところ。安いところでは1500円というのもある。これを蝋びきの袋に放り込み。量ってから袋自体を海水で濡らす。それを持ち帰り、夕食直前にゆでる。家族が席に着くのと茹で上がりが「一二の三という呼吸」が望ましい。
 これを我が家にある3本の調理ばさみで縁を切り取り、とにかくむさぼるように食う。手のツメの身を無造作に放り出している太郎にはパンチ一発。「ツメの肉を食ってから次のにかかるんだぞ」というのも毎年のことだな。
 しかし、甲殻類数あれど、シャコほど文句なしにうまいもんはありはしない。しかも自宅で、食べる直前にゆでたシャコ、これは彼の有名な寿司屋だって及びもつかぬ至味といえるだろう。これを1キロ1500円で味わえるのだから、こまったもんである。

市場魚貝類図鑑のシャコ
http://www.zukan-bouz.com/koukakurui/shako/shako.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 駿河湾沼津、戸田は底引き網の基地である。しかも深い場所を曳くものと浅場のものがともにある。それで珍しい生き物がドッチャリ上がってくるわけだけど、「うまいのもあれば、まずいのもある」。
 その底引き網があるために沼津は暖海にもかかわらず、水揚げで見られる甲殻類の種類も非常に多い。エビは有名だがタラバガニ科やカニの種類も他に類を見ないほど多い。エゾイバラガニ、イバラガニ、イバラガニモドキ、イガグリガニのタラバガニ科、すなわちヤドカリの仲間。タカアシガニ、オオエンコウガニの短尾類、本当の意味合いでのカニ。などが食用とされている。
 なかでもあまり評判がいいとはいえないのがオオエンコウガニである。漁師さんに言わせると「ワタが臭くて油っぽい」と言う。それでなのか沼津では「あぶらがに(油がに)」なんて呼ばれている。
 それを見つけて沼津の甲殻類学者・飯塚栄一さんが1匹送ってきてくれた。これが1.3キロほどの思いのほか持ち重りのする個体。
 これをさっそく茹でて食べてみる。するとやっぱりワタが臭いのである。でも身には甘味がありうまい。これは最初から油を洗い流して、それから蒸すべきだったのだ。また送って下さいね飯塚さん。

飯塚さんの海の世界
http://www.numazu.to/sea/
市場魚貝類図鑑のオオエンコウガニ
http://www.zukan-bouz.com/kani/ooennkougani/ooenkougani.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 高知市を流れる川が土佐湾に注ぎ込もうとするのが浦戸湾。もうすぐ太平洋というところで真水と海水の混じり合った汽水の豊かなところである。
 高知市の永野廣さん、昌枝さんはここで漁師をしているのである。とれますものはアサリにハモ、ヒラメ、そして高知名物えがに、トゲノコギリガザミである。"えがに"はカニの中でももっとも美味なもの。そして取り分け冬にとれるメス、その内子がなくちゃ土佐料理は語れない。毎年、永野さんにこの至味をいただき、締めくくりに作るのが贅沢なトゲノコギリガザミの内子入り蟹玉。
 ハサミの先、足の先までせせりとった身と、やや半熟の内子。これを卵に溶き込み強火で玉子焼きを作る。強火なので真ん中あたりは半熟なのだ。そこに甘酢あんをかけて、またまた上から内子を散らす。
 たぶん蟹玉としては世界一うまいんじゃないかな、これ! でもこんな美味を朝ご飯用に作ってしまうのは犯罪行為に近い。

土佐の廣丸へ
http://www.zukan-bouz.com/zkan/hiromaru/index.html
市場魚貝類図鑑のトゲノコギリガザミへ
http://www.zukan-bouz.com/detail.php?id=227


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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