徳島に来たらぜひお土産に、というものがいくつもある。例えば阿波番茶、ひしお、竹ちくわ、魚カツにちりめんじゃこ、そしてこの干しえび。この頭をとりしっかり干し上げた小えびの味はいちど食べたら病みつきになる。またそのまま食べてももうまいのだけれど、出汁に使ってこれほどの美味があるのだろうか?
我が家では素麺つゆにはぜひとも、また野菜のたきものにもなくてはならぬものなのである。
今回のものは徳島産のアカエビを産地で干し上げたもの。この国産ですべて出来上がったものは干しえびのなかでは最上級のものだ。
まずはそのまま食べてみてほしい。この濃厚な旨味、香ばしいようなエビの風味。小皿に入れて食卓にでも置いておくと手が止まらなくなる。また素麺や野菜をたくときの出汁には、まず半日以上水に漬けておく。それをゆっくりと温めて、1時間くらい煮出すのである。こうするとエビの旨味がたっぷり水中に放出され、しかもうるかしたエビ自体もうまい。我が家ではここにほんの少しだけカツオ節を加える。
エビの出汁には、ほんの少しの味醂と塩、薄口醤油で味付けをする。そう言えば素麺のつゆというのはカツオ節で濃厚に出汁をとると重すぎてうまくもなんともない。出来れば上等の煮干しとか、この小えびの出汁を基本に作るほうが素麺のさっぱりした塩味と合うように思える。
素麺を食べた、残りのつゆではいつも必ずナスをたく。ナスをたいてエビのつゆほど出合いのものは考えられないくらいに、これがうまくてたまらぬものとなる。
食べるときにはつゆの中でナスをほぐしながら食べてほしい。すなわちつゆ一滴も残さないように食べろということだ。
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今回は徳島中央卸売市場内『板東商店』で買った。
徳島中央卸売市場 徳島県徳島市北沖州4の1の38
http://www.city.tokushima.tokushima.jp/chuo_ichiba/index.html
市場魚貝類図鑑のアカエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/akaebizoku/akaebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/